2017年11月末に台湾で行われたアニソンDJのイベント(アニメのテーマソングを使ったクラブイベント)で、台湾の若者たちが『とっとこハム太郎』に合わせて走り回る動画が今話題となっています。日本ではかなり昔に放映が終わった、いわゆる旧作アニメなのですが、なぜ今、台湾の若者は『とっとこハム太郎』で盛り上がるのでしょうか?
近年、インバウンド産業においてアニメは大きな観光資源になっています。アニメは放映されるコンテンツとしてだけでなく、キャラクターやテーマソングなどが独立して商品化でき、長期間の二次利用に向いている点もユニークです。
日本がレガシー(文化遺産)として持つアニメコンテンツをインバウンド向けに展開していく好事例となりそうな今回の動画拡散を追いました。
莫大な市場規模になりつつあるアニメツーリズム 中には22億円を稼ぎ出す自治体も:インバウンド誘致のキラーコンテンツはやっぱりアニメ?
2016年に行われたリオオリンピック・パラリンピックの閉会式にて、安倍首相が東京オリンピック・パラリンピックのPRを兼ねて世界的に知名度の高い任天堂のキャラクターである「マリオ」に扮して登場したことが世界中のメディアに取り上げられ話題になったように、 日本の魅力を語るうえでアニメ・マンガなど日本のポップカルチャーは欠かすことのできない存在 です。では、実際に日本を訪れた外国人観光客にとってアニメやマンガなどのクールジャパンコンテンツはどのように捉えられているのでしょうか。日本政策投資銀行の...
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『とっとこハム太郎』が台湾「アニクラ」でブレイク。台湾の若者の「とっとこ走り」拡散中。
アニソンとアニクラは海外で日本の音楽イベントを企画するときに頼りになるコンテンツです。(アニソンはアニメ・テーマソング、アニクラはアニメソングのクラブイベントです。)
歌手個人の歌唱力・音楽性・ルックスだけでなく、その上にアニメ人気や声優が演じるキャラクターの人気をバックに集客できるからです。アニメ系音楽イベントは海外でも成功しやすいといいます。
大きなイベントだけでなく、小さなクラブで開催されるアニクラ・イベントではアニソンDJイベントと呼ばれるDJイベントも人気です。
今、ネットで話題になっている『とっとこハム太郎』の動画も、台湾で行われたアニソンDJイベントの様子です。
Twitter:台湾のアニソンDJイベントの様子(https://twitter.com/DJamecomi/status/931822156886843395)
台湾のアニソンDJイベントで『とっとこハム太郎』が流れ出すと、台湾人のアニヲタ(アニメおたく)たちが自然と輪になって走り出し、コールと呼ばれる日本語の合いの手を入れています。
『とっとこハム太郎』の曲で輪になって走り、コールするのは、日本のアニクラでときどき起きる自然発生的な盛り上がりかたでした。台湾のコアなアニメファンはそんな日本現地の盛り上がり方を完全に再現していたのです。これには曲をかけたDJ本人も驚いたようです。
この動画は海外のアニメファンが日本のディープなアニクラ・シーンまでも完全にカバーしている例として、ネットで拡散を続けています。
アニメの経済効果とは?聖地巡礼で町おこし/らき☆すた・ガルパン・ラブライブなどコンテンツツーリズム成功事例に学ぶ
日本を代表する文化であるアニメは、メディアでのコンテンツ展開に加え、ライセンスの付与という形で市場を形成しています。 近年では作品ゆかりの地域への観光旅行もみられ、関連市場はさらに成長の余地があると見られています。 アニメ等の映像作品ゆかりの土地やスポットを訪れることは「
韓国でもう一匹のハムスターも大活躍・『おるちゅばんエビちゅ』
一方、韓国でも、2000年代日本生まれのもう一匹のハムスターが大人気となっています。『おるちゅばんエビちゅ』です。
『とっとこハム太郎』に比べるとちょっと知名度は低いものの、愛らしいキャラクターのしぐさと大人向けな内容のギャップで人気を博した2000年代の日本アニメです。
エビちゅはじつは作品としては、かなり大人向けの内容のアニメだったのですが、ネット上で「キャラクターが可愛らしい」と、キャラクターをアイコンとして切り貼りするのが流行り、ハムスターのキャラクターだけが独り歩きして人気が出ました。
これにスマホ向けメッセージアプリの企業が目を付け、エビちゅをスタンプの素材として売り出したところ、大ブレイク。スマホ向けスタンプ以外にも様々なグッズが売れているそうです。
公式サイトで販売している小物も売り切れが相次いでいるようです。
海外でのアニメ愛をインバウンドに活かす試みは各地で活発化
今やアニメが日本のコンテンツ産業の大きな柱の一つだという認識は共有されつつあります。ジブリ作品・NARUTO・ポケモンなどを始めとするジャパニーズ・アニメは日本製の有望コンテンツなのは間違いありません。
しかし日本アニメの強みは、グローバルマーケットを意識して制作された近年の作品だけではなく、何十年も前から私たちがマンガ雑誌で読んだり、お茶の間で楽しんできた番組が、時代も国境を超えて受け入れられていることです。
SNSで人気に火が付き始めたアニメ系コンテンツ・キャラクターをどうインバウンド向けビジネスに活かすか…日本はアニメ・コンテンツのレガシー(文化遺産)が豊富にあるのですから、真剣に考えたいものです。
訪日外国人の聖地巡礼を促進!「アニメツーリズム協会」が発足 アニメの聖地88カ所を選定へ
ドラマや映画、アニメ・漫画のロケ地やモデルとなった土地を訪問する「
訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーションを資料で詳しくみてみる
<参考>
- ハム太郎とっとこむ
- Anison World Matsuri
- なぜ台湾人はハム太郎ソングでとっとこ走り回ったのか アニソンDJ界の流行「ハム太郎コール」、ルーツを探る
- 「おるちゅばんエビちゅ」韓国で大人気 懐かしの日本キャラ、なぜ若者の心つかんだか
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