中国スマホ新常識 SNSアプリの中に入れるアプリ「ミニプログラム」って?中国ネット世界がガラリと変わってる

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こんにちは、クロスシー編集部です。

今回は中国人のネットユーザー≒スマホユーザーの活用が広がる「ミニプログラム」について紹介します。


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ミニプログラムとは? 三大アプリがOSに代わるプラットフォームになりつつある中国ネット事情

「ミニプログラム」とは、アプリの中で立ち上がる別のアプリケーションのことです。必要となった際にアプリストアからインストールする必要がなく、またアプリそのものを立ち上げるよりもスマートフォンの動きが速いのが特徴です。

2017年初頭には17.1%だったネットユーザーの前年同期比の増加率は、昨年6月から5%を下回っています。ネットユーザーに「いかに選ばれるか」が勝負となってくる中で、すでに大規模なユーザーを抱えるプラットフォームアプリWeChat」「Alipay」「Baidu」の中での「ミニプログラム」開発が進んでいます。三者の特徴と、インバウンド市場への応用を考えてみます。

中国のリサーチ機関「QuestMobile」が今月20日に発表したレポートによれば、最も早くミニプログラムを展開したのはWeChatで、2016年9月に公開テストを開始し、2017年1月に正式に提供を開始しました。現在は「微信小程序」という名で呼ばれていますが、これは翌年1月からの呼称で、スタート当時は「応用号」と名付けられていました。

次に2017年8月Alipayにもミニプログラム機能が実装されます。そして両者に遅れること2年、2018年の7月に「Baidu」のミニプログラム機能も提供が開始されました。また中国で注目を集め続けるユニコーン企業バイトダンス社が開発するショートムービーアプリの「Douyin」でも、昨年10月にミニプログラム機能の提供を始めています。

▲三大プラットフォームアプリのミニプログラム
▲三大プラットフォームアプリのミニプログラム

またこの図の中で2018年3月に開始されているのが、スマートフォンメーカー9社による「快応用」です。各社のスマートフォンにあらかじめ備わっており、WeChatはじめとするミニプログラムのようにアプリの中で様々な機能が使えるため、ユーザーにより気軽にアプリを利用してもらうことができます。

▲「快応用」のプラットフォームに参加するスマホメーカー9社。HUAWEI、ZTE、レノボ、VIVO、OPPO、シャオミ(小米)、MEIZU(魅族)、GIONEE(金立)、nubia
▲「快応用」のプラットフォームに参加するスマホメーカー9社。HUAWEI、ZTE、レノボ、VIVO、OPPO、シャオミ(小米)、MEIZU(魅族)、GIONEE(金立)、nubia

ミニプログラムのローンチがユーザーを取り戻す

3者のアプリの前年同期比月間アクティブユーザー数の増加率の年間推移を見てみると、WeChatはすでにアカウント数が10億とかなり大きな数であるためか、徐々に下がっています。一方、Alipayはミニプログラムの機能を昨年8月にテスト開始し、その翌月の9月に正式に実装していますが、テスト開始から徐々に増加の傾向を見せていることがわかります。

Baiduの場合はAlipayほどではありませんが、昨年7月にミニプログラム機能を提供し始めてから回復傾向となり、今年の初めにはAlipayの27%をさらに上回って前年同期比33%増となりました。

▲WeChat、Alipay、Baiduの3つのアプリの前年同期比増加率と、モバイルインターネットユーザーの増加率(黄色線)
▲WeChat、Alipay、Baiduの3つのアプリの前年同期比増加率と、モバイルインターネットユーザーの増加率(黄色線)

WeChat、Alipay、Baidu各社のミニプログラムの傾向とは?

すでに、オリジナルのアプリよりも、WeChat内のミニプログラムや、その他プラットフォームとなるアプリで展開するミニプログラム経由での利用が増えているサービスもいくつも存在します。

各アプリのミニプログラムにはどんなものがある?

続いては、もはやインターネットサービスプラットフォームとも同義である3大アプリWeChatAlipay、Baidu)ごとに、提供されているミニプログラムの特徴を見ていきます。

▲WeChat、Alipay、Baiduそれぞれのミニプログラム
▲WeChat、Alipay、Baiduそれぞれのミニプログラム

WeChatは開発が2社に先駆けていたため、娯楽、EC、食事、旅行、交通機関、SNSどの領域でもメジャーなブランドのミニプログラムをそろえています。Alipayアリババ系列のECや旅行のミニアプリが充実しており、消費や金融関連でWeChatに差をつけていると言われています。Baiduは検索やニュースといった領域、またAlipayと比較すると映像系の娯楽(動画配信、ライブ配信)にアドバンテージがあることがわかります。

AlipayミニプログラムとBaiduミニプログラムについては、それぞれ上位20、上位30のミニプログラムの利用者データがあります。ともに上位の2件で半数近く、Alipayミニプログラムは交通機関、モバイルショッピング、ライフスタイル関連(フードデリバリーやニュースのキュレーションサービスの比率が高く、Baiduミニプログラムでは動画の視聴、ライフスタイル関連がそれぞれ23.3%を占めています。

またAlipayには旅行系のサービスが見られますが、Baiduでは見られず、反対にAlipayにはBaiduで三番手となった「自動車関連」がありません。プラットフォームによる多数派ユーザーの関心領域には、比較的はっきりとした違いがあるようです。


▲Alipayミニプログラム(左)とBaiduミニプログラム(右)の上位20位、上位30のミニプログラムのカテゴリ
▲Alipayミニプログラム(左)とBaiduミニプログラム(右)の上位20位、上位30のミニプログラムのカテゴリ

これらの上位20位、30位のミニプログラムのうち、Alipayミニプログラムのユーザーはアリババ系列のサービスの利用が多くなっており全体の55%、一方Baiduミニプログラムでは83.3%がBaidu系列外であり、Baiduはより外部にひらけたプラットフォームになっていると言えます。

まとめ:スマホメーカーも開発中、アプリのプラットフォームはスマホのOSからアプリ上に

中国では、ブラウザよりもスマホを主流とするインターネットユーザーが多数派です。インターネットユーザーの実に98.6%がスマホからネットにアクセスしています。こうした環境で、スマートフォンアプリ(スマホアプリ)として覇権を取ったWeChatAlipay、Baiduは、今度はそれぞれのスマホアプリプラットフォームとしてユーザーのニーズを満たしていくでしょう。

WeChatでは検索機能でミニプログラムのコンテンツも検索結果に含むような機能修正を行いました。ミニアプリの開発に携わる企業の動きも活発で、サードパーティディベロッパーが約8億円を調達するなど、引き続き中国のインターネット事情を読み解くには欠かせない存在となっています。

こうした中で、インバウンド市場潜在的・顕在的ターゲット層へ情報発信するのに、ミニプログラムは今後必須のツールになることも考えられます。すでにインバウンド対応の一環としてWeChatミニプログラムを活用している組織もあります。今後はAlipayやBaiduのミニプログラムにもこうした動きは広まっていくでしょう。訪日中国人やECユーザーのうち、自社のターゲットの関心領域が、WeChatAlipay・Baiduのうちどのミニプログラムのユーザーと親和性が高いのか、仮説を立て先手を打って利用していくことで、さらなる集客や売上を狙うことも可能になるでしょう。

<参考>



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株式会社クロスシー編集部。中国語圏向けに日本情報の提供をするインターネットメディア運営・レップ事業を展開すると共に、訪日観光客向けのマーケティング・ソリューションを提供しています。日本の観光立国を実現すべく、メインターゲットとなる中華圏への観光情報、サービス、商品について、日中間の情報格差を埋め、観光客にとって最高の日本体験の提供を目指しています。

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