お菓子のインバウンド消費額は1,589億円!?「外国人観光客×お菓子」の関係を数値から見る

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2018年に農林水産省は「訪日外国人客の日本滞在中の旅行消費額」を発表しました。これによると、訪日外国人観光客における旅行消費額がはじめて4兆4,161億円を突破。その内訳を見てみると、買い物代(お土産)がもっとも多い1兆6,398億円と、全体の約40%を占めているのです。

そして、その買い物代(お土産)の内約を見ていくと、菓子類だけで1,589億円、その他食料品・飲料・酒・たばこが1,868億円で合わせて前年比19%増の3,456億円となっています。この「菓子類」「その他食料品・飲料・酒・たばこ」の飲食に関わる消費で買い物代(お土産)全体に占めるシェアは21%にのぼり、そのシェア率を年々伸ばしている傾向にあります。

キットカットやじゃがポックル、六花亭のバターサンド、おまんじゅう、おせんべいといった個別包装のお菓子や、抹茶味のポッキー、チョコボール、アルフォートなどの日本ならではの「抹茶味のお菓子」は、世界から高い評価を得ています。

日本のお菓子は、空港内の免税店はもちろん、街のドラッグストアやドンキホーテでも格安で買うことができることから、医薬品を買うついでにお菓子を買う訪日外国人観光客も多くいるのです。

しかし、一体なぜ、日本のお菓子がここまで訪日外国人観光客から人気を集めているのでしょうか? 日本のお菓子が世界から注目を集めている理由を知ることで、インバウンド担当者は今後のインバウンド需要にどう活かしていけばいいのか参考になるはずです。

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2017年 インバウンド消費額が4兆円を突破!

訪日外国人観光客における旅行消費額がはじめて4兆4,161億円を突破し、盛り上がりを見せているインバウンド市場。その勢いは止まらず、飲食費の8,856億円(20.1%)、宿泊費が12,451億円(28.2%)という具合に、飲食費、交通費、娯楽・サービス費のすべてが年々増加しています。

冒頭でも触れたとおり、2017年の菓子類のインバウンド消費は1,589億円でしたが、国別シェアを見ていくと、中国人旅行者の購入が最多で、菓子類全体の35%を占める563億円を消費しています。続く2位の韓国は、333億円で全体の21%、そのほかにも台湾、香港、タイ、米国を加えた6か国で菓子類の約9割弱が購入されているという結果が出ています。

日本のお菓子や食料品をPRするインバウンド対策

では、インバウンド対策として日本のお菓子や食料品に関するPR事例はどのようなものがあるのでしょうか。見ていきましょう。

和歌山産のフルーツを手軽に持ち帰れるサービス:今まで訪日客が果物をお土産にするのは面倒だった

2017年より、和歌山市にある「スターフードジャパン」が手掛けているのが、和歌山県の特産品である柑橘類や苺、桃等のフルーツの検疫代行サービス

大阪市内のホテルに設置されている申込書からの申し込み手続きをおこない、出国する際に関西国際空港の直営店で検疫済の商品を受け取ることができるというもの。

このサービスを利用すれば、植物防疫所や検疫カウンターでの手続きの手間を省くことができるのです。また、友人や家族へのお土産として持ち帰ることができるので、訪日外国人観光客から喜ばれています。

地域限定お土産ポッキー

江崎グリコ株式会社では、地元食材をふんだんに使った「夕張メロン」、「信州巨峰」、「宇治抹茶」が堪能できる「ご当地みやげポッキー」も発売しています。これらの商品は、国際線発着空港の免税エリアにある土産ショップで購入することが可能です。

板チョコアイス

訪日外国人観光客から喜ばれているのが、森永製菓株式会社から発売されている「板チョコアイス(抹茶あずき)」。

口どけがなめらかな抹茶アイスを、優しくほのかな甘みの抹茶チョコレートでコーティングし、中にはあずきの芳醇な香りが豊かなこしあんがたっぷり入っています。

従来から訪日外国人に人気の高かった日本ならではなの抹茶を存分に味わえる商品となっており、和素材を使ったデザートアイスの人気も高まりを狙ったとのこと。またコンビニというアクセスの良い販路を活用することで、インバウンド消費を喚起する狙いです。

インバウンド集客に役立つ日本のお菓子の魅力

観光庁がおこなった「平成27年度訪日外国人消費動向調査」では、訪日外国人観光客が日本の菓子類に関して満足した理由についても調査しています。

訪日外国人観光客が日本の菓子類に関して満足した理由について、全体の53.7%ともっとも大きな割合を占めていたのが「おいしいから」というシンプルな回答。やはり、高品質にこだわる日本のお菓子を純粋に「おいしい」と感じる訪日外国人観光客が非常に多いことがわかります。

「おいしいから」という理由の次に多かった回答が「お土産にいいから・頼まれたから」というもの。「価格の手ごろさ」「自国での入手の難しさ」「伝統的・日本独特のものだから」などの回答が並んでいます。日本ならではの味を楽しめる抹茶や、明太子や九州しょうゆ、お好み焼きといったその地域でしか買うことのできないご当地グルメは、訪日外国人観光客から高い人気があるのです。

まとめ

菓子類購入額全体の約9割が、中国、台湾、韓国、香港、タイ、米国の6カ国の国や地域からの訪日外国人観光客で占めている日本のお菓子。日本ならではの品質にこだわったお菓子は、家族や友人、会社の同僚へのお土産として需要があることがわかります。

お菓子をはじめ地元ならではの郷土料理やご当地グルメといった「日本の食」をアピールをしていくことが、今後のインバウンド市場を活性化させるポイントになるのではなないでしょうか。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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