地方でもナイトライフを充実/金沢市が夜間の訪日客向け伝統文化体験ツアーの開発に着手

地方でもナイトライフを充実/金沢市が夜間の訪日客向け伝統文化体験ツアーの開発に着手

訪日客に人気の観光地・金沢では、ナイトライフの充実化を目指し、訪日客向けの伝統文化や大衆演劇に触れられる体験ツアーの準備に着手しました。金沢市が夜の魅力づくりに取り組むこととなった背景と2018年に実施した伝統文化体験ツアーの狙いと効果をふまえ、ナイトライフの充実による訪日客の地方誘致のあり方を見ていきましょう。


ナイトライフの充実で訪日客の滞在型観光を促進

▲「写真提供:金沢市」:東茶屋の夜の街並み

金沢市では、訪日外国人観光客向けのナイトライフの充実に取り組むことで、滞在型観光の促進が期待されます。訪日客を対象に市が実施したアンケートでは「飲食店の閉店時間が早い」「夜間イベントが不足している」といった、ナイトライフを楽しむための観光メニューの不足に関する回答が見受けられました。

金沢大学と日本政府投資銀行が実施した「金沢を訪れるアジア・欧米旅行客の意向調査」によると、金沢市内での滞在期間は1〜2泊が全体の70%を超えています。旅行期間が数週間以上と長い傾向にある欧米人観光客を中心に、金沢における滞在日数は、まだまだ伸びしろがあると言えるでしょう。

インバウンド向けの伝統文化体験ツアーを夕方以降に実施

▲日本の伝統建築を支える建具文化の1つ「組子細工」

金沢市は、日本の伝統文化の1つである建具の工房訪問や体験ができるモニターツアーを、夕方以降限定で実施しました。日本の伝統技術をインバウンド向けの観光資源として活用する取り組みとしても注目されています。

参加者はアメリカ・ベルギー・ロシアなどから訪れた計9人で、工房を訪ね組子細工や割り箸作りを体験しました。ガイドを市地域通訳案内士が務めたことにより、工房の職人たちとの交流も実現しています。日中は仕事がある建具職人のスケジュールも考慮する関係で、ツアーの実施は夕方以降となりました。訪日客にとってはナイトライフを楽しむ機会となるため、満足度向上や滞在型観光の促進が期待されるでしょう。

市は旅行商品化を目指し、今後ツアー内容の検討を進めるとともに、建具以外の分野でも直接伝統工芸の職人と交流できるようなツアーを検討したいとのことです。

大衆演劇で新たな日本の魅力発信にも期待

▲金沢おぐら座:公式ホームページより引用

金沢市の大衆演劇場「金沢おぐら座」では、訪日外国人観光客向けの体験ツアーをはじめ、インバウンドの受け入れ体制の整備を進めています。市の職員や市内の大型ホテルの担当者が同行のもと、中国・韓国・ベルギーの国際交流員を対象とした、大衆演劇体験のモニターツアーが実施されました。夜の公演終了後、特別に芸者役姿の衣装の着付け、化粧を体験できるといった内容が好評だったとのことです。

外国人が知っている「ゲイシャ・サムライ」とは違った日本文化に触れられる機会として、訪日客からの注目が集まることが期待されます。ナイトライフを楽しむために最適の体験メニューであるだけでなく、金沢駅から電車で簡単にアクセスできることから、市内観光地の分散化への効果を見込まれるでしょう。

2015年に北陸新幹線が開業し外国人宿泊者数が40万人を突破して以降、金沢を訪れる訪日客の数は増加の一途をたどっています。金沢市の調査によると、ひがし茶屋街や近江町市場に観光客が集中し、市民生活への影響が懸念されているとのことです。地元民の生活の質を落とさないためにも、増え続ける訪日客の分散化が求められています。

まとめ:ナイトライフの充実で訪日客に地域の魅力をPR

金沢市はナイトライフのさらなる充実化に向け、伝統技術の工房を訪れるツアーや大衆演劇劇場を訪れるツアーなど、夜間の体験メニューの準備に取り組んでいます。インバウンド向けのナイトライフ体験は、都市部のバーやナイトスポット巡りだけでなく、伝統文化の体験といった地域の魅力をPRする機会としての活用も期待できるでしょう。


<参考>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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