【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
出国税、1/7からスタート
日本を出国する際に一人当たり1000円を課す「出国税」の徴収が7日に始まりました。恒久的に徴収する国税では1992年の地価税以来、27年ぶりの登場になります。出国税を通じて見込まれる税収はおよそ500億円と見られ、政府は増加した税収分について、訪日外国人を増加させる施策のために充てるとしています。インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる
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そもそも出国税とは?
「出国税」は正式名称を「国際観光旅客税」といい、「観光先進国実現に向けた観光基盤の拡充・強化を図るための恒久的な財源を確保する」ことを目的にした税金です。「観光旅客税」とありますが、観光目的に出国する人だけに課される税金ではありません。ビジネスや留学目的で出国する人にも課される税金です。出国税は日本人、外国人を問わず、日本から海外に向かう2歳以上の人から徴収されます。しかし、24時間以内の乗り継ぎ(トランジット)客は対象外です。
徴収方法としては、航空券や乗船券などの料金に上乗せされるのが基本です。政府や航空会社、船会社などはホームページやパンフレットを通じて新税の徴収が始まったことの周知を進めています。
出国税開始の経緯
2017年夏に出国税構想が持ち上がり、9月には観光庁で有識者会議が設置され、議論が進められてきました。数ヶ月の議論ののちに、新税構想はまとめられ、与党も了承、18年4月に国会で成立しました。
出国税導入を後押ししたのが、他国での出国税やそれに類する税金の存在です。オーストラリアや韓国ではすでに、出国する人に対して課税している前例があり、両国とも外国人受け入れ環境整備のための予算確保に成功しているのです。
出国税法案は、かなりのスピード感で成立しており、「観光立国」を成長戦略の中心に位置付ける安倍政権の意気込みが伝わってきます。その一方で、出国税の必要性や財源の使い道に関して十分な議論がなされたのかを危ぶむ声も上がっています。
日本国民としては納税者の立場から、出国税が適切に使われているのかをチェックしていく必要もありそうです。
出国税はインバウンドにどのような影響がある?
インバウンド業界は好調で、業績は右肩上がりを続けています。2018年に訪日外国人は3000万人を突破し、政府は2020年に訪日客を4000万人、消費額を8兆円にする目標を掲げています。政府が新たに税金を設け、訪日客の受け入れ環境整備を進める方針を示したことは、日本のインバウンド市場全体において、追い風と言えるでしょう。
「出国税」は使途が観光振興などに決まっている「特定財源」で、政府がこれまで財源難で実行できなかったインフラ整備などが一気に進展する可能性があります。
しかし、出国税は先述の通り、日本人、外国人関係なく、一律で1000円を徴収するもので、格安ツアーなどを利用して日本を訪れる外国人観光客にとっては負担増となります。
日本としては、訪日観光客に負担をかけてしまう分、より一層外国人が観光しやすい環境を整え、本当の意味での「観光立国」を実現していく必要があります。そのためには訪日外国人が実際に日本を旅行した際に抱いた不満点を解決することが重要になると考えれらます。
以下、訪日観光客が旅行中に抱いた不満を確認します。
徴収したお金は観光整備に活用される方針
観光庁が平成28年の9月から10月にかけて訪日外国人向けに行ったアンケート結果をみてみましょう。調査が行われたのは成田国際空港、関西国際空港をはじめとする訪日外国人の利用が多い全国の空港、港、合わせて10ヶ所です。
- 「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」:32.9%
- 「無料公衆無線LAN環境」:28.7%
- 「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」:23.6%
が上がっています。
多言語表示や無線LAN整備には費用がかかり、これまでの一般財源ではまかないきれない部分がありました。
政府は出国税によって確保した財源を利用して、多言語表示や無線LAN整備、空港での出入国審査をスピードアップする顔認証システムの導入など、外国人が快適に旅行できる環境整備を進める予定です。
まとめ:インバウンドの課題解決に拍車かかるか?
新税の導入によって、政府のインバウンド予算の財源が確保できます。政府の方針通り、外国人がよりスムーズに観光できる環境整備に拍車がかけられていくでしょう。しかし、訪日外国人が抱える日本旅行の不満にはお金だけでは解決できないものもあります。言語面や人材面はその代表です。日本が本当の観光立国を実現するには、予算を確保しハード面での整備を進めていくことは不可欠です。しかし、ソフト面での充実も重要です。
加えて東京、京都、大阪偏重のインバウンド是正のためにも、他地域、地方でもより充実したインバウンド施策、インフラ投資が必要になってきます。
出国税によって確保された財源だけで解決できる問題だけが課題としてあるわけではありません。出国税はインバウンド課題解決の切り札ではないのです。インバウンドの受け入れ環境をバランスよく整備するためには、官民一体となって、課題に真摯に向き合う姿勢があると言えそうです。
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<参考>
- YOMIURI ONLINE 2019年1月7日付「出国税の徴収始まる…訪日受け入れ整備などに活用」 より
- BLOGOS 2019年1月7日付「国際観光旅客税」より
- FNN PRIME 2019年1月8日付 「きょうから徴収『出国税』の使い道は?」より
- NIKKEI STYLE 2018年12月17日付 「『出国税』19年1月から、狙いは?訪日促す環境整備」より
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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