日本政府、医療費未払いの訪日客再入国を規制へ…訪日客を受け入れた病院の3割以上が未払いを経験:病院側でも求められる自衛インバウンド対策とは?

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

日本の優れた医療を求めて訪日旅行の際に医療行為を受けにくる医療ツーリズムはよく知られていますが、通常の旅行時に怪我をした、もしくは急病になったなどで、日本の病院で医療行為を受けた訪日外国人の医療費の未払いが度々話題になってきました。

訪日中国人観光客が人間ドッグを受けるために日本に?医療ツーリズムとは

訪日中国人観光客といえば、流行語大賞にもなった「爆買い」。現在、ほとんどの日本人がそんなイメージ持っているのではないでしょうか。爆買いする訪日中国人観光客は、主に買い物を旅行プランのメインに据えている人たちで、実際にはまったく異なる目的で日本を訪れている人も少なくありません。分かりやすい訪日中国人観光客の旅行目的のひとつは、寺社仏閣巡りに時間を割く京都観光。京都の文化財の中には中国のかつての王朝・唐などの建築様式に影響を受けているものが数多くあります。訪日中国人観光客にとっては外国のような...

新たな観光公害 訪日客の「医療費未払い問題」…解決策はあるのか?

訪日外国人観光客が増加することは、日本の観光立国において、また2020年の東京オリンピックに向けて取り組んでいかねばらなないことです。しかしながら、訪日外国人観光客が増える事で発生するリスク、問題もないわけではありません。このような観光によって発生するリスク・問題を 「観光公害」 と呼びますが、今回はそんな中から少々変わり種の、訪日外国人観光客が日本で病院を受診した際の医療費の未払いに 関する問題をご紹介します。目次訪日外国人観光客が、医療費を未払いのまま帰国してしまう「医療費の未払い問題...

こうした背景を受けて、政府は医療費の未払いを過去にしている訪日外国人について、医療費未払いを繰り返す恐れがあるものに対して、再入国を禁止することとしました。

インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる


【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

医療費未払いの訪日客の再入国を拒否

訪日外国人の医療費未払いの問題から、日本政府は6月14日、過去に医療費未払いとなっている訪日外国人今後も医療費の未払いを起こす可能性がある訪日外国人の再入国を拒否することを盛り込んだ対策を策定しました。

これは厚生労働省で把握している未払い情報を法務省に情報提供し、入国審査時に水際で入国を食い止めようというもの。今後は2020年の東京オリンピック訪日外国人が増加することが予想されることから、来年度に実施される予定です。

実際の医療費未払いに関してどの程度の件数が発生しているのか

今後は厚生労働省が全国の病院に対して、未払いの履歴がある訪日外国人の情報を提供するように求めていくわけですが、厚生労働省の調査によると、平成27年度に全国の医療機関で訪日外国人を受け入れた1,378の病院で、35%が医療費の未払いを経験

近畿運輸局が行った平成28年度の調査によると、大阪試合の147の病院で、20病院で27人分の未払いが発生いているとのこと。この未払い総額は1,547万円にもなり、1人あたりの未払い金額が800万という例もあるそうです。

医療費未払いがなぜ発生するのか?

訪日外国人による医療費未払い発生の理由として大きいのは、医療現場側の善意によるところが大きく、多くの病院では眼の前で病気で調子が悪い、怪我をしている訪日外国人に対して「治療後に支払い能力があるのか?」という点を厳密に確認せずに医療行為を行ってしまっている背景があります。

医療費未払いを避けるには、訪日外国人旅行保険に加入しているのか?またクレジットカードのコピーを取る、パスポートのコピーを取り身元の確認などをする必要があります。

しかし、こうした確認を行わずに医療行為を行い、いざ請求の段階になると、「実は医療保険に入っていないので高額な医療費が支払えない」「こんな高額な治療は望んでいなかったなどとして支払いを拒否される」「そのまま帰国されてしまう」などで医療費未払いが発生しているのです。

一度未払いになった医療費の回収は困難

こうして未払いになった医療費は訪日外国人に支払う意志がなく、支払い能力がなく、さらに帰国されてしまうなどとなると、回収は実に困難になります。

日本滞在時に関してもプリペイド携帯を使っていたり、日本の住所はあくまで宿泊先であること、宿泊先も一箇所にとどまっているわかではないこと、そもそも言語の壁があるため、電話、手紙の内容を理解されていないという可能性もあります。

さらに一度帰国してしまうと、そもそも治療段階で住所を確認していなければ請求書を送ることも叶わず、電話番号も確認せずに治療を行ってしまえば連絡も出来ず、さらに電話番号を知っていても、言語の問題、時差の問題など多くの課題が存在します。

実際に支払いを行わせる手段はあるのか?

医療費が支払われなかった医療機関に対して、未払い医療費の補填事業を行っている都県も存在はします。しかし、そういった仕組みがない地域では、患者を相手に日本の裁判所に医療費支払い請求の民事訴訟を起こすしかありません。

この訴状は当該国にある管轄官庁、在外日本大使館、領事館が送付などの作業を行うこととなります。このためにも医療行為を行う時点で、相手の住所をパスポートで確認する必要が出てくるのです。しかし、多くの場合、口頭弁論期日に、患者、代理人が法定に出席することはなく、請求どおりの判決が言い渡されます。

そうなると強制執行となるわけですが、この場合は、患者の海外の財産がどこにあるのかを突き止める必要があり、渡航費用、現地に精通した弁護士などに依頼する際の委託料、翻訳料などを考えていくと、莫大な時間とコストがかかることから、多くの医療機関では泣き寝入りになってしまっている現実があります。

医療費未払いを食い止めるには水際対策と現場での対策が必要

今回は政府が入国時審査を厳しくするとう方策をとりますが、注意したいのはこれはあくまでも「過去に未払いの履歴がある人」のみが対象になるということで、過去の医療機関への未払い履歴がなく、新たに入国する訪日外国人に関しては、入国時に手の内ようがありません。

そこで求められてくるのは、医療機関が医療行為を行う現場でしっかりと医療保険加入の有無、保険内容の確認を行うこと、パスポートビザなど、相手の身元と住所などをしっかりと確認すること、クレジットカードなどの支払い情報を確認しておくことです。また、当然こういった話を行うには、外国語対応も求められるでしょう。

なお、東京都などでは東京都外国人患者受入れ体制整備支援事業」において、多言語対応ツールの導入、院内文書の多言語化、院内文書の多言語化、案内表示の多言語化、ホームページの多言語化、外国人患者の受入れに対応するためのシステムの導入などに対して、補助上限額5000万円までの補助金の仕組みが存在します。訪日外国人が今後多く見込まれる医療機関においては、こうした補助金の活用も視野に入れるべきでしょう。

インバウンド対策の第一歩 多言語対応を資料で詳しくみてみる

「翻訳・多言語化」を資料で詳しくみてみる

「多言語サイト制作」を資料で詳しくみてみる

「多言語化表示サービス」を資料で詳しくみてみる

「テレビ電話型通訳サービス」を資料で詳しくみてみる

「バイリンガル採用・派遣」を資料で詳しくみてみる

<参考>

【7/16開催】【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※


外食店舗、支援サービス、業界のトップ企業が集結!

さらに、有名飲食店や外食産業を牽引する企業による特別基調講演も開催。

成功企業のリアルな戦略や、これからの外食業界を生き抜くヒントがここに詰まっています!

最新のトレンドを知り、トップ企業の成功ノウハウを学びたい方

業界の最前線で活躍する企業とつながり、新たなビジネスチャンスを掴みたい方にぴったりのイベントです。

今こそ、業界の未来を共に創る一歩を踏み出しませんか?

皆さまのご参加をお待ちしております!

<応募者特典>

  • イベント登壇企業の各種お役立ち資料
    ※口コミアカデミー内でのアーカイブ配信は予定しておりません
  • 本イベントのアーカイブ動画(1週間)

<本セミナーのポイント>

  • 有名飲食店&業界をけん引する企業の基調講演
  • - 成功企業の戦略や実例を直接学べる貴重な機会!
    - トップ経営者や専門家が語る「成長の秘訣」と「業界の未来」
  • 外食業界の最新トレンド&成功ノウハウが手に入る
  • - 変化の激しい市場で勝ち残るための最前線情報をキャッチ!
    - 業界をリードする企業が実践するプロモーション戦略やDX事例を公開!
  • 外食業界を支える最新サービス&ソリューションの紹介
  • - 飲食業界の課題解決につながるアイデアが満載!
    - 効率化や売上向上につながる最新ツール・サービスを知るチャンス

詳しくはこちらをご覧ください。

【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※【7/16開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに