最近話題の「VFR=知人・家族訪問」訪日客4,000万人誘致の鍵に? 経済効果の大きさ・誘致しやすさから海外ではインバウンドの3割を占める巨大市場に

公開日:2018年02月20日

訪日外国人の旅行目的はまちまちです。観光をしに訪日する人もいれば、出張や研修などビジネス目的で訪日する外国人もいます。中には日本で働いでいる、もしくは勉強している知人や親族に会うことを目的に訪日している外国人も存在しています。こうした人たちは、旅行業界ではVFRと呼ばれています。

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VFRとは?:Visiting Friends and Relatives(友人・親族訪問を目的とした旅行)を指す言葉

VFRとは、「Visiting Friends and Relatives」の略で、「友人・親族訪問を目的とした旅行」を意味します。 人々が旅行をする際、「観光目的」「ビジネス目的」など旅行の目的は人によって変わってきます。「友人・親族訪問」もその中の一つにカウントされます。国内旅行であれば、実家への帰省などがそれにVFRに該当するでしょう。海外旅行であれば、海外で働いている、もしくは留学している友人や家族に会うために、海外旅行をした場合に、その旅行はVFRとみなされます。 日本のインバウンド市場において、VFRが占める割合はどの程度のものなのでしょうか。観光庁の資料をもとに確認していきましょう。

日本のインバウンド市場においてVFRが占める割合は訪日客数のわずか5%

順位 訪日目的 全体の海外旅行者数に占める割合
1位 観光 約74%
2位 ビジネス 約14%
3位 知人・親戚訪問 約5%
4位 その他 約7%

上記の表は、観光庁の「平成28年7月~9月期 訪日外国人消費動向調査」をもとに、2017年7月~9月までに日本を訪れた外国人の旅行目的を、全体に占める割合とともに上位から表したものです。もっとも多いのは「観光目的」であり全体の74%を占めます。次いで多いのは「ビジネス目的」の訪日で、全体の約14%。「知人・親戚訪問」に至っては、全体のわずか5% を占めるのみとなっています。同じく島国であり、経済レベルも比較的近く、日本よりも多くのインバウンド誘致に成功している国であるイギリスではVFRの割合は、どうなっているのでしょうか。

一方、観光大国イギリスのVFR比率は全体の32%を占める:観光目的の次に大きなウェイトを占めているかたちに

順位 訪英目的 全体の海外旅行者数に占める割合
1位 観光 約40%
2位 知人・親戚訪問 約32%
3位 ビジネス 約20%
4位 その他 約7%

上の表は英国政府観光庁の「International Passenger Survey」をもとに、2017年8月から10月までにイギリスを訪れた海外旅行者の旅行目的を全体に占める割合とともに上位から表したものです。イギリスを訪れる外国人旅行客のうち、「観光目的」出会った人の割合は40%にとどまることが把握できます。一方。「知人・親戚訪問」を目的にイギリスに旅行した人は全体の32%となっており、「観光目的」でイギリスを訪れた人の割合の次に多いことがわかります。差もわずか8ポイントとなっており、イギリスインバウンド市場において、VFRの存在感は大きいということが言えるでしょう。

観光大国イギリスと比較すると小さい日本のVFR比率:旅行目的の多様化はインバウンド増加に必須?

上記の2つの表からご紹介したように、旅行目的別にみてみると イギリスの場合、日本とは違いVFRが占める割合がビジネス目的の旅行者の割合よりも大きい結果に なっています。イギリスを訪れる外国人観光客の目的は日本と比較すると分散している傾向にある ことも併せて把握できるでしょう。

イギリスには2016年、3,581万人 の外国人観光客が訪れました。同年の訪日外国人観光客数は 2,403万人 となっており、そこには 1,000万人以上の開きがあります。 UNWTO(国連世界観光機関)の世界観光ランキングにおいても、日本は16位、イギリスは7位 と差を付けられており、イギリスの方がインバウンド観光においては数値的観点から見て、日本よりも進んでいるということが言えそうです。2020年の訪日外国人観光客数4,000万人を達成するうえで、VFRの割合を増やし、訪日目的を多様化させていくことは必要不可欠といえるかもしれません。

2016年の訪日数2,400万人ってそもそもすごいの?世界観光機関が発表した観光ランキング

政府は昨年、これまでの目標値を大幅に引き上げ、2020年に4,000万人のインバウンド誘致 を目指すことを発表しました。急激な訪日外国人観光客の増加により日本国内のインバウンド市場は盛り上がっていますが、そもそも2016年に日本に訪れた外国人観光客数2,400万人という数字は、他国に訪れた外国人観光客数と比較してどの程度のものなのでしょうか。 4,000万人のインバウンド誘致を目指すうえで、海外のインバウンド市場の比較して日本のインバウンド市場がどの程度の規模なのかを把握しておくのは重要な...

日本はVFR誘致において有利かも 「留学生」「労働者」は5年連続で増加中!

近年の日本においては、VFRを誘致するために必要な「外国人労働者」「外国人留学生」ともに増加傾向にあります。

外国人労働者数(2013年~2017年) 参照:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成29年10月末現在より

外国人労働者数(2013年~2017年) 厚生労働省:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成29年10月末現在より

厚生労働省の資料によると、ここ5年間、外国人労働者数は一貫して増え続けています。 中でも最も多いのは、中国 です。372,263人の中国人が日本国内で働いており、これは外国人労働者全体の29.1%にあたります。次いで多いのが ベトナム(240,259人・18.8%)フィリピン (146,798人・11.5%)となっています。2016年と比較した場合、伸び率が大きかったのは、ベトナム(39.7%) ネパール (31.0%)でした。

外国人留学者数(2013年~2017年) 参照:独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) 平成 29 年度 外国人留学生在籍状況調査結果より

外国人留学者数(2013年~2017年) 参照:独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) 平成 29 年度 外国人留学生在籍状況調査結果より

また、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の資料によると、外国人留学生もここ5年間増え続けています。 2013年の外国人留学者数は16万8,000人でしたが、昨年には26万7,000人まで増加しています。もっとも多いのは 中国人の留学生。 107,260人が日本に留学しており、全体の構成比の40.2% を占めます。その後は、ベトナム(61,671人・23.1%)、ネパール (21,500人・8.1%)、韓国(15,740人・6.5%)、台湾(8,947人・3.5%)と続きます。

上記2つのグラフでご紹介しているように、日本で勉強している、もしくは働いている外国人は、訪日主要国出身の人たちが多く、労働者数・留学生数ともに増え続けているため、今後彼らの友人・知人をインバウンドビジネスのターゲットにできるかもしれません。特にベトナムフィリピンなど、近年の経済発展が著しく、LCCの就航本数増加や訪日旅行ビザの要件緩和などを背景に 訪日外国人観光客数が急激に増加している東南アジアは、VFR市場においてとりわけ魅力的なターゲットに なるでしょう。

人口の30%がミレニアル世代の東南アジア市場 集客するならどんな方法が効果的?ポイントは「モバイルオンリー」と「SNS利用率の高さ」

近年、日本のインバウンド市場のターゲットは多様化 しています。以前であれば「爆買い」で名高い訪日中国人観光客が最大のターゲットでしたが、近年ではよりディープな日本文化の体験を求める欧米圏の訪日外国人観光客も注目度の高いターゲット層になっています。特に訪日客数の伸びが著しい東南アジア圏の訪日外国人観光客は、2018年以降注視していくべきターゲット なのかもしれません。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?「調査・リサーチ」の資料を無料でダウン...

以前はVFR誘致は重要度が低い項目に…しかし近年では「経済効果の大きさ」「誘致しやすさ」から見直しが進む

ただ、VFRを目的に訪日する外国人観光客は、ホテル・旅館を利用せずに知人・親戚の家に滞在し、食事も家の中でするために、経済効果が比較的小さいといわれます。

しかし、VFR目的の外国人観光客を受け入れる日本国内在住の留学生や労働者は、歓迎をするために食材を準備したり、日本国内の小旅行を勧めたりするため、経済効果は小さくないありません。滞在中も知人または親戚が言語面などでサポートしてくれるため、訪日旅行中の宿泊施設や観光施設、各種店舗などは受け入れが楽でしょう。 また、中国ベトナムなどVFRが多い国では旅行支出中に占めるショッピング費の割合が比較的高い傾向にあることから、VFR目的での訪日した外国人観光客は、ショッピングを好む傾向があるともいえるでしょう。そのため、インバウンド消費額の増加も期待できるかもしれません。

一度の訪日旅行で19万円支出する「訪日ベトナム人」は第二の爆買いを引き起こしうるのか? 訪日ベトナム人を誘致する際知っておきたいことまとめ

インバウンド集客・誘致を行うにあたって、どの国籍の訪日外国人観光客をターゲットにしていくのか を決めることは、重要なことです。中国や韓国、台湾など、訪日旅行をする人が多く、旅行支出額も多い国が頻繁にターゲットになっていますが、少し視点を変えて他の国出身の外国人観光客を新たなターゲットにしてみても良いかもしれません。今回は、近年の経済発展により注目を集めている ベトナム人観光客のインバウンド市場 の特徴をJNTO(日本政府観光局)の平成28年における訪日外国人の消費動向をもとにご紹介します。...

まとめ:VFR目的のインバウンド誘致は2020年の4,000万人誘致の鍵になってくるかもしれない

VFRとは、「Visiting Friends and Relatives」の略で、「友人・親族訪問を目的とした旅行」 を意味します。イギリスなど日本よりもインバウンド観光において成功している国では、VFRを目的とした外国人旅行者が多い傾向にあります。しかし、日本では、外国人留学生、外国人労働者ともに増加傾向であるにもかかわらず、まだまだ誘致が進んでいない 状況です。「比較的大きな経済規模」「受け入れ対応のしやすさ」という観点から、VFR目的の訪日外国人観光客誘致には大きな可能性が眠っているといえるでしょう。 また、日本が2020年に4,000万人の訪日外国人観光客誘致を目指すうえで、いかにVFRの比率を増やすかは重要なポイントとなってきそうです。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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