訪日外国人にとってわかりにくいと言われる日本の地図や道。観光地、混雑した駅では道に迷っている外国人を多く見かけることもありますが、そもそも訪日外国人が道に迷ってしまうのはなぜなのでしょうか?おもてなしをする上でどのような事が必要なのでしょうか。
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訪日外国人が日本の道に迷う3つの理由
理由その①:無料Wi-Fiが普及していない&そもそも日本語がわからないので日本の地図が読めない
訪日外国人が日本の地図を使用する場合で、一番多く利用されるのはGoogle Mapに代表される スマートフォンの地図アプリ でしょう。しかし残念ながら、街歩きをするようなシチュエーションで、気軽に利用出来るほどに日本社会で無料Wi-Fiは普及していません。日本の無料Wi-Fiサービスの多くは利用前に何らかの登録、アプリのダウンロードが必要である場合がほとんどで、これといった事前知識なしに日本観光に訪れた場合や、空港やホテルでは無料Wi-Fiを使えるということで安心して出かけたような場合、出先でWi-Fiがない ことに気づくというケースも多いようです。
そうなってくると出先で購入した日本地図などを使うわけですが、日本を訪れる訪日外国人で地図の日本語がしっかりと読めるという方は少なく、また地図記号も各国によって違うため、訪日外国人が日本の地図を使いこなすのは至難の技です。コンビニ、書店などで英語表記の日本地図を置いているところも少ないですし、そもそも地図アプリがWi-Fiがないために使えないような状況では、本屋を探すための地図が無い 状況です。
ちなみに諸外国の場合、観光地であれば、一般的なカフェやレストランでも自前の無料Wi-Fiを設置している事が多く、それこそ パスワードの入力もなく簡単に接続してすぐに使える ことがあります。もちろんこれはセキュリティーの問題などを考えると不安面も残りますが、利便性だけを考えるとこれもありでしょう。
対して、日本の一般的な無料Wi-Fiサービスの場合、「利用登録」「アプリのダウンロード」をして初めて無料Wi-Fiスポットを検索して接続出来るようになるという設計のため、Wi-Fiに繋がるまでにハードルが若干高く、そもそもセットアップ、アプリのダウンロードをする際にはネットワーク回線に繋がっている必要があります。 日本のこれらの無料Wi-Fiは、接続した訪日外国人に向けて広告を表示したり、そのGPSデータ、属性データを取得して、今後の訪日外国人の利便性向上に繋げるという設計であるために仕方ないとも言えますが、もう少し簡易的にWi-Fiに繋がる仕組みがあってもいいかもしれません。
理由その②:日本の道は全ての通りに名前が付いているわけではないので、訪日外国人にとっては道に迷いやすい
仮に日本地図が読めたとしても、地図アプリが使えたとえしても、そもそも日本の道の作りからして訪日外国人にとっては日本の道は迷いやすくなっているとも言えます。これはなぜかというと、日本の道は全ての道に名前がついているわけではないから です。これは日本人の感覚からすると当たり前ですが、訪日外国人には驚かれることの1つ です。例えば海外の場合、基本的には全ての道、通りに名前が付いていることがほとんどで、どこかに出かけるにしても
「◯◯通りと◯◯通りの交差点」
もしくは
「◯◯通りと◯◯通りの交差点から西に◯◯mくらい」
という形で目的地の場所を把握する事が出来ます。 対して日本の場合、都心部であっても全ての通りに名前が付いているわけではないため、
「◯◯通り沿いの左側にある郵便局の角を左折して、その先のT字路を右へ行って・・」
という形で説明自体がややこしくなりがちです。日本人で車をよく運転されるような方であれば
「◯◯通りを進んで◯◯という信号で右折。その先にある青色の屋根のアパートの角を右に曲がった通りを直進して、左側に見えてくるドラッグストアの右」
などという形で、初めて行く場所でも、通りの名前、信号名、特徴のある建物などを目印に進む事が出来ますが、こういった事を漢字も読めず、地理感覚も異なる訪日外国人に求めるのは無理というものです。ですから、日本語がある程度わかり、空港でポケットWi-Fiをレンタルしているような訪日外国人であっても、GPS信号が弱くなって自分の位置がわからなくなった、英語地図を持参したが、実際に見る日本の町並みは色々な建物やショップ、さらに人混みなどで混雑していて、よくわからなくなってしまったという事が起きやすいのです。
理由その③:街頭にある地図がまるで約に立たない
ほとんどの訪日外国人はスマートフォンで地図を確認するか、英語地図を見て観光をすることがほとんどですが、極稀に駅前、もしくは観光地の街頭にある地図を眉間に皺を寄せて凝視している訪日外国人がいます。彼らを混乱させるこの街頭地図。その理由は英語表記ではないから、地図記号が本国と異なるからでもなく、地図がノースアップ(北側が上)になっていないことが多いから です。
地図というのは、そもそも基本的にはノースアップであることが一般的ですが、なぜか日本の街頭に設置されている地図のほとんどがノースアップになっていません。こうなってくると、手元のスマートフォンや手持ちの地図を回転させてみないと、この街頭の地図との比較が出来ず、結果的に良くわからないということになってしまいます。
国土地理院では「地名の英語表記の方法」「外国人にもわかりやすい地図記号」について検討を進めていますが、今まで述べてきたように、「無料Wi-Fiに繋がらず」「英語地図を持っておらず」「日本語表記の地図が読めない」訪日外国人のためにも、せめて駅前などにある地図は「一般的なノースアップの地図とする」、「通りや郵便局などの目印になる建物は英語表記もする」という具合にわかりやすく出来ないものでしょうか。
まとめ:観光地、観光名所、宿泊施設、レストランなどは、訪日外国人は道に迷うという視点でコンテンツの作成を
全ての訪日外国人が道に迷うということではありませんが、道に迷った際に、行き先としている観光地、宿泊施設などが最寄りの駅などからの行き方を、ホームページ上でしっかりと英語などで表記出来ているかどうかということは、訪日外国人の満足度に大いに関わってくると言えます。昨今は様々な言語でのホームページ作成を助けるインバウンドサービス、訪日外国人が道に迷わないようにするようなインバウンドサービスも登場していますので、導入を検討されてはいかがでしょうか。
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<参考>
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