近年、インバウンド誘致に観光バスが注目を浴びています。
リピーターが増えているインバウンド市場では、よりディープな日本の体験ができたり、景観を楽しめたりする地方の田舎町への滞在を望む訪日外国人観光客が増えています。
観光バスは交通費を安く抑えられ、日本文化を体験できることで人気となっています。
この記事では、インバウンド需要が高まる一方でバス業界が抱える課題と求められる対応をご紹介します。
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インバウンド需要の変化による観光バス人気
インバウンドにおいてバスの人気が高まっているのには、需要の変化があります。
以前の訪日旅行では「ゴールデンルート」と呼ばれる東京・名古屋・大阪・京都などの主要観光地をめぐる旅行スタイルが主流でした。
しかし近年はFIT(Foreign Independent Tour=個人旅行)が増えてきています。
FITだと自分の行きたい場所に行けるため、ニーズが多様化しやすいということがいえます。
またリピーターも増加しています。リピーターはゴールデンルートに含まれる主要観光地はすでに訪問済みということが多く、地方都市へと足をのばす傾向にあります。
そしてFITやリピーターの増加がこういった地方都市への需要を生み出すと、必然的に格安で地方都市に行ける「バス」の需要が高まってきます。
観光バス業界が抱えるインバウンドの課題
1. 大手が参入しない
観光バスは、2000年代以降特にアジア圏の訪日客から高いニーズがありました。多くの訪日客の利用が見込めたのですが、訪日客の求める価格設定だと採算がとれないということで、いまだ多くの大手バス会社はインバウンド業界に参入していません。
その代わりに現在訪日客を受け入れているのが中小のバス会社ですが、規模やバスの所有台数に制限があるため、訪日客の高まる需要に対し供給が追いついていない状況です。
2. 運転手不足
インバウンドにかかわらず以前から言われているのが、バスの運転手不足です。
バス運転手の数は10年ほど横ばい状態で、高齢化も進んでいるといいます。バスの運転に必要な大型2種の免許を持っている人が少ないことが理由の一つということです。
バス会社のインバウンド対策/先進事例を紹介
1. 京成バス:バス輸送サービスの多言語対応を強化
京成バスは、バス会社としてはインバウンドに対し先進的な取り組みを行っています。
車内でのアナウンスはもちろん、行き先表示・バス停なども多言語化したということです。公式ウェブサイトも日本語・英語・中国語・韓国語の4言語に対応しています。また、バス停にはバスのピクトグラム(絵文字)を表示し、日本のバス利用に不慣れな訪日外国人にもわかりやすいように工夫しています。車内はフリーWi-Fi環境が整っているのも特徴です。
2.アルピコ交通:WEB上でバスが予約できるように多言語対応
アルピコ交通は、長野県と東京をつなぐバスを運営しています。
アルピコ交通は、訪日外国人からの需要の高い「羽田〜白馬」間のバスはWi-Fi対応や通訳用タブレットを導入するなどインバウンド対策に力を入れています。
またウェブサイトは、日本語のほか英語、中国語、タイ語に対応しています。アルピコ交通のグループ内にはホテルを運営している会社もあるのですが、ウェブサイトからスムーズにグループホテルの予約ができるような動線がつくられています。
まとめ
観光バス業界では、「バスの運転手が不足している」「訪日外国人観光客の伸び率に対してバスの運行本数が圧倒的に足りていない」など、まだまだ課題は山積みです。運行本数を増やす、ホテル宿泊費とセットになったプランの販売、スキー場で使える1日リフト券付きの格安プランの提供など、さまざまな施策が考えられるでしょう。
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