私たち株式会社S-fleage(エスフレイジ)では、京都の舞妓によるお座敷体験を外国人に提供するサービス「Enchanted Time with Maiko」を運営しています。
弊社は昨年6月からホテルへイベント紹介のお願いを開始し、当初は0であったご送客が、今年の3月には、全ゲスト数の約20%のご送客を定期的にいただけるようになりました。その手法とは、「ホテルのコンシェルジュにイベントのファンになってもらうこと」です。その方法を公開します。
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- 改めて、なぜホテルに提携のお願いをするのか。
- ホテルとインバウンド集客提携すべき理由その①:対面での丁寧な案内が可能
- ホテルとインバウンド集客提携すべき理由その②:ホテル側にもメリットあり
- ホテルとインバウンド集客提携すべき理由その③:当日需要を取り込める
- 我々が考えた、ホテルに提携のお願いをする上で重要なこと
- ホテルとの提携を成功させるために重要なことその①:アポなしでお伺いする
- ホテルとの提携を成功させるために重要なことその②:お話する際には、「滞在客の満足度をあげる」で訴求する
- ホテルとの提携を成功させるために重要なことその③:実際にイベントを体験してもらいファンになってもらうために、ホテルのコンシェルジュの方をイベントに無料招待する
- ホテルとの提携失敗事例その①:「紹介料による提携」の難しさ
- ホテルとの提携失敗事例その②:チラシ&説明ではほぼ集客は見込めない
- 効率よくファン作りを行うために重要なホテルの回り方
- ホテルの方々に継続的にファンでいていただくために
- ホテルの方々に継続的なファンになってもらうための施策その①:定期的にチラシを持って行く
- ホテルの方々に継続的なファンになってもらうための施策その②:送客結果のフィードバックをする
- ホテルの方々に継続的なファンになってもらうための施策その③:送客マニュアルを作る
- 最後に
目次
改めて、なぜホテルに提携のお願いをするのか。
ホテルに自社サービスの紹介をお願いをすることは、インバウンド業界ではおなじみの方法です。改めてその利点を整理してみましょう。主に三点あります。
ホテルとインバウンド集客提携すべき理由その①:対面での丁寧な案内が可能
一点目は、観光客と対面で接点を持つホテルのコンシェルジュの方々にアプローチができるという点です。
訪日観光客が、何か行きたい・体験したい時に相談できる人は多くはありません。ホテルのコンシェルジュの方は頼りになる存在です。そこで我々のサービスを紹介していただければ、多くの集客が見込めます。
ホテルとインバウンド集客提携すべき理由その②:ホテル側にもメリットあり
二点目は、コンシェルジュの方も紹介先を探しており、お気に入りのイベントになることができるということです。
例えば、観光客に「京都で日本文化が深く体験できるアクティビティに参加したい」との要望があった時、コンシェルジュの方も紹介できるコンテンツの引き出しが多い方が良いです。
そんな時、お客様に自信を持って勧められるコンテンツがあれば、ホテルのコンシェルジュからも喜ばれます。自社のイベント・コンテンツがお客様に自信を持って勧められるに値することをしっかりと伝えましょう。
ホテルとインバウンド集客提携すべき理由その③:当日需要を取り込める
三点目は、事前予約ではない、当日需要を汲み取りやすいということです。
我々の経験上、ホテルのコンシェルジュの方に紹介を求める人は、当日のイベント・お店を探すことが多いです。それゆえ、たとえイベントの成約率が当日まで低かったとしても当日の予約を期待することができます。
それゆえ、自社イベント・コンテンツが「当日予約可」であれば、ぜひその旨を伝えましょう。お客様の急な要望に応えられるイベント・コンテンツとして、重宝されます。
我々が考えた、ホテルに提携のお願いをする上で重要なこと
我々が営業する目的は、結局のところ、ホテルから定期的に送客をいただくことです。
そのための手法は、ホテルのコンシェルジュの方にファンになっていただくことが一番です。なぜなら、ホテルにとって、大切なお客様には、コンシェルジュの方自身が良さを実感し、信頼できるものであることが重要だからです。
では、コンシェルジュの方々が舞妓イベントを好き・ファンである。そんな状態を実現するために大事なことは何か。以下の3点を紹介させていただきます。まず成功事例から紹介させていただきます。
- アポなしでお伺いする。
- お話する際には、「滞在客の満足度をあげる」で訴求する
- 実際にイベントを体験してもらいファンになってもらうために、ホテルのコンシェルジュの方をイベントに無料招待する。
以上が結果につながった理由だと考えます。
ホテルとの提携を成功させるために重要なことその①:アポなしでお伺いする
一点目について、ホテルのコンシェルジュの方にお話しをする方法は、テレアポ・HPからのメール送付等複数ありますが、我々の経験上、アポイントを取らずに直接ホテルに伺うという方法が一番成功しました。
理由としては、
- アポイントを取られる方がホテルのコンシェルジュからしても、時間的損失が大きい。
- ホスピタリティを仕事にしている方だけあって、こちらのお話を親身に聞いていただける。
以上の理由から、我々は常にアポを取らずに直接ホテルに伺いました。ホテルに伺う際は、アポを取らずに直接訪問することが良いでしょう。
ホテルとの提携を成功させるために重要なことその②:お話する際には、「滞在客の満足度をあげる」で訴求する
二点目について、様々な訴求の方法を試しましたが、つまるところ、「舞妓イベントを通して、舞妓さんと会いたいのに会えないという不の解決を行うことで、ホテルの滞在客の満足度をあげたい」という想いを伝えることが、一番効果がありました。
ホテルのコンシェルジュの方も滞在客の満足度を上げるために日夜ホスピタリティを磨いています。そのような手助けをこのイベントによりしていきたいことを伝えると、コンシェルジュの方の反応も変わってきました。
ホテルに伺うときは、ホテルの大切なお客様の顧客満足度にイベント・コンテンツが寄与することを伝えることが重要です。
ホテルとの提携を成功させるために重要なことその③:実際にイベントを体験してもらいファンになってもらうために、ホテルのコンシェルジュの方をイベントに無料招待する
三点目について、こちらが今回のETMファン化プロジェクトの肝でもある部分です。
我々がホテルを回る中で、やはりコンシェルジュの方々も自分たちが良さを感じていないアクティビティをお客様に紹介するのは気がひけるという事実を感じました。そこで、我々はコンシェルジュの方々を直接イベントの方に無料で招待しました。体験を通じて、良さを感じてもらいファンになってもらうことが目的です。
実際来ていただきましたコンシェルジュの方の声としては、「舞妓というと敷居の高いイメージがあったが、実際はお客様と舞妓のカジュアルなコミュニケーションも見られ、想像したものと違った」「ぜひ紹介したい」との声をいただくことができました。
これは体験いただかないと実感していただけないことです。やはり、自分たちのサービスの良さを感じてもらうためには、直接体験していただく事が一番だと改めて感じました。
また、補足として我々が失敗した事例も共有させていただきたいと思います。
- 「紹介料による提携」の難しさ
- チラシ&説明ではほぼ集客は見込めない
二点を特に感じました。
ホテルとの提携失敗事例その①:「紹介料による提携」の難しさ
一点目について。我々は当初、コンシェルジュの方々に送客いただいたお客様の数に応じて、紹介料を支払っていましたが、あまり効果はありませんでした。
理由としては、紹介料をいただく方が決済の手間などコンシェルジュの方の仕事が増えてしまう、紹介料が欲しいがために大事なお客様を紹介するという事をしないということが考えられます。このことからもコンシェルジュの方々もやはり、第一にあるのはお客様が満足して京都を楽しんでもらうというホスピタリティの精神だということが感じられます。
金銭的な結びつきよりも、イベント・コンテンツを大好きになってもらうという「情緒的な」つながりを重視することが重要です。
ホテルとの提携失敗事例その②:チラシ&説明ではほぼ集客は見込めない
二点目について。我々は当初、チラシをお渡しして説明を行っていました。もちろんそれも大事なことですが、それだけでは集客に繋がりませんでした。理由は、これだけでは、あえてホテルのコンシェルジュがお客様に紹介するものとして選択しないからです。
やはりホテルのコンシェルジュにとって、なぜ我々の舞妓イベント「Enchanted Time with Maiko」をホテルの大切なお客様に紹介するのかということを明確に感じられるようにまずは自社イベント・コンテンツを好きになっていただくことを心がけましょう。。
効率よくファン作りを行うために重要なホテルの回り方
次に、実際どのようなホテルの回り方が理想なのかを、説明させていただきます。
まず、ターゲティングです。我々の舞妓イベントは、一人当たりの定価が19,000円(税込)と決して安いものではありません。ゆえにアプローチするホテルもある程度高単価なものになってきます。
おおよその目安として、1泊あたり2万円以上のホテルに絞ってアプローチしています。過去、宿泊単価が比較的低いゲストハウスにもアプローチしましたが、あまり送客に繋がりませんでした。
訪問するべき時期も重要です。京都は特に、桜の時期である3〜4月と紅葉の時期である10〜11月が観光客が最も多くなります。この時期だと、コンシェルジュの方もお客様対応に追われ、なかなかこちらの話をさせていただく機会を設けることが難しくなります。
ゆえに、この時期は避けるのが賢明です。逆に12月〜2月や6〜8月においては、ホテルも比較的忙しくないので、この時期にアプローチするのが良いです。
次に訴求の方法です。
すでに述べさせていただきましたが、「紹介料を払う」といった金銭的なアプローチはあまりうまくいかないこと事が多いです。「イベントを通してお客様の満足度をあげる」ということを第一に置き、そのためにまずは、コンシェルジュの方にファンになってもらうことが最も重要です。
ホテルの誰にお話するのかということも以外と迷うところでもあります。ホテルのロビーに行くと、フロントスタッフ・案内スタッフ・場合によっては支配人など様々な方がいらっしゃいますが、最も理想は、コンシェルジュデスクに立っているコンシェルジュの方に直接お話しすることが重要です。なぜなら、実際にお客様にイベントを紹介するのは、紛れもなく、コンシェルジュの方々だからです。
ホテルの方々に継続的にファンでいていただくために
ここまでは、まだ弊社舞妓イベント「Enchanted Time with Maiko」を知らない ホテルのコンシェルジュの方々にどうイベントのファンになってもらう・好きになってもらうかを中心に述べさせていただきました。
では、イベントに招待しファンになってもらったあと、継続的にファンでいていただくためにどのようなことを我々が行なったのかを具体的に説明します。
ホテルの方々に継続的なファンになってもらうための施策その①:定期的にチラシを持って行く
まず一点目は、定期的にチラシを持って行くことで継続的にイベントを想起してもらうことです。
やはりホテルのコンシェルジュの方に一度イベントに参加していただいても、その感動の記憶は時とともに薄れていきます。その記憶を継続的に思い出していただくために、チラシを新たに持っていくという名目でホテルに伺います。
重要なことは決して、チラシを置きに行くことで終わるのではなく、実際にいただいたお客様の声やイベントの良さなどを再度アナウンスすることです。特に、実際にお越しいただいたお客様の生の声をできるだけ具体的な形で説明することが重要です。
ホテルの方々に継続的なファンになってもらうための施策その②:送客結果のフィードバックをする
二点目は、ホテルからご送客をいただいた後にイベント参加時のお客様の様子や、ユーザーボイスを録画した動画をホテルに送るということです。
コンシェルジュの方が抱えている課題として、実際にお客様をイベントや飲食店に送客しても、その後のお客様の様子や満足度がわかりにくいということがあります。そういった状況を生み出さないようにするべく、我々は以上のことを行い、コンシェルジュの方からも愛され信頼される繋がり作りに努めています。一点目とも共通することで、お客様の様子を絶えず伝えていくことが重要です。
ホテルの方々に継続的なファンになってもらうための施策その③:送客マニュアルを作る
三点目は、送客マニュアルを作ることです。目的は二つあります。
- コンシェルジュ一人だけに認知されるのではなく、全員に共有してもらうこと。
- 送客に際して、できるだけコンシェルジュの方の手間を省くこと。
以上になります。
なお送客マニュアルとは、実際にホテルのお客様が我々の舞妓イベントに参加することになった場合、潤滑に手続きを進めるために、その手順をまとめたものになります。
送客マニュアルを作るべき理由その①:機会損失を減らす
一点目について。ホテルのコンシェルジュの方も大規模なホテルになると3〜4名いらっしゃることも多いです。そうすると、「舞妓に会いたい」というホテルのお客様が必ずしも、我々のイベントのファンであるコンシェルジュの方とお話しするとは限りません。
そのような機会の損失を防ぐために、一度招待で来ていただいたコンシェルジュ以外の方も含め全員に知ってもらうためにマニュアルを配布しました。マニュアルにすると、シェアがされやすいからです。
送客マニュアルを作るべき理由その②:コンシェルジュの送客の手間を省く
二点目について。ホテルのコンシェルジュの方には、絶えずお客様からの問い合わせがあり、忙しいです。そのような状況で少しでも送客の手間を省くために、マニュアルを配布することでわかりやすくしました。
具体的には、マニュアルの中には、お客様の連絡先だけいただけましたら、予約の手続き等は全て弊社で行う旨のことを記載しております。このような取り組みによって、送客に際してのハードルを少しでも少なくする取り組みを行っています。コンシェルジュの方からも有り難がられます。
最後に
訪日外国人観光客の集客手段は、Trip advisorやViator等のOTAなどたくさんの手段がありますが、日頃お客様と対面での接点があるホテル経由の集客もやはり有効です。特に大事なのは、ホテルの方に愛され、観光客にも愛されること、すなわちファンになっていただくことです。
今回の記事が、皆様の集客のヒントになれば幸いです。
株式会社 S-fleage (エスフレイジ):公式サイト
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今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
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