ベルギー最大の旅行見本市「Salon des Vacances」インバウンド対策は高所得者層&シニア層が鍵!?【現地レポート】

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2019年2月7日〜10日に、ベルギー最大のBtoC国際旅行見本市「Salon des Vacances」が首都のブリュッセルで開催されました。

ベルギーはヨーロッパの中でも高所得者層の家族が多い国とされ、当旅行見本市の来場者も、長期旅行を好む富裕層の家族連れやシニア夫婦などを中心に賑わっていたのが特徴的です。「Salon des Vacances」を通して見えてきた、ベルギーのインバウンド対策で重要な視点や、旅行見本市への出展のメリットを、現地レポートとして報告します。


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Salon des Vacancesには官公庁や旅行会社など350団体が出展

▲「Salon des Vacances」:来場者で賑わう会場の様子
▲「Salon des Vacances」:来場者で賑わう会場の様子

「Salon des Vacances」は、ブリュッセル中心部からメトロで30分ほどの展示会場「Brussels Expo」で開催されました。4日間に渡って3つの展示ホールを使用し、アジアやヨーロッパなどの地域別に分かれた各国のブースと、キャンピングカーの展示コーナー・飲食ブースが点在するような会場図となりました。

800の世界中の旅先についてPRする350団体が出展し、約10万人の来場者が訪れています。

来場者はベルギー人が中心だったため、会場内で使用された言語は、主にフランス語・オランダ語・英語でした。一般来場者の約70%は高所得者層で、シニア層の夫婦や家族連れが多く見受けられました。700超の業界関係者や140の旅行関連のジャーナリストも訪れるため、BtoBのアプローチも期待できる旅行見本市と言えるでしょう。

Salon des VacancesのJapanブースには6団体・単独でANAグループが出展

▲「Salon des Vacances」:来場者を惹きつける暖簾が印象的なJAPANブース
▲「Salon des Vacances」:来場者を惹きつける暖簾が印象的なJAPANブース

JAPANブースには、日本政府観光局をはじめJTB・阪急交通社、現地旅行代理店のOMNI LINKS EUROPE S.AやVOYAGE AU JAPON AVEC BCT-TOURISTIK・KONING AAP - YourWay2GOの計6団体が出展しました。ANAグループは単独ブースをJAPANブースの横に設けています。

日本らしい暖簾が特徴的なJAPANブースは、遠くからも見つけやすく来場者の目を惹くデザインとなっていました。暖簾の下に並ぶ日本の絶景や伝統文化を紹介する写真やスクリーンの映像を囲むようにして、各団体のPRブースが並ぶような配置です。各ブースには座ってじっくり資料を眺めながら話を聞ける作りとなっていたのが印象的です。

JAPANブースでは、連日書道や日本酒の試飲、琴や三味線のコンサートなどを実施し、日本の伝統文化体験をきっかけとしたブースのPRを実施していました。

インバウンドの潜在市場・ベルギーのSalon des Vacancesではゴールデンルート+αの情報発信に注力

▲「Salon des Vacances」:阪急交通社ブースの様子
▲「Salon des Vacances」:阪急交通社ブースの様子

普段お世話になっているというベルギーのホールセラーと共同で現地ツアーのプロモーションをしていた阪急交通社の担当者によると、ブースを訪れる来場者はシニア層が多いとのことでした。東京や京都といったいわゆるゴールデンルートの都市は聞いたことがある一方で、主要都市以外の観光地の情報を求める声が多く寄せられています。

2015年に成田・ブリュッセル間にANA直行便が就航されて以来、訪日旅行の利便性が圧倒的に向上したと同時に、日本に対する興味関心の高まりも顕著に現れているそうです。普段はBtoBで現地のホールセラーとやりとりをしている中で、「Salon des Vacances」のような旅行見本市に出展することは、改めて現地の生の声を収集できる絶好の機会になるとのことでした。

▲「Salon des Vacances」:折り紙が来場者を惹きつけていたKONING AAP - YourWay2GOブース
▲「Salon des Vacances」:折り紙が来場者を惹きつけていたKONING AAP - YourWay2GOブース

KONING AAP - YourWay2GOのブースでは折り紙で鶴を折り、来場者の興味を惹きつけていたのが印象的です。担当者によると、折り紙に興味を持ち、話しかけてくるのは、フランス語圏からの来場者が非常に多い傾向だそうです。

全体的に、訪日旅行について具体的な質問や知りたい情報があるというより、次の旅行先の候補地として、情報収集のためにパンフレットを複数手に取っていく来場者が大半でした。家族連れがブースに立ち寄り、お子さんが折り紙を体験している様子も見られ、日本文化体験から訪日旅行の認知拡大に繋げる効果も期待できると感じました。

食や音楽など”体験”で来場者を惹きつけるSalon des Vacancesの各国ブース

▲「Salon des Vacances」:ワインをきっかけに地方都市PRをするフランスのブース
▲「Salon des Vacances」:ワインをきっかけに地方都市のPRをするフランスのブース

世界各国の展示ブースでは、地域ならではの食文化を試飲・試食を通してPRしている様子が印象的でした。富裕層かつシニア層の来場者も多いことから、ブースで食文化を体験しつつ、食にまつわる各地域の旅先としての魅力や情報収集にあたっていました。

フランスブースではワインの試飲、インドネシアブースではコーヒーの試飲が人気で、同時に旅行のパンフレットを手に取る来場者も見受けられました。会場内にはさまざまな地域の伝統料理が楽しめるレストランスペースも点在しています。

▲「Salon des Vacances」:ライブパフォーマンスで来場者の注目を集めていたキューバブース
▲「Salon des Vacances」:ライブパフォーマンスで来場者の注目を集めていたキューバブース

会場内は常にさまざまなブースから音楽が聴こえ、賑やかな雰囲気です。各国・各地域ならではの音楽のライブパフォーマンスも随所で見受けられ、ブースに立ち寄るきっかけとして非常に効果的でした。

「Salon des Vacances」ならではの特徴として、旅行の情報収集だけでなく食文化体験やライブパフォーマンスを通じ、じっくり時間をかけてイベント自体を満喫できるような仕掛け作りが、シニア層を惹きつける上で重要と感じました。

熱心に資料を集める来場者が印象的なSalon des Vacances

▲「Salon des Vacances」:会場内は資料を入れた袋を複数持つ来場者がたくさん
▲「Salon des Vacances」:会場内は資料を入れた袋を複数持つ来場者がたくさん

「Salon des Vacances」では、大量のパンフレットや資料を、各ブースが用意するトートバッグや紙袋にまとめたものをいくつも持ち歩く来場者の姿が印象的でした。ブースでは資料単体の用意だけでなく、他のブースで集めたものも全てまとめられるような、大きめの袋も用意しておくと、訪日旅行やJAPANブースの宣伝にも効果的ではないかと感じました。

まとめ:インバウンドの潜在市場・ベルギーで訪日旅行をPR!

「Salon des Vacances」を通して、ベルギーはヨーロッパの中でもインバウンドの潜在市場として、今後訪日旅行をPRするにはさらなる伸びが期待されるという印象を受けました。

「Salon des Vacances」は、ゴールデンルートのみならず、日本文化体験を切り口に地方都市の魅力発信にも効果的な場と言えます。来場者が高所得者層かつシニア層がメインといった点に着目することも、ベルギーで訪日旅行の認知拡大を目指す上で重要なポイントとなるでしょう。

「Salon des Vacances」イベント情報

イベント名: Salon des Vacances

開催国・都市: ベルギー・ブリュッセル

開催日:2019年2月7日~10日

会場:Brussels Expo

対象: 一般消費者

来場者数:約10万人(2018年実績)

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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

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  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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