中国人に人気の神薬(しんやく)12選|ランクインする企業のインバウンド戦略とは

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神薬(しんやく)とは、訪日中国人に特に人気の高い日本企業が販売している一般医薬品のことをさします。

その中でも特に人気の12商品が中国SNSなどで神薬(しんやく)12」として拡散され、根強い人気を誇っています。

この記事では神薬12選のご紹介と、ランクインする商品を販売している企業のインバウンド戦略について解説します。

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12月2日「神薬」絡みで逮捕者 中国人に転売目的で無許可保管で

大阪府警は12月2日、埼玉県の医薬品卸売会社社長ら2人を逮捕しました。

中国で「神薬」と呼ばれる人気の日本の医薬品を、アプリ経由で中国人に横流することを目的として保管していたと見られ、医薬品を無許可で販売目的で保管した医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕されたといいます。

インバウンド業界の方ならどこかで聞いたことがある、この「神薬」とはいったいどのようなものなのでしょうか。改めて解説します。

「神薬(しんやく)12」とは?

そもそも「神薬(しんやく)12」とは、訪日中国人、訪日台湾人が「日本を訪れた際に必ず買って帰るべき一般医薬品」としてSNS上で話題となったリストを意味します。日本人からすると、近所のドラッグストアで買うことのできる医薬品は、中国や台湾では販売価格が高い状況があります。そこで、日本を訪れた際にまとめ買いをするというトレンドがあります。

「口内炎パッチ大正A(大正製薬)」や「熱さまシート(小林製薬)」「龍角散(龍角散)」といった日本の医薬品は、特に中華圏の外国人観光客の間で“神薬”と呼ばれています。

訪日中国人の旅行消費額は最多の1兆6,947億円!

訪日中国人の数は右肩上がりに増加しており、観光庁のデータによれば、平成29年の訪日外国人旅行消費総額は4兆4,162億円を記録。そのうち、訪日中国人の旅行消費額は最多となる1兆6,947億円にものぼります。

訪日中国人の旅行消費額は最多の1兆6,947億円!
▲訪日中国人の旅行消費額は最多の1兆6,947億円!:観光庁「訪日外国人消費動向調査」より

止まらない爆買いブーム

買い物目的の個人旅行で、日本を訪れる訪日中国人、訪日台湾人が増えたことにより、実は現在も爆買いブームが止まっていません。訪日中国人、訪日台湾人観光客による爆買いといえば以前は、家電量販店などで電化製品を大量に購入する姿が多く見られましたが、現在ではドラッグストアなどで大量の一般医薬品を購入する姿が多く見られます。

訪日中国人・台湾人に人気の神薬12選

目薬やのど薬、冷却シートをはじめとした神薬12選は、中国のインターネットメディアで紹介されたことで、訪日中国人・訪日台湾人観光客から爆発的な人気となっています。

なぜ日本の医薬品が人気なのか?

日本の医薬品は中国の医薬品と比べ品質がよく、飲みやすいと多くの訪日中国人、訪日台湾人が買い求めます。2015年には中国のインターネットメディアで、日本に行ったら絶対に買うべき医薬品として12種類の日本の一般医薬品が紹介されました。この時に紹介された12種類の医薬品が、今回テーマとしている「神薬12」と呼ばれ、爆発的な人気が出たのです。

日本製品の品質の高さ

中国では医療環境が悪く医薬品の品質もよくないため、安心して飲むことができません。それに比べ日本では医療の環境が良く、市販されている一般医薬品の品質が高いことが人気の理由のひとつとなっています。

また近年、中国では経済発展に伴う大気汚染が深刻な問題となっていることから、品質の良い日本の一般医薬品のが注目されています。

飲みやすさ

医薬品は効き目や安全性も重要ですが、日本の医薬品は飲みやすさも特徴の一つ。錠剤の大きさや形など、大人が飲みやすいのはもちろんのこと、子供でも飲みやすいように味が工夫されているなど、細かな配慮が行き届いているのです。

中国の医薬品は品質が低く、飲みやすさに対する配慮もされていないため、 日本の医薬品との差は歴然なのです。

中国よりも安く購入できる

価格の安さも日本の一般医薬品の人気の理由となっています。日本の医薬品は品質が高い上に低価格で購入でき、中国で同じ製品を買うとなると、とても高くなってしまいます。

そのため、日本へ旅行に来たついでに爆買いしたり、そもそも日本の一般医薬品の購入を目的として日本を訪れる訪日中国人・訪日台湾人観光客がたくさんいるのです。常備薬として自分で使うために購入するのはもちろんのこと、お土産としてもとても喜ばれ、人気となっています。

訪日中国人・台湾人に人気の神薬12選

中国で紹介され、爆発的な人気となっている神薬12選を紹介します。

1 サンテボーティエ(参天製薬)


▲1 サンテボーティエ(参天製薬):公式サイトより
▲1 サンテボーティエ(参天製薬):公式サイトより

現代社会の様々なストレスからくる瞳の疲れを癒してくれる目薬。タウリン、コンドロイチン配合で瞳の代謝を促進し、角膜を保護してくれます。

2 熱さまシート(小林製薬)

▲2 熱さまシート(小林製薬):公式サイトより
▲2 熱さまシート(小林製薬):公式サイトより

発熱や頭痛、歯痛の際におでこやほっぺたに貼って熱を吸収してくれるシート。シートに含まれる水分で熱を吸い取り、約8時間冷やし続けます。メントールの量が少なく、サイズが小さい子供用も販売されています。

3 アンメルツヨコヨコ(小林製薬)


肩こりや筋肉痛、腰痛などに効く患部に塗るタイプの医薬品。容器の首の部分が曲がっていて、肩や背中などの手が届きにくい所にも塗りやすいような工夫がされています。

4 サロンパス(久光製薬)

▲4 サロンパス(久光製薬):公式サイトより
▲4 サロンパス(久光製薬):公式サイトより

鎮痛消炎成分配合で、筋肉のコリや痛みをほぐす貼るタイプの医薬品。 角が丸いので剥がれにくく、貼りごこちにも配慮し剥がす時も痛くありません。

5 ハイチオールC(エスエス製薬)

▲5 ハイチオールC(エスエス製薬):公式サイトより
▲5 ハイチオールC(エスエス製薬):公式サイトより

代謝を助け、シミやそばかすを治す、飲むタイプの医薬品。体のだるさを改善し、二日酔いにも効果があります。

6 サカムケア(小林製薬)

▲6 サカムケア(小林製薬):公式サイトより
▲6 サカムケア(小林製薬):公式サイトより

ひびやあかぎれ、さかむけを固める液体絆創膏。ばい菌の侵入を防ぎ、水に濡れてもしみないので、炊事や洗濯、海水浴などのレジャーの際に便利です。

7 ニノキュア(小林製薬)

▲7 ニノキュア(小林製薬):公式サイトより
▲7 ニノキュア(小林製薬):公式サイトより

二の腕などのぶつぶつに効く塗り薬。毛穴に詰まった角質を尿素によって柔らかくしブツブツを治します。

8 ビューラックA(皇漢堂製薬)

▲8 ビューラックA(皇漢堂製薬):公式サイトより
▲8 ビューラックA(皇漢堂製薬):公式サイトより

早い効果と強い作用が特徴の便秘薬。常習的な便秘に悩む人におすすめの便秘薬です。

9 口内炎パッチ大正A(大正製薬)

▲9 口内炎パッチ大正A(大正製薬):公式サイトより
▲9 口内炎パッチ大正A(大正製薬):公式サイトより

口内炎や舌炎に効く、貼るタイプの治療薬。患部を覆い、刺激から守るとともに唾液で成分が流れるのを防ぐので、効果的に治療ができます。

10 命の母A(小林製薬)

▲10 命の母A(小林製薬):公式サイトより
▲10 命の母A(小林製薬):公式サイトより

13種類の和漢生薬とビタミンで更年期障害を治す医薬品。更年期による急な汗やイライラ、肩こりなどを治します。

11 龍角散(龍角散)

▲11 龍角散(龍角散):公式サイトより
▲11 龍角散(龍角散):公式サイトより

喉の腫れや痛みに効く医薬品。水なしで服用できる微粉末のタイプのほか、のど飴も販売されています。

12 イブクイック(エスエス製薬)

▲12 イブクイック(エスエス製薬):公式サイトより
▲12 イブクイック(エスエス製薬):公式サイトより

頭痛や生理痛に効く鎮痛薬。効き目だけでなく、胃薬成分が配合されていることにより胃にも優しいのが特徴です。

12個の神薬にランクインする企業のインバウンド戦略とは

神薬と呼ばれる12個の医薬品を販売する企業は、他社との差別化を図るべく様々なインバウンド戦略をとっています。

12個の神薬にランクインする企業のインバウンド戦略

日本の一般医薬品はたくさんの種類が販売され、豊富なラインナップの中から選ぶことができます。しかしそれゆえに、企業は工夫を凝らして販売しなければ、他社の製品に埋もれてしまい、観光客の目には止まりません。

小さな市場規模を狙うことで確実な利益をあげる

他社製品との差別化を図るため、小さな市場規模を狙うことで確実な利益を上げている企業もあります。「ニノキュア」や「口内炎パッチ大正A」をまとめ買いする観光客は多く、二の腕のザラザラとした肌触りや口内炎など、ニーズがそれほど多くないと思われる商品にも力を入れ、販売することで確実に利益を上げているのです。

わかりやすいイラスト付きパッケージ

日本語が読めない観光客に、商品の効能を訴求するためにはパッケージデザインのわかりやすさが大切です。医薬品という小さな市場規模を狙うとなると、まずはユーザーにそれがどんな商品であるのかを確実に素早く伝えなければなりません。

熱が出た時におでこに貼るもの、ということが一目でわかる熱さまシートや、アンメルツヨコヨコなど、言葉がわからなくてもイラストだけでどのような商品なのかが伝わる工夫を施しています。

大気汚染が進む中国人観光客の健康面に訴求

中国では、PM2.5や原付バイクの排気ガスによって、深刻な大気汚染問題を抱えています。また、空気汚染によって喉の痛みや体のだるさ、関節痛など不調を訴える人も続出。

日本でおなじみの龍角散は、大気の汚染によって起こる喉の痛みや不快感を和らげてくれるほか、乾燥や花粉の症状を和らげてくれるのです。こうした効能の高さから、龍角散は多くのアジア人観光客から圧倒的な人気を誇ります。

神薬で製薬業界の売上アップに期待

日本の一般医薬品は、訪日中国人、訪日台湾人観光客をはじめとした世界から注目される商品となりました。
そんな日本の一般医薬品を買いたい訪日中国人、訪日台湾人観光客と、日本の製品を海外で広めたい日本企業のインバウンド戦略がマッチして、日本の一般医薬品が世界へと広がっているのです。

神薬12選に5個の商品がランクインしている小林製薬は、訪日中国人、訪日台湾人観光客の中でも、誰もが知る有名企業であり、日本の製薬業界のインバウンド戦略を牽引しています。今後も日本の製薬業界全体が、世界へと広がっていくことでしょう。

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訪日ラボセミナーレポートのご紹介&最新版インバウンド情報まとめ

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【セミナーレポート】「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント


2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

日本を訪れる外国人旅行者の間で、特に人気が高いアクティビティが「桜の鑑賞」です。桜の開花時期に合わせて日本を訪れる外国人も多く、日本の重要な観光資源の一つとなっています。

そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
登壇者としては、インバウンドの動向に詳しい訪日ラボ インバウンド事業部長 川西哲平に加え、台湾に本社を置くビッグデータカンパニーVpon JAPAN株式会社営業本部 会田健介氏をお呼びし、「桜」に関するインバウンドデータをもとに、訪日外国人旅行者の最新動向と、「桜のシーズン」に集客を向上させるためのポイントを解説しました。

本セミナーは大好評につきアーカイブ配信を行っておりますので、ぜひご覧ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント【セミナーレポート】


【インバウンド情報まとめ 2024年3月】2023年年間宿泊者数 1位は韓国 他

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年3月版レポートから、2月〜3月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

インバウンド情報まとめ 2024年3月

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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詳しくはこちらをご覧ください。
 訪日客向け“相撲エンタメショーホール” 大阪にオープン / 2023年年間宿泊者数 1位は韓国【インバウンド情報まとめ 2024年3月】


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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