【農泊】年350万円の売上事例も/コト消費&地方創生でインバウンドで注目急上昇の農泊の4つのメリットを紹介

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近年、コト消費のなかで世界中から注目を集めているのが、農村や漁村に宿泊して日本の生活を体験する農泊です。農林水産省の調べによると、2016年には農村漁村地域への宿泊者数は1,126万人前年比27万人の増加となっており、訪日外国人観光客も増えているのだと言います。

政府は、2020年までに訪日外国人観光客を4,000万人にまで増やすことを目標に掲げており、その施策のひとつとして「農泊」を推進しています。というのも、訪日外国人観光客からも関心の高い農泊を打ち出すことによって、地方の過疎化空き家問題などを解決する地方活性化政策にもなりえます。



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農泊に取り組むことで得られるメリットとは?

1. ランニングコストや維持費を抑えられる

農家民泊は、「キッチンの改装」「トイレの増築」といった開設に必要な手続きや食品衛生法をはじめとする許可の取得が不要です。「農林漁業体験民宿」として旅館業法上の許可が必要な「農家民宿宿泊料が徴取できるのに対し、各都道府県の農林水産課等の許可などがあればはじめられる農家民泊は、宿泊料として料金を徴収することができないという特徴があります。

つまり、「農家民泊」は「農業民宿」とは違い、開業にかかるランニングコストや維持費を最小限におさえることができます。

2. 訪れた人びとに「自然の癒し」を提供できる

コト消費」に興味関心を寄せている訪日リピーターの多くが、「癒し」を求めているという傾向があります。都会の謙遜から離れ、豊かな緑と広大な海に囲まれた農村、漁村での滞在は、ゆっくりとした時間の流れを感じることができます。

3. 農泊は新規参入しやすい

突出した観光資源がなくても新規参入しやすいのも、「農家民泊」のメリットです。一般的に観光産業というのは、聖地巡礼スキー温泉郷など観光資源がないと成立しません。しかし「農家民泊」の場合は、地元の人びとと交流しながらその土地の生活体験ができる「体験」そのものが価値ある観光資源となります。

4. 日本文化を肌で感じてもらうことができる

農村での稲刈りや田植え漁村での一本釣りや魚のつかみ取りといった生活体験は、長い年月をかけて築き上げられてきたその土地に根付いた価値ある文化です。そのため、地元の人びとのなかに混じって生活を送る「農家民泊」は、日本の文化を肌で体感できるでしょう。

ちなみに、「農家民泊」で体験できるプログラムは季節によって異なり、1〜2時間前後で終了するものがほとんどです。どれも普段の生活のなかでは体験できないモノばかりなので、日本を訪れた訪日外国人観光客からは高い人気を集めていいます。

農業体験:田植え、稲刈り、果実の収穫

自然体験:里山ハイキング、ホタル鑑賞、川遊び、魚のつかみ取り、星空観察

料理体験:郷土料理教室、干物や漬け物、発酵食品の加工

自作体験:昔のおもちゃ作り、草木染め、伝統工芸体験

林業体験:間伐、木炭作り、薪割り

酪農体験:牛や鶏の世話、牛の乳搾り、乗馬、餌やり

漁業体験:船舶漁に連れていく、一本釣り、魚のつかみ取り

伝統芸能体験:舞妓さんの稽古場一日入門、雅楽のレクチャー

農泊導入で期待できる成果

農家民泊」に取り組むうえで得られる大きな成果として挙げられるのは、訪日外国人観光客の受け入れ先となる農家の所得が向上することです。宿泊や食事の提供だけにとどまらず、農産物の生産や販売の拡大など、収入源の間口が広がります。

事実、ブームになるずっと前から「農家民泊」に取り組んでいる大分県の安心院町では、現在約60軒の農泊家庭があり、年間の平均売上は120万円、多いところでは350万円を超えるなど、サイドビジネスのスケールを超えるほどにまで成長しています。

日本の地方を元気にしようとする全国の関係組織、「一般社団法人 日本ファームステイ協会」の公式ホームページでは、農泊のメリットについて下記のように示しています。

“旅行者に「農泊」を販売しましょう
農泊」は豊かな農山漁村において、地域ならではの食、様々な体験やそこで暮らす人々との交流を楽しむ滞在型旅行です。宿泊だけではありませんが、旅行者に滞在型で楽しんでいただくためには、宿泊は大変重要です。
是非地域に泊まってもらい、ゆっくりと魅力を味わってもらいましょう。
そのためには・・・
・旅行者にまず旅行先として選択肢に入れてもらう必要があります。
・そのためには、インターネットで情報提供し、興味持ってもらったらすぐにインターネットの予約ページまで誘導することが重要です。
・協会では、合法の宿しか取り扱っていない、無料で登録できる予約サイトをご案内しています。(手数料0%~3%)
農泊を盛り上げるために
・旅行者に、インターネットを通じて、まずはここに泊まる!という決断をしてもらいましょう!
・宿を拠点に地域のツアーや体験メニュー、自慢の食事を紹介しましょう。
・既に教育旅行を実施している皆さんも、次のステップにチャレンジ!一般の旅行者に販売してみましょう!
・慣れてきたら外国人の受け入れにステップアップ!田舎に来る外国人は都会ではなく日本の田舎を選んでいます。親日、フレンドリーで旅慣れた人が多いです。外国人は怖くない!

出典:一般社団法人 日本ファームステイ協会

このように、農泊を楽しむ訪日外国人観光客を盛り上げるための活動を呼びかけています。

まとめ

日本ならではの文化体験、その土地ならではの生活に触れられる「農家民泊」は、価値ある提供につながります。ただ単に単に農業体験や酪農体験をするのではなく、そこで生活する人びとと同じ目線で日本の文化に触れられるため、訪日外国人観光客の心にも貴重な体験として印象に残ります。そのため、自治体や農家、地域企業が一体となって「農家民泊」を推し進め、地域活性化を目指すことが成功のカギとなるでしょう。


<参照>

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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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