私たち株式会社S-fleage(エスフレイジ)は京都で訪日外国人向けに舞妓お座敷体験「Enchanted Time with Maiko」を提供しています。
2017年4月からサービスを提供し、同時にトリップアドバイザーの運用を開始しました。運用開始当社は月間平均口コミ獲得率が数%でしたが2018年5月には10%を超えるようになりました。
口コミ獲得数増加とアカウントの順位向上により申込数も増え、開催日数も増やすことに成功しました。その手法とは「イベント中、イベント後のゲスト毎にカスタマイズしたフォローアップをする」ことです。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
1.何故トリップアドバイザー上で口コミを集めることが重要なのか
①トリップアドバイザーは世界最大の旅行コミュニティ
トリップアドバイザーには世界750万以上の宿泊施設、空港会社、観光名所、レストランが記載されており、2017年の月間の平均ユニークユーザー数は4億5500万人でした。世界最大の旅行コミュニティとなっています。
②訪日外国人70%が実際にトリップアドバイザーで情報収集をしている
私たちは自社のサービスのニーズ調査も含めた街中でのヒアリングを行いました。ヒアリングでのメインターゲットは欧米からの旅行客で場所は祇園界隈を中心に行いました。合計99組の旅行客にヒアリングをすることができました。
ここでのヒアリング事項は旅前・旅中での主な情報取集手段でした。旅前では約70%の旅行客が一言目に「トリップアドバイザーで該当地域のレストランやアクティビティの情報収集をしている。」と答えました。
ここで分かることは、旅行者におけるトリップアドバイザーの信頼度はやはり高いということです。同じ土地や場所を訪問した人の生の声は何よりも参考になるようです。
③トリップアドバイザーから自社サイトへの流入が50%近くを占めている
弊社ウェブサイトの流入経路はGoogleアナリティクスの分析から、主にGoogle検索とトリップアドバイザーです。その中でもトリップアドバイザーからの流入は全体の約40%弱を占めています。その為、トリップアドバイザーの運用は集客をするにあたって必要不可欠なものです。
2.トリップアドバイザー上位アカウントになるためには獲得レビュー全体の90%が星5の評価にならなければいけない
①京都市内の約13,000店舗6000位台から1位へ
言うまでもなく、京都は日本を代表する歴史的観光都市であり、インバウンド需要も年々高くなっており、競合はひしめき合っています。
そのような状況の中で弊社サービスは2017年4月に開始し、同時にトリップアドバイザーの運用も開始ました。当時の順位は6000位台でしたが2018年7月には1位を獲得することができました。
②口コミ数×口コミの質向上により週1回開催から週4回開催へ
1年間の試行錯誤により平均口コミ獲得数が3倍へアップすることができました。しかしながら、口コミ数だけにコミットしていれば全て良し、ということではありません。
トリップアドバイザーで順位を上げる際に考慮しなければいけないことは、口コミ獲得数×口コミの質です。前者はとにかくゲストに書いてもらうことが重要です。後者についてはサービスにおける顧客満足度の向上です。上位に位置する多くのアカウントのレビューは90%が星5つです。その為、上位に食いこむためには数を増やしつつ、常に星5をキープさせなければいけないのです。
弊社では当社ではターゲティングユーザー層の中の舞妓のニーズを持っている顕在層のゲストが多かったですが、上位に位置していくにあたって日本文化に興味を持つ中間層、京都で何らかの体験に興味がある潜在層のゲストの申し込みが増加するようになりました。その為、開催日程は当初の週1回から週4回の開催をすることができるようになりました。
3.それではどうやって口コミを獲得するのか
①「人」からゲストへのダイレクトアプローチ
まず常套手段ですが、ゲストに対して、トリップアドバイザーの情報を視覚的に提供することから始めました。ちなみに当時は約13,000店舗中、6,000位台でした。この施策の目的はトリップアドバイザーアカウントがあることの認知と、現場スタッフから直接の提供による「この人」に対して評価をしたいと思ってもらう情に訴えかけることです。
トリップアドバイザーのアカウント名・QRコード・Googleでの検索ワードを明記した名刺サイズのカードをゲスト1人1人に渡していました。イベント中はゲストとのコミュニケーション量を最大限増やし、ゲストに合った会話やイベントコンテンツの楽しみ方を提供することで、おもてなしのカスタマイズ性が生まれます。
こうしたおもてなしがあってのトリップアドバイザーの情報提供を行うことで、自然と「このスタッフ」や「このイベント」を評価したい、他の人にもレコメンドしたいと思ってくれるように心がけていました。
②イベント後の丁寧なフォローアップ
弊社ではイベント中に舞妓さんとお客さんが楽しまれている様子を撮影し、イベント後にメールで送っています。そのメールの中でゲスト毎に文章をカスタマイズし、最後にレビューのライティングページのリンク先を貼り付けています。
ここでのポイントは、必ずゲストのメールアドレスを入手すること。次に、文章をカスタマイズできるようにゲスト毎のイベント中の様子を観察すること。最後にリンク先をゲストに応じた言語に設定することです。
ここで注意して頂きたいことは自社のトリップアドバイザーページのリンクを貼り付けてはいけないことです。ユーザーにとっていかにライティングページへ離脱なく遷移してもらうことが重要である為です。ブラウザを開いて直ぐにレビュー書ける状態を提供しましょう。
③レビューエクスプレスとフォローメールを同時並行
フォローメールは顧客満足度と旅の記憶の鮮度を大事にすべき、と考えていた為、イベントの翌日の午前中には送信することにしていました。ゲストがメールを受信した際にすぐにレビューを書ける状態であれば問題はありません。
しかしながら、ゲストの旅の時間軸上、京都から関西空港へ移動したり新幹線で東京へ移動したりと、余裕持ってレビューを書くことが難しいと考えました。その為イベントから1週間後、トリップアドバイザー内の無料機能であるレビューエクスプレスを送信することにしていました。
この施策によって、「書こうと思っていたけど忘れていた」などのゲストに対しても再度アプローチすることができます。また、レビューエクスプレスを送る際にも工夫を凝らすことでユーザーにプラスな要素があります。それはデフォルト設定ではなく、文章をカスタマイズしたりイベントを想起させるような写真に設定することです。
小さなことでも情報を受け取るユーザーを最大限イメージすることよって効果が大きく変化してきます。
4. 失敗例
①視覚情報を与えるだけ
レストランなどでは、トリップアドバイザーのステッカーが店内に貼られていることが良くあります。弊社でも当初は同様な施策をしていましたが、結局分かりやすい成果には繋がりませんでした。
既にトリップアドバイザーで顕著な存在にいるのであれば、話は変わりますが、弊社のようにこれから口コミを集めていこうとしている企業はあまり効果的な施策ではないと思われます。このような失敗例から「どうすればゲストが書きたいと思うか」を徹底的に考えました。
②フォローメールの一斉送信
これはフォローメール施策の初期段階で行なっていました。メールの雛形を作り、写真を取り込んだドライブのURLを貼り付け、ゲストに一斉送信をすることで作業量を減らしていました。ユーザーにとっては機械的なメールに過ぎず、写真を一概に共有することで親切ではない**ことに気づきました。
5.顧客満足度の最大化が最優先事項
①結局一番大事なことは
色々な施策をやってきて成功例も失敗例もありました。その中での気づきは「お客さんの期待を上回るようなサービスを提供する」ことです。いくら口コミを獲得する施策を行ったとしても、サービスの中身が伴わなければ意味がありません。来てくれるお客さんの期待値を上げ、さらにトリップアドバイザーを通じて自社をお客さんから自社サービスを拡散してもらうことが真の目的であります。
②顧客満足度を上げるためには
お客さんが書いてくれたレビューを徹底的に読み込むことです。レビューの中にヒントは沢山あります。弊社では季節の影響も含めて、3-5月は繁忙期で月間の口コミ数も増えました。その為6月に集中的に口コミを読み込む時間を設けました。
どのような点が評価されているのかを分析することで自社サービスのストロングポイントとウィークポイントを客観的に分析することができます。弊社の場合、スタッフのサービス力についての評価が多かった為、ソフト面でのサービス強化を重点的に行うことにより、結果顧客満足度の向上と口コミ獲得数増加に繋がりました。
6.最後に
インバウンドでの集客するにあたってはSEO施策やOTA活用等たくさんありますが、トリップアドバイザーで存在価値を見出すことも非常に効果的な施策の1つでもあります。本記事が皆様の集客の一任をなすことができれば幸いです。
株式会社 S-fleage (エスフレイジ):公式サイト
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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