【DMO】東北観光推進機構が取り組むインバウンド対策とは | レンタカー用ステッカーの作成も

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今回は東北観光推進機構の国内、国外旅行者に向けたプロモーション活動を紹介します。PR動画を用いて自然美や伝統工芸を紹介したり、複数の言語に対応したポータルサイトや、電話通訳サービスを開始したりと、積極的に観光需要の取り込みを行っている同機構。東日本大震災の影響もあり、インバウンドを強化することが地域復興の要となっています。



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会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

東北観光推進機構とは?

東北観光推進機構(正式名称:一般社団法人 東北観光推進機構)は、地元経済界や東北6県(青森・岩手・山形・宮城・秋田・福島)と、新潟県仙台市などの関係者により、2007年6月に設立された組織です。機構の目的は、国内外から観光客を誘致し、東北の観光産業の振興と地元経済の発展に寄与することです。

2017年4月から一般社団法人となり、拡大を続ける訪日観光需要への東北の取り組みや、東日本大震災からの復興等、東北全体で解決するべき課題を克服し、東北観光を進めていくために組織体制を強化しました。

2020年度までに、東北6県と新潟県へ訪れるインバウンド客の宿泊数述べ「200万人泊」という目標を掲げ、国内の受け入れ体制整備や、オール東北による情報発信やプロモーション活動を積極的に展開しています。

次の章では東北観光推進機構が手がけるさまざまなプロジェクトについて、具体例を見ていきましょう。

東北のPR動画が再生回数2600万回を突破!

1.「Autumun Colors in Tohoku, Japan 4K-東北の秋」の再生回数が2600万回を超える

プロモーション活動の一環として、東北観光推進機構と東北6県(青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県)は「Autumun Colors in Tohoku, Japan 4K-東北の秋」というPR動画を作成しました。東北の秋の自然美と、そこに根付くいくつもの伝統工芸をテーマとし、4Kカメラやドローンなどの最新技術を用いた撮影が特徴的です。その美しい映像がYouTube上で話題となり、2016年に展開されて以降、2019年3月現在までの総視聴回数は2600万回を超えています。


地方のPR動画は、ここ数年のトレンドとなっています。言葉が分からなくても映像を用いて視覚的にその土地の魅力を伝えられるのが大きなメリットとなっています。スマホ一台あれば世界中のどこにいても視聴可能なので、プロモーションの観点からみても非常に高い効果が期待できます。

一方で、2011年以降、東日本大震災の影響もありYouTubeなど動画メディアで「tohoku」と検索すると、上位がすべて津波の映像ばかりになっていました。このままでは東北震災イメージが残り続け、風評被害から克服できません。

そのため、東北の四季の画像を上位に来るように、美しい映像のプロモーションを行ったといいます。その結果、現在では英語YouTubeで「tohoku」と検索すると、「TOHOKU JAPAN」の映像が上位に掲載されるようになりました。

2. ポータルサイト「旅東北」で東北の観光情報を発信

東北地方における旅の総合情報サイト「旅東北」は、写真と文章を用いて東北のあらゆる魅力を紹介しています。モデルコースやイベント情報など、あらゆる旅行のスタイルを想定し、国内国外旅行者のニーズに対応。

日本語、英語韓国語中国語(繁体字簡体字)、そしてタイ語の6言語に対応しているのが特徴です。英語だけでなく多言語に対応することで、インバウンドで主要な国に、しっかりと観光情報を発信しています。

3.「東北まなび旅」

日本国内向け教育旅行に関する取り組みが「東北まなび旅」です。未曾有の大地震と津波を経験した東北だからこそ伝えられる「震災・防災学習」、自然、地域、人が共存し生きる東北だからこそ触れ合うことができる「農家・民泊体験学習」、縄文文化や世界遺産などが眠る東北での「歴史・文化学習」など、多くのモデルコースを提供しています。

実際に学ぶだけではなく、体を動かして体験できる点が、修学旅行などの教育旅行担当者にとって魅力的です。

また2020年に向けインバウンドが盛り上がるにつれ、東京・京都などの修学旅行の宿手配がどんどん難しくなっていくという課題があります。このような難しい環境の中で積極的に誘客に取り組んでいるとのこと。

多言語電話通訳サービスやレンタカー用ステッカーの作成を実施

次に東北観光推進機構が行っている、具体的なインバウンド対策を2つ紹介します。

1. 訪日外国人旅行者のためのレンタカー用ステッカーを作成

2018年10月、東北観光推進機構は、東北6県と行う「冬の東北と着地コンテンツ整備事業」の一環として、東北を訪れる訪日外国人旅行者が安心してレンタカーを利用できるよう、訪日外国人旅行者が運転していることを周囲に知らせるための車両ステッカーを作成しました。

2017年における東北地域での外国人旅行者レンタカー貸渡回数は、1年間で6935回と前年比267%の実績を記録しています。東北を訪れる外国人観光客は個人リピーターも多く、地方都市を観光する際に車を利用するニーズが高まっています。

当事業は「レンタカー東北周遊インバウンド観光促進協議会」と連携して、昨年度はドライブ周遊観光ブックを作成したり、海外でのレンタカー利用キャンペーン等を実施。観光需要の創出に成功しています。

レンタカーを利用する訪日客 7割は来日5回目以上の日本ファン 関空から東京、千葉や地方部に足を伸ばすケースも:大阪

近年訪日外国人観光客が日本旅行の際の移動の足に使うことが増えてきたと言われるレンタカーですが、その背景には 団体旅行ではなく個人旅行(FIT)が増加してきた 事があると言われています。こうした個人旅行で訪れる訪日外国人観光客は、空港でWi-Fiをレンタルし、その足でレンタカーをピックアップして旅行先を巡ります。実はこれは欧米諸国では一般的な旅行スタイルで、海外旅行を自分のペースでドライブも含めて楽しみたいと考えるアクティブな観光スタイルであると言えます。こうした訪日外国人観光客の動向に関し...


2. 多言語電話通訳サービスの実施

東北観光推進機構と岩手県は2018年3月、地域の観光事業者向けに、訪日外国人とのコミュニケーションをサポートするための多言語での電話対応サービスを開始しました。2018年岩手県の加入で、東北7県全県での多言語電話通訳案内サービスが実施されることになります。

対応言語は、英語韓国語中国語で、電話での通訳を24時間依頼できます。東北7県で宿泊業、観光関係事業、小売業及び観光案内業務等を行う人たちと、訪日外国人旅行者の間に立つことで、必要な情報を的確に伝えたり、不要なトラブルを回避することが期待されます。

2016年に行われた訪日外国人旅行者へのアンケート調査の結果によると、「施設等のスタッフとコミュニケーションが取れないこと」が構成比33.0%で困ったことの第1位として挙げられました。こうした課題に対応するために、全国的に同サービスの導入が進められています。

訪日客はここで困る 3人に1人が"買い物中に店員とうまく会話できないこと"と回答 観光庁のアンケート調査で

観光庁は平成29年(2017年)2月7日、「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」の調査結果を発表しました。空港などで「旅行時に困ったこと」「多言語対応、通信環境などの受け入れ環境へのニーズ」「満足度」といった項目について答えてもらったもので、訪日外国人観光客が感じているリアルな感覚が反映されていると考えてよいでしょう。いったい、どのような結果になっているのでしょうか。やはり、先日ご紹介したリクルートライフスタイルの調査と同様の結果になっているようです。<関連>イン...


インバウンド強化が地域復興の要に

東北観光推進機構が出かけるさまざまなプロジェクトに関して、事例を紹介してきました。2011年の東日本大震災以降、東北を訪れるのに不安を感じている旅行者はまだまだ多いのが実情です。しかし実際は風評被害を受けているだけの場所も多数存在します。

そうした地域を救うため、東北全体の観光需要を創出するために、PR動画の作成や多言語サービスなど、国内外からの旅行者を集客する施策に取り組んでいるのです。

インバウンド対策を強化することによって、地域に新たなお金がもたらされ、震災復興や地域活性が進みます。中心的な役割を担う東北観光推進機構は、今後の活動に大きな期待が寄せられています。

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

  • 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
  • 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
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  • 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける

詳しくはこちらをご覧ください。

宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

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※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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