12月22日、中国SNSのWeiboに日本のトップアイドル「キムタク」こと木村拓哉氏がアカウントを開設し、中国スターのShowLo(羅志祥)の熱烈歓迎と合わせて中国のインターネット上で大きな話題となりました。(本文中の数字はすべて24日16時時点です)
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キムタク登場の衝撃、大ファンShow Loの熱烈な歓迎
22日の日本時間23時過ぎ、「みなさんこんばんは、木村拓哉です。Weiboのアカウントを開設しました。どうぞよろしく」と中国語で挨拶する動画を公開した木村拓哉。この動画には2日足らずの24日16時の時点で18万に迫るいいね、2100万のPVが記録されています。
これにいち早く反応したのが、台湾出身の歌手で俳優のShow Lo(羅志祥)でした。Show Loは79年生まれ、94年(15歳)でデビュー。2012年には日本でも「ショウ・ルオ」の名前で楽曲「Dante」を公開しています。
彼は自身のWeiboアカウントから、木村拓哉のこの1本目の動画の投稿にたくさんの絵文字で感激を表現します。
この投稿には、長年木村拓哉のファンとして知られるShow Loや、同じく台湾出身でキムタクのファンとして知られるRuby Lin(林心如)にそのアカウント開設を知らせる声、「キャプテン、ようこそWeiboへ」という日本語での書き込みなど、合わせて3万件超のコメントがついています。このせいか、Weibo上のホットワードに「木村拓哉 羅志祥」がランクイン。これもShow Loを強く感動させたことが、彼のタイムライン上からはよくうかがえます。
Show Loは続けて自身のタイムラインで日本語交じりの「ラブメッセージ」を発信。ホットワードのキャプチャに「アイドルと名前がならんだ!もう泣きそう」と高ぶる気持ちを表現。これにShow Loの恋人である北京出身の周揚青が「日本語で書かないとね!じゃないと彼に読んでもらえないかも」とコメント、これに対しShow Loが「わかってもらえると思う!」と返す一幕があり、その二人のやりとりは彼らのファンからの好感を高めたようです。
ユーザーを拡大する「中国版Twitter」Weibo、すでに複数の芸能人がアカウントを開設、フォロワー数を左右するのは「発信頻度」
Weibo(微博)とは「マイクロブログ」の意味で、様々なインターネットサービスの会社が自社のサービスを提供していましたが、本日では2009年に新浪社が開始した「新浪微博」を指すようになっています。新浪社の第三四半期の財務発表によればその月間アクティブユーザー数は4.46億。また90後、95後と呼ばれる20代後半以下の若年層が全体の半数を占め、4級都市(※)以下のユーザーも33.4%まで高まっています。またマイクロブログとは言うものの長文の投稿も可能で、Instagramのような時間で消える「ストーリー」機能も実装されています。※中国では経済規模、政治的影響力等の指標をもとに、都市レベルを区分。上位より1級都市、新1級都市、2級都市、3級都市…となる。
木村拓哉がアカウントを開設した22日には北京で「Weibo2018影響力サミット」が、東京では「WEIBO Account Festival in Japan2018」が開催されました。木村拓哉のアカウントはこのイベントにタイミングを合わせて開設されたという可能性も考えられそうです。後者のイベントではモデルの藤田ニコルが登場し、同じくWeiboにアカウントを開設したことを発表しました。藤田ニコルのタイムラインには木村拓哉と同じく、「Weiboを始めました!」と中国語であいさつする動画がアップされています。
ただし、その後写真付きの投稿を続けた木村拓哉と異なり、藤田ニコルのタイムラインには24日現在も1本目の動画のみアップされており、継続した更新が見られません。これが影響してか、彼女のフォロワー数は現在も5300にとどまっています。
そうはいっても、藤田ニコルの場合は中国のSNSではよくみられる「偽物」アカウントがすでに存在しており、数百フォロワーのみの「藤田ニコル」アカウントが活動しています。実は、中国のSNSでアカウントを運営する際には、本人確認を経て運営会社から「認証」を受けることがマストとなっています。偽物のアカウントがしばしば散見される中国のインターネットサービスでは、ユーザーに本物であることを明示し、信頼性を高めることができる「認証アカウント」を取得する重要性は非常に高いのです。
また、藤田ニコルの「正規の」Weiboアカウント及び今回話題となっている木村拓哉のWeiboアカウントは認証済であるものの、トップページはカスタマイズが未処理となっており、すでに更新されていない「偽物」のアカウントのほうが一見すると本物に見えてしまうというリスクがあるといえるでしょう。
日本の芸能人で他にアカウントを開設している人物として、赤西仁(フォロワー数233万、以下カッコ内はフォロワー数を表す)、乃木坂46(48万)、加藤ミリヤ(3万)、桐谷美玲(4万)、キズナアイ(37万)、GACKT(12万)、また先日ECセール「ダブルイレブン」の開幕パフォーマンスに登場した渡辺直美(3万)がいます。ほかには中国でも人気の名探偵コナンの主題歌を多く歌う倉木麻衣(301万)や、カメラマンの米原康正(247万)、YouTuberのマックスむらい(10万)、プロボクサーの木村翔(2万)もWeiboで多くのファンを抱えながら、情報を更新しています。卓球選手の福原愛は424万フォロワーを有しており、Weiboでのフォロワー数は日本での知名度だけではなく、その「更新回数」「活動期間」「中国語での情報発信」「更新内容」に左右されていることがわかります。
まとめ:「中国版Twitter」として地位を確立するWeibo、中国的SNSマナーを心得てファン拡大
木村拓哉は中国では「イケメン」「ドラマ俳優」としてその名を知られています。ファンはすでに多くの映像作品を見てきており、これからはSNSであるWeiboを通じて、木村拓哉の発信する一次情報を期待しているのでしょう。頻度の高い更新が維持できるかどうかが、今後のアカウントの存在感を左右しそうです。同時に、レスポンスの速さは中国SNSにおける基本事項。中国の一大スターであるShow Loにメンションを飛ばされているにも関わらず、なかなかレスポンスを出さないキムタクアカウントに心配の声を漏らす業界関係者もいました。
また後半で紹介したように、すでにWeiboにて活動を展開し、何万ものフォロワーを獲得している日本の芸能人もいます。Weiboはユーザー数、そしてユーザーの多様性を拡大しながら、この10年を通じ「中国版Twitter」としての地位を確立しています。
経済成長に伴い、多様なエンターテイメントを求める中国社会は、日本の芸能界にとっても大きな市場でしょう。今回、キムタクのアカウント開設を目にして、「嵐のWeiboアカウントはまだなんですか!?」と期待を募らせる中国のジャニーズファンの声も見られました。中国式のSNS運営の定石にのっとり、ファンを獲得していく芸能人は誰なのか、今後も要注目といえるでしょう。
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