『この暑さでホントにオリンピックやるの?』酷暑の開催が予想される2020年東京五輪 暑さ対策は果たして十分なのか?一部競技の夜間開催の検討の必要性も?

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日本全国で連日猛暑が続いていますが、7月17日には日本各地で35℃を超える猛暑日となりました。なお7月18日には岐阜県多治見市で40.7℃を記録。これは気象庁によると7月の中で歴代2番目に高い記録となります。同じく18日には岐阜県美濃市で40.6℃、愛知県豊田市で39.7℃など歴代でも非常に高い気温が2018年に記録されています。

17日には愛知県豊田市で、小学生が校外学習の後に体調不良を訴え、熱中症が原因で亡くなるという痛ましい事故も発生しています。こうした連日の猛暑から、2020年に開催される東京オリンピックの暑さ対策に不安の声が上がっています。

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東京五輪の開催日程はまさに猛暑の夏と完全に重なる

2020年に開催される東京オリンピックはの開催日程は7月24日から8月9日までで、史上最多の33競技339種目が42の競技会場で行われます。

一番最初に開催される競技は開会式前の22日に福島県で行われるソフトボールで、大会前半に柔道、体操、バドミントンなどがあり、後半に陸上競技やバレーボール、サッカーなどが予定されています。

中でも厳しい暑さが予想される屋外競技であるマラソン、競歩、トライアスロンに関しては、「そもそも開催して選手の体調面で大丈夫なのか?」と懸念の声が上がっています。

そもそも大会期間中の外気温は熱中症予防の観点からは「危険」領域

環境省の熱中症予防情報サイトによると、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標「暑さ指数(WBGT)」では、湿度、日射・輻射熱、気温の3つを総合的にみて、外気温によって熱中症の危険度合いを判定することが可能です。

これによると、日常生活をおくる上での指針として、 - 外気温25℃未満で注意(一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。)、 - 25~28℃で警戒(運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。)、 - 28~31℃で厳重警戒(外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。)、 - そして、31℃以上では危険(高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。)

としています。

また、運動に関する指針としては

  • 外気温24℃未満でほぼ安全(通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。)、
  • 24~28℃未満では注意(熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。)、
  • 28~31℃では警戒(熱中症の危険が増すので、積極的に休息をとり適宜、水分・塩分を補給する。激しい運動では、30分おきくらいに休息をとる。)、
  • 31~35℃では厳重警戒(熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。運動する場合には、頻繁に休息をとり水分・塩分の補給を行う。体力の低い人、暑さになれていない人は運動中止。)、
  • 35℃以上の場合は運動は原則中止(特別の場合以外は運動を中止する。特に子どもの場合は中止すべき。)

とされており、連日35℃を超える気温が続く7月中旬以降の東京での運動というのは、そもそも熱中症予防の観点からは運動は原則中止しなければならない環境下での競技となるわけです。

危険なのは選手だけではない

東京は世界的に見てもコンクリートジャングルとして有名で、直射日光のみならずアスファルト、コンクリートからの輻射熱によってヒートアイランド現象(都心の気温だけ高くなること)が発生、熱帯夜の原因ともなっています。

気象庁によると2017年の日本の年平均気温の1981〜2010年平均基準における偏差は+0.26℃で、日本の年平均気温は長期的には100年あたり約1.19℃の割合で上昇しています。また、2016年には昨年比で平均気温が+0.88℃、2017年は+0.26℃平均気温が上昇しており、このペースでいくと、2020年には東京の都心部の最高気温が36℃を超える可能性もあると言えるでしょう。

そうなってくると競技を行う選手はもちろん、競技を競技場でや沿道で観戦する観客、世界から訪れる観光客全てが「暑さ指数」における危険領域(高齢者においては安静状態でも熱中症が発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。)での観戦を強いられることとなります。

また地面により近い子供、ベビーカーに乗る乳幼児、車椅子の利用者、ペットは体感温度がさらに高くなり、熱中症の危険性はさらに高まります。17日には東京都だけで214人が熱中症で搬送されており、これが大会期間中ともなると一体どれだけの人が熱中症になるのか、大きな懸念が持たれています。

熱中症の危険性は、暑さに不慣れな外国人選手・訪日外国人のほうが高い

ヨーロッパなどでも毎年猛暑であることが報道されますが、日本の夏とヨーロッパ、北米などの夏の暑さは質が違います。湿度は意外にもヨーロッパでも地域によっては日本とさほど変わらないケースもありますが、そもそもの温度が違います。

日本の35℃を超える気温の中でのスポーツをするアスリート、また日本の夏の暑さがどれほど過酷か知識のない訪日外国人、そしてボランティアなどに関しても熱中症の危険が高いとされています。

東京都では暑さ対策として、競技場周辺に霧状の水をまくミストシャワーを設置するほか、選手が地面から感じる暑さを軽減するため、路面の温度上昇を抑える特殊な舗装を施すことを予定しています。

こうした厳しい環境でのレースが見込まれることから、大会組織委員会は、各競技の開始時間を早めています。陸上のマラソンは午前7時半から7時に、競歩は男子の50キロで午前7時半から6時に、男女の20キロで午前9時から7時に、トライアスロンが午前10時から8時に、ゴルフが午前9時から7時に変更となりました。

また、スポーツクライミングは、壁に取り付けられた突起物が熱くなり過ぎて選手がつかめない事態を避けるため、午後4時半から夜の10時すぎにかけて競技が行われます。また馬術競技は馬の体調を考え、夕方から夜にかけて行われることとなります。またサッカーに関しても最も速い試合が午後4時半となっており、各競技時間が変更されています。

しかし午前7時の段階でも30℃近い都内での運動は「暑さ指数」においては警戒領域(熱中症の危険が増すので、積極的に休息をとり適宜、水分・塩分を補給する。激しい運動では、30分おきくらいに休息をとる。)となっており、この状況で持久力を必要とするマラソン、競歩などは非常に危険だと言わざるを得ず、これを観戦する観客にとっても厳しい環境となります。

2020年までに東京の夏の気温が上昇することも見込まれるため、今回の競技時間変更の効果に対しては早くもその効果に懐疑的な見方が広がっています。

そもそも昼間に競技を行う必要があるのか?

今回大会組織委員会では各競技の時間を最大で2時間ほど早めたわけですが、特に熱中症の危険性が高いマラソン、競歩などの競技を思い切って気温が下がる夜間に行うことは不可能なのでしょうか?

「選手がコースを見ることが出来ない」、「観客からは何も見えない」、「放送時に暗いと問題が発生する」など、色々と開催が難しそうな理由は見当たりますが、こうした夜間の国際競技を成功させている事例が世界にはあります。

車のレースの最高峰は言わずとしれた「F1」ですが、バイクのレースの最高峰として「MotoGP(モトジーピー)」という世界選手権が存在し、MotoGPでは年間に1戦だけ夜間レースを行っているのです。

Wikipediaより引用

Wikipediaより引用

MotoGPには日本のホンダ、ヤマハ、スズキ、イタリアのDucatiなど合計6メーカーが参戦しており、12チーム24名のライダー達が世界中のサーキットを年間19戦転戦しており、その中には日本人選手(中上 貴晶選手「LCR Honda IDEMITSU」)も1名参戦しています。

このMotoGPにおいて例年3月に開催される開幕戦は中東のカタールにおいて行われますが、通常は3時ごろに開催されるレースの気温があまりにも暑く、バイクのトラブル、タイヤのトラブルが多発、ライダーにとっても厳しい環境であるということで、カタールでは2008年に史上初のナイトレースを開催。この時のレース開催時刻は23時でした。

これを実現するためにサーキット全周に渡って3600個のライト(バルブ)が設置され、その明るさはサッカーコート70面を照らすことが出来、3000戸の住宅に電力を供給出来るものとなっています。

この電源を供給するのは太陽光発電ではなく44基の強力な発電機ですが、このあたりは原油算出国というカタールのお国柄ならではでしょう。実際のサーキットの様子を見ても、野球のナイターと同様に明るく、ここを選手達は最高340km/h以上で走行するわけですから、しっかりとした視認性が確保されている事は明らかです。

環境への取り組みも話題となるオリンピックにおいて、MotoGPの事例同様に発電機を使用してガソリンを使用し、排ガスを発生させながら発電を行うのは少し難しいかもしれませんが、「熱中症で死者が出るのでは?」とも言われる2020年の東京オリンピックの競技の一部を、思い切って夜間開催にするというアイディアは、あながち荒唐無稽なアイディアとも言えないでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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