訪日ベトナム人観光客数が近年急激に増加しています。そのためインバウンド対策を実施する上でベトナム人を呼びこむためのプロモーションをすることがインバウンド対策でも重要性を増してきています。
そこでこの記事では、ベトナム人がどのように情報収集を行っているのか、なぜベトナム人観光客が増加しているのか、またベトナム人観光客の特徴について紹介します。
訪日ベトナム人市場の特徴は?
一般的にベトナムは日本人にとって特別印象の強い国ではありませんが、プロモーションする際には相手のことをよく知っておく必要があります。
ここでは、訪日ベトナム人市場にどのような特徴があるのか解説します。
1. 親日度が高い
電通が2017年に行った調査によると、ベトナム人は「日本のことが好きな国・地域」でフィリピン、タイと同率で1位でした。
このことからベトナム人が日本へ抱く好感度は高く、日本を訪れたいと感じている人も多くいると考えられます。
訪日ベトナム人観光客に向けたプロモーションすることで、大きな効果が得られるでしょう。
2. 2017年の訪日ベトナム人は約31万人
訪日ベトナム人市場は急激に伸びています。
2017年の訪日ベトナム人は約31万人でした。2013年は8万4000人だったため、5年間で3.6倍に伸びている計算になります。
その理由としては、2013年に行われたベトナム国民に対する短期滞在ビザの発給が挙げられます。短期滞在のビザが発行されたことによって日本を訪れやすくなったと考えられます。
3. 滞在期間が長い:平均1か月以上
また訪日ベトナム人観光客の傾向として滞在期間が長いということが挙げられます。観光庁の調査によると訪日ベトナム人の平均滞在期間は35.4泊と全国籍中でトップの長さです。
全国籍の平均が10泊ということからも、訪日ベトナム人の平均滞在期間が非常に長いことが分かります。とはいえ、おそらく手稼ぎ的な訪日も多いと思われ、実際の観光客の宿泊数とは乖離がみられるでしょう。
ベトナム人のインターネット利用状況は?
近年海外へのプロモーションはインターネットを通じて行われます。この手法はベトナムにも有効なのでしょうか。まずベトナムのインターネット利用状況について解説していきます。
67%がインターネット利用

「Digital 2018」によるとベトナムでは約67%の人がインターネットを利用しています。
インターネット利用率は2017年の統計よりも28%上昇し、今後も上昇しつづけることが予想されます。
またベトナム人は1日平均6時間52分インターネットを利用しているという結果もでているため、ベトナム人のインターネット普及率は比較的高いといえます。
訪日中の情報源は53.6%が「スマホ」と回答
観光庁の2017年の消費動向調査によると「訪日中に役に立った情報源」としてスマートフォンが53.6%と首位でした。
多くの訪日ベトナム人観光客は訪日中スマートフォンを利用して情報収集を行っているため、スマートフォンを利用したプロモーションは有効だと考えられます。
訪日前の情報源は?観光メディアは利用している?
ベトナム人は訪日前にどのような情報源を使って情報収集を行っているのでしょうか。ベトナム人が利用している情報源について詳しく解説していきます。
「訪日前に役に立った情報源」1位は”日本在住の親族・知人
2017年の観光庁の消費動向調査によると、訪日前に役に立った情報源として37.9%のベトナム人が「日本在住の親族・知人」と回答しました。また2位は「自国の知人・親族」で16.9%でした。
全国籍での統計を見ると「個人ブログ」が31%で1位、「日本在住の親族・知人」が14%で6位という結果になっています。このことから、ベトナム人の特徴として親族や知人の情報を信頼する傾向が強いことがうかがえます。
ベトナム人はFacebookをよく利用する?

「Digital 2018」の調査では、ベトナムで「最も利用されているウェブサイト」はGoogleにつづき「Facebook」が2位という結果でした。
ベトナムにおけるFacebookの月間アクティブユーザーは人口の6割近くにあたる約5500万人に上ります。このことからベトナム人にはFacebookを利用したプロモーションが有効といえます。
ベトナムでFacebookの次に使われるSNS「Zalo」って?
多くのベトナム人が使っているチャットアプリはFacebookのMessengerです。Messengerは約94%の人が利用しています。そして次に利用者が多いのが「Zalo」というチャットアプリです。
Zaloは日本でいうとLINEのようなもので、約89%のベトナム人が利用しておりベトナムでは非常に人気が高いチャットアプリです。Zaloは英語とベトナム語のみに対応しています。
前述したように、ベトナムではインターネットはかなり普及が進んでいるものの観光情報に関しては知人や親族から情報を取り入れるという傾向が強いです。そして知人や親族とやりとりをするために多くのベトナム人がFacebookやZaloなどのアプリを利用しています。このことから、ベトナム人に向けたプロモーションにはFacebookやZaroを活用するのが効果的だと考えられます。
まとめ:ベトナム人へのプロモーションにはFacebook・Zaloが効果的
訪日ベトナム人観光客は2013年に短期滞在ビザが発行されるようになってから急速に増加しています。また滞在日数も非常に長い傾向がありインバウンド効果が期待できます。
ベトナムではインターネットの普及が進んでいるものの、観光情報の収集手段としては観光メディアよりも親族や知人を利用する傾向が強いです。そのためプロモーション方法としては、利用者数が多いチャットアプリである「Facebook Messenger」や「Zalo」を活用するのが効果的でしょう。
<参照>
- 訪日ラボ:データでわかる訪日べトナム人
- 訪日ラボ:訪日べトナム人観光客のインバウンド
- 訪日ラボ:訪日べトナム人市場の特徴
- 訪日ラボ:一度の訪日旅行で19万円支出する「訪日ベトナム人」は第二の爆買いを引き起こしうるのか? 訪日ベトナム人を誘致する際知っておきたいことまとめ
- 電通:電通、「ジャパンブランド調査 2017」を実施
- JNTO:訪日外客数(2018 年 12 月および年間推計値)
- 観光庁:訪日外国人消費動向調査
- Digital 2018:Digital in 2018 in Southeast Asia Part 1 - North-West
- グロマ!:8000万人超えのユーザー数を誇る、ベトナム発チャットアプリ『Zalo』とは?