沖縄ツーリストのレンタカー事業「OTSレンタカー」と大同火災海上保険(以下大同火災)は、2019年よりインバウンド向けに、レンタカー損害補償に病気や怪我の治療費の補償も付帯した「One Two Support訪日旅行保険 」の提供を開始しました。
昨今は訪日客によるレンタカー事故があとを絶たない一方で、旅行保険への加入率が低いといった事象が問題となっています。訪日客のレンタカー事情をふまえた上で、保険加入の利便性向上が期待される「One Two Support訪日旅行保険 」について見ていきましょう。
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訪日客の3割が旅行保険に未加入で来日

2017年12月〜2018年1月にかけて実施された観光庁の「訪日外国人旅行者の医療に関する実態調査」において、訪日客の約3割が旅行保険に未加入ということが明らかになりました。旅行保険に加入している場合でも、大半は通訳やキャッシュレス診療サービスなどの追加サービスが付帯していない保険に申し込んでいる傾向にあります。
一方で、2018年の総務省の調査によると、訪日客のレンタカー事故率は日本人の4倍という結果になっており、医療現場でのトラブル事例として、旅行保険未加入により高額な医療費を支払えず帰国してしまうケースがあとを絶ちません。
訪日客の受け入れ体制整備にあたり、レンタカー事故を防ぐ取り組みはもちろん、万が一事故が起きた際も保険を利用しスムーズに医療機関を受診できるような仕組み作りも求められていると言えるでしょう。
訪日客のレンタカー事故率が3年で3倍となった沖縄県の取り組み

沖縄を訪れる個人旅行の訪日客のレンタカー利用率は約30%で、事故件数は2014年から2016年で約3倍にも増加しています。「One Two Support訪日旅行保険 」は、従来のレンタカー損害補償に加え病気や怪我の補償も付帯されているため、より利便性が高まると言えるでしょう。
サービスを共同で提供する大同火災は、訪日ビザの緩和や東京オリンピック・パラリンピックの開催で沖縄への訪日客も増加していくことを見込み、病気や怪我の際の外国語対応や医療費支払いといった医療対応整備の一環として「One Two Support訪日旅行保険 」を開発しました。
地元の保険会社と旅行会社が開発した業界初の訪日旅行保険とは

主な項目としては、①医療機関手配サービス②治療費キャッシュレスサービス③電話による医療通訳サービス④緊急移送・ご遺体搬送手配サービスの4点です。訪日客を対象としたレンタカー事業者向けの旅行保険は業界初となります。
上記の付帯サービスは24時間365日専用コールセンターを介し、日本語・英語・中国語(北京語)・韓国語・ポルトガル語・スペイン語の6ヶ国語対応で実施されています。同乗者も保険適用対象となり、日本に滞在中最大30日まで治療費用を補償することから、レンタカー搭乗中以外の怪我や病気の際も利用でき非常に利便性が高いと言えるでしょう。自国で旅行保険に加入してこなかった訪日客も、レンタカーの指定プランを利用するだけで旅行保険も同時に加入できるといったメリットも考えられます。
まとめ:訪日客の旅行保険加入促進に期待
沖縄ツーリストと大同火災の共同開発による新たな保険サービス提供は、訪日客の旅行保険加入を促進し、万が一事故や病気、怪我に見舞われた際に、安心して医療機関を受診できるといった効果が期待されます。訪日客だけでなく、医療費の未払いや通訳の問題で悩む医療機関にもメリットであるというのが特徴です。レンタカー事故を防ぐ対策が必要なのはもちろんですが、万が一のときもスムーズに対処できるような仕組み作りこそ重要と言えるでしょう。
<参考>
- 観光庁:訪日外国人旅行者の医療に関する実態調査
- 琉球新報:旅の医療保険、レンタカーと一緒に 大同火災とOTS、訪日客想定
- 大同火災:ニュース&リリース(2018年12月28日)
- 沖縄県:外国人観光客満足度調査
- 国土交通省:訪日外国人観光客レンタカー事故ピンポイント対策について
- OTSレンタカー:One Two Support Travel Insurance for Japan Visitors
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に5月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? / 2025年訪米旅行者支出「125億ドルの損失」予想 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年5月後編】
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