オリンピックの影響 | 4つの経済効果・2020年東京五輪・前回(1964年)と比較・メリット・デメリット

オリンピックの影響 | 4つの経済効果・2020年東京五輪・前回(1964年)と比較・メリット・デメリット

2020年東京オリンピックの開催まで、いよいよ500日を切りました。オリンピック開催による日本への経済効果は、東京でのオリンピック・パラリンピック開催が決定した2013年から2020年の開催、そして開催後10年間の2030年までの18年間で、30兆円規模にのぼることが予測されています。実際の過去オリンピックデータや現状などを参考に、オリンピックがどのような経済効果をもたらし、またインバウンド業界にどのような影響があるのか読み解きます。


2020年東京オリンピック開催による経済効果は30兆円規模

2020年東京オリンピック・パラリンピックは、国際的なスポーツイベントだけでなく、今後の日本経済にも大きく影響を及ぼす歴史的な出来事といえます。 2020年東京オリンピック開催で予想されている経済効果について、過去のデータを参照しながら紹介していきます。

リオオリンピック開催!過去のオリンピックから見る五輪の経済効果や東京五輪の影響をまとめてみました

先日8月5日(日本時間)から開催されたリオオリンピック。日本は柔道、競泳、体操で合計3つの金メダルを獲得し、好調な滑り出しを見せ盛り上がっています。目標に掲げる金14個の獲得はなるのでしょうか?さて、昨日の記事でもスポーツツーリズムについて触れましたが、オリンピックはスポーツツーリズムにおいて、その国の国際観光において最もインパクトの大きいものとなります。今回は、歴代のオリンピックの経済効果や、東京オリンピックの推定経済効果についてご紹介します。<関連記事>インバウンド市場や各国の訪日外国...


インフラ整備や観光需要の「レガシー効果」で、経済効果アップ

東京都が2017年に発表した「東京2020大会開催に伴う経済波及効果」は、全国で32兆円にのぼると試算しています。その根拠として、大会運営費や観戦客による消費支出などの“直接的効果”と、東京都の街づくりやバリアフリー対策、イベント振興、国際ビジネス拠点の形成などに活用することで発生する“レガシー効果”の2つに分けて試算し、直接効果は5.2兆円、レガシー効果は27.1兆円と試算しています。つまり、主として都市のインフラ整備拡充や観光需要の増加によって大きな経済波及が見込まれるといえます。

過去のデータから見る東京オリンピックの経済効果とは?

アジア諸国として初めて開催された1964年の東京オリンピックは、戦後の復興を世界にアピールし、高度経済成長期を象徴する大会になりました。東海道新幹線の開通や首都高速建設、東京モノレールが建設されるなどインフラが整備され、雇用が拡大することでオリンピック好景気が広がりました。

東京オリンピック開催によって得られる4つの経済効果

前述した1964年開催の東京オリンピックの経済効果を参考に、東京オリンピック開催によって期待できる経済効果や影響について紹介します。

オリンピックを2年後に控える

2017年の訪日外国人客数は、前年比19.3%増の2,869万人と5年連続で過去最高を記録しました。さらに、このままのペースで訪日外国人が伸び続ければ、2020年には政府が掲げている目標の4000万人を上回る4,517人になると、みずほ総合研究所が予想しています。他にも、2020年には東京オリンピックの開催が控えており、外国人が増えているのはオリンピックの影響なのではないかという声もあります。しかしながら、訪日外国人が増えているのは本当にオリンピックが原因なのでしょうか?そこで今回は、訪日...


1. オリンピックムードの「ドリーム効果」で消費活動が活発化

オリンピック・パラリンピックの効果で、個人の消費活動も活発化すると言われています。森記念財団都市戦略研究所では、社会全体で華やかな喜ばしい出来事が起きた時、オリンピックムードで様々な消費行動が拡大する“ドリーム効果”が起こると予想しており、消費が拡大する分野として、ハイビジョンテレビなどの購入やスポーツ用品の購入促進などが挙げられています。

2. 宿泊施設の利用者増加で売り上げアップ

オリンピック・パラリンピック開催期間中は、より多くの外国人観光客が日本を訪れることが予想されます。現在、宿泊施設不足が課題となっており、国内・外資系ホテル、ビジネスホテルなどがランクや規模にかかわらず、急速に建設されています。2020年に向けて、更に需要は高まるといえます。

3. 外国人観光客の増加で宿泊施設や旅行業に恩恵か

2018年の年間の訪日外国人客数は3000万人を突破し、その数は年々増加しています。東京都の試算および観光庁宿泊旅行統計調査によると、オリンピック・パラリンピックの開催期間中は約1,500万人もの観光客が東京を訪れると予想しています。観光客受け入れのために、宿泊施設のホテル業界やツアー企画などで旅行業界は好景気が期待されます。

4. 雇用促進で、転職活動にも好転の兆し

オリンピック・パラリンピックは大きな雇用も生み出します。競技が行われる会場やその周辺のインフラ設備、バリアフリー対策などを含めると、東京都で約129万6千人、全国で約193万8千人の雇用が発生すると期待されています。オリンピックによって、ホテルや旅行、飲食業などのサービス業界も需要は高まるので、求人数の増加が予想されます。就職・転職を考える人にとっては良いタイミングであると言えます。

東京オリンピック後もインバウンドが伸びる3つの理由 - 2020

東京オリンピックの開催が近づく中、日本のインバウンド市場は大きな盛り上がりを見せています。政府も2020年に訪日外国人数4,000万人という目標を掲げ、日本はまさに国をあげてインバウンド誘致に取り組んでいます。しかし一方で、オリンピック後のインバウンドに関して不安の声も聞かれます。一部では「日本のインバウンドは東京オリンピックまで。終わったら衰退する」と考えられているのも確かです。しかし、日本のインバウンドは東京オリンピックまでではありません。というのも、過去のオリンピック開催地では、開催...


嬉しいことばかりではない!? 東京オリンピックがもたらすマイナス効果とは?

これまで、オリンピックがプラスの経済波及効果をもたらすことを紹介しましたが、一方でマイナスの影響もあると考えられています。ここでは。不動産やインバウンドなどに与える影響について紹介します。

不動産業界に陰り?2020年以降の建設投資は冷え込む可能性も

東京オリンピックの影響により、2020年代前半にかけて首都圏周辺の再開発による複数の大型案件が進行していますが、2020年以降の建設投資は冷え込む可能性もあります。オフィスビルだけではなくホテルや商業施設と組み合わせた「街」として価値を見出さなければ、需要の減少から賃料水準の低下が生じることが懸念されます。

地方インフラ整備の遅れで、インバウンド需要にも影響

オリンピックによって、相次ぐ建設ラッシュで慢性的な人手不足に陥っています。そのため、地方でのインフラ整備が遅れる恐れがあります。空港から市街、ホテルから観光地などへのアクセスを便利にすることが地方の大きな課題です。インフラ整備が遅れると、観光客の満足度は低下し、地方活性への妨げになりかねません。

まとめ:オリンピックによる経済効果を高めて世界に誇る観光立国へ

2020年東京オリンピックによって、雇用拡大や消費活動の活発化など経済効果はあります。一方で、インフラ整備の遅れや人手不足などの課題も残されています。オリンピックの経済効果の大部分は開催中の”直接的効果”ではなく、オリンピック後の“レガシー効果”にかかっています。東京一極集中ではなく日本全国でインフラ整備の拡充など課題に向き合い、増加する観光需要への受け皿となる必要があります。観光立国を目指すには、オリンピックによる経済効果をチャンスにできるかが鍵となりそうです。


<参考>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!