参議院は8日未明の本会議で、外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法を自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立しました。政府は今後、詳細な整備を進めていくということです。
審議での与野党の激しい討論がたびたび報道され、議論の行方に国中が注目していた今回の改正入管法。外国人労働者が増加することでインバウンドにはどのような影響が考えられるのでしょうか?また、今後どういった懸念が出てくるのでしょうか?
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改正入管法とは?
今回成立した改正出入国管理法は、政府・与党が今国会で最重要法案として位置付けてきたものです。しかし野党はこの法案に猛反対し、審議の段階ではかなり議論が紛糾していました。改正出入国管理法とはいったいどのようなものなのでしょうか?
「出入国管理法」とは、平成21年に成立した「入国管理及び難民認定法」のことを指します。外国人の出入国や難民認定などを管理する法律なのですが、規制が厳しすぎるということが以前から問題視されていました。そして今回の改正という結果に至っています。
改正入管法は、少子高齢化に伴う深刻な人手不足を受け、働き手確保のために2つの在留資格を新設し、外国人労働者の受け入れを拡大するというものです。今回の改正入管法では、これまで3種だった在留資格に新たに2種の「特定技能」というものが追加されました。受け入れ可能な業種も大幅に増え、より多くの外国人労働者に門戸を開いたという形です。
一方日本人の雇用減少への懸念や、技能実習生の死亡率が高いことなどから、野党は改正入管法に猛反発していました。法案成立に先立ち野党は安倍首相と山下法相に対し問責決議案を提出していましたが、7日夜の参議院本会議でいずれも否決されました。
施行は来年4月です。2019年度から5年間に14業種で最大34万5150人の受け入れを見込んでいます。
法案成立、なにが変わる?
では、改正入管法が成立したことでこれまでとは何が変わるのでしょうか?
これまでの在留資格は、「留学生」、働きながら技術習得を目指す「技能実習生」、教授・経営者などの「高度外国人材」の3つでしたが、今回それに「特定技能」というものが加わりました。
「特定技能」には「1号」「2号」の2種類あり、「相当程度の知識または経験を要する技能」を持つ外国人には1号が与えられます。これは、最長5年の技能実習を修了するか、技能と日本語能力の試験に合格すれば得られることになっています。在留期間は通算5年で、家族を帯同することは認められません。
さらに高度な試験に合格し、熟練した技能を持つ人に与えられる2号は1~3年ごとなどの期間の更新ができます。更新時の審査を通過すれば更新回数に制限はなく、事実上の永住も可能となるのが特徴です。こちらは、配偶者や子どもなど家族の帯同も認めています。
在留資格は「技能実習生」から「特定技能」1号へ、次に「特定技能」2号へ、というようにステップアップしていくと考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
また、以前と大きく変わったのは、業種の幅です。これまでは単純労働分野は認められていませんでしたが、今回の改正で外食・建設・農業・介護など14業種での受け入れを想定しています。「特定技能」2号の「建設」「造船」の検討は数年後に見送られたということですが、それでもかなり幅が広がったといえそうです。
インバウンドにはどんな影響が?
改正入管法成立を受けて、インバウンドにはどんな影響が考えられるのでしょうか?
外国人スタッフ雇用→インバウンド対応強化
まず、外国人スタッフの雇用が増加するため、外国人観光客への対応ができるようになります。日本人スタッフが外国語を覚えて対応するのももちろん好ましいのですが、やはり外国人スタッフを雇うほうが言語面では確実です。
外国人観光客のような短期滞在者だと、日本語を話せる人はあまりいません。外国人観光客としても、言葉の通じない国で立ち寄った店に自国の店員がいて、母国語で話ができたら安心するのではないでしょうか。自国のスタッフがいるということを公表すれば、それだけで宣伝にもなります。
在日外国人増える→「VFR=知人・家族訪問」促進
また、改正入管法が成立したことで、当然日本に住む外国人が増えることが予想されます。そうなると、インバウンドで期待できるのが「VFR=知人・家族訪問」の促進です。VFRとは、「Visiting Friends and Relatives」の略で、「友人や親族訪問を目的とした旅行」を指します。
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