タイの旅行好きが情報収集のために集まるタイ国際旅行フェア、通称 TITF(Thai International Travel Fair) が2月13日〜2月17日に開催されました。
毎年2月と8月に開催される来場者数30万〜50万人規模のイベントです。2月に開催されるイベントでは、4月のソンクラン(タイの正月)の期間中に旅行を検討する人も多く、大変賑わいます。
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TITFの日本ブースには51団体が出展
開催場所はクイーンシリキットコンベンションセンターです。これはバンコクのほぼ真ん中の、ハイソな雰囲気のある商業区に位置しています。
TITFには全体で約700団体が出展し、日本ブースはメインイベントホールの中に51団体が出展しました。
JNTOの発表によりますと、タイからの訪日旅行者数は前年度の10%以上の伸び率で、年間100万人近いタイ人が日本を訪れており、訪日旅行の情報収集に訪れた人が多かった印象です。
TITFのJAPANゾーンを回ると、沖縄ブースが一番大きく豪華で、パンフレットの完成度が高いことに気が付きました。
少し離れたところには、これまた大きなスペースのLCCのピーチエアラインブースもありました。ピーチエアラインは那覇ーバンコク間を就航していて、プロモーション価格であれば、たったの4990バーツ(この日のレートで約18000円)で購入できるため、注目されているようでした。
沖縄ブースで接客中のタイ人スタッフに「雪の降らない沖縄を、タイ人にどのようにアピールしているのか?」と、質問してみると「沖縄とタイは気候が似ているので、体調を崩しにくい」「他の都市と比べて物価が安く、高級リゾートから安い民宿まで選択肢が多いので、様々な予算の来訪者に対応しやすい」「琉球王朝の雰囲気がやはりタイとは違う、異国に来た感が味わえる」と、語ってくれました。
TITFでは情報収集とバウチャーの購入がメイン
TITF来場者にインタビューしてみたところ、殆どの来場者が既に次の日本旅行を計画していて、空港から目的地までのアクセスや観光予定地の情報収集をするために来場していました。
またパッケージツアーやバス・列車のクーポンを販売する出展団体を訪れ、TITFの期間中だと言葉の不自由がないので、使い方を直接教えて貰い、よりスムーズに訪日旅行が楽しめるようにと考えているようでした。
他にもタイ人の来場者に話を聞いてみると、一度は日本へ旅行した人が多く、東京→京都→大阪の東西移動コースと北海道で雪を見るツアーを経験しているそうです。次回は、より日本の地方エリアを回ってみたいと、訪れた場所以外の情報収集が目的でした。
40代以上のタイ人来場者からは「子供が日本に留学している(またはその予定)から、留学先を訪れたい」という声もありました。どこに留学するのですか?と問いかけると、大分県別府市のAPUの名をあげる人が多くいました。
来場者はほぼ全員が大量のチラシやノベルティ、パンフレットを持ち帰っていて「家にいる両親や親戚にも見せる」とのことでした。
タイ人は家族で旅行するスタイルが主流であるため、スマホ画面よりも、年配の家族には紙でわかりやすく料金とサービス内容が書かれているチラシが必要とのことでした。
TITF会場で特に賑わうドン・キホーテブース
JAPANゾーンの中で行列を作るほど人気だったのが、ディスカウントショップのドンキホーテブースです。
日本でしか買えないお菓子と、シミを消すクリームやいびきの音が小さくなるシールなどを陳列していました。スタッフが日本の各店舗で使用可能な割引クーポンを配っており、訪日旅行の際に使ってくださいと声をかけていました。出展者からは、バンコクのトンローsoi10にドンキホーテバンコク1号店をオープンさせると教えていただいたので、日本好きのタイ人が訪れ、更に名前が浸透するだろうと思いました。
他にも集客があったブースでは、SNSキャンペーンを開催しており、FacebookやInstagramのいいねで、景品をプレゼントしているようでした。私の友人もイベントに訪れていたようで、Facebookには何枚もブース前で写真を撮っている様子が投稿されていました。
タイはSNS大国でもあります。人口7,000万人ほどに対してフェイスブックをしている人が4,600万人いると2018年2月28日のメディアイベントで発表されました。
そのため多くの人が関心を寄せる情報は、とても簡単に発信された後、シェアされ瞬く間に拡散していきます。タイでのマーケティングはこのSNSをいかに制するかで成功が決まるといっても過言ではありません。
<参考>タイランドハイパーリンクス:タイのSNS利用者数は? facebook、Instagram、Twitter
TITF出展ブースに寄せられた来場者の意見
訪日旅行でタイ人によく相談されるのが交通機関利用についてです。熊本県も新潟県も三重県も魅力的な場所ですが、入国した空港からどうやって行けば良いのか、タイ人にとってはよくわかりません。
観光名所や特産品の紹介はもちろんですが、「福岡や関西、セントレア、羽田、成田の空港からどのようにアクセスするのか」「一番簡単で座っていけるのはどの方法か」「値段はいくらくらいなのか」などをTITFでもっとわかりやすく伝えることができたら、旅行者数の増加に繋がるのではないかと、感じました。
TITFイベントステージでは各国の踊りなどのパフォーマンスで来場者を魅了
私が訪れた最終日の夕方ステージでは、スリランカのトップレベルのダンサーによる民族舞踊が繰り広げられ、とても幻想的でした。実際にパフォーマンスを観ることによって、次の旅行先へと検討する人も出てくるのではないでしょうか。
また今回とても力が入っている沖縄ブースからは、エイサーを披露する時間もあり、ステージ前は満席で多くの来場者がパフォーマンスに見入っていました。これも、雪がなくても、沖縄に行ってみたいとタイ人に思わせる沖縄の魅力の一つのようでした。
日本ブース以外にも、韓国や台湾ブースにも多くの来場者が関心を寄せているようでした。
旅行グッズが格安で売られているブースもあり、こちらは歩くのがやっとなくらいの賑わいを見せていました。
まとめ:次のタイ国際旅行フェアTITFは2019年8月開催予定
TITF#24では相変わらず、訪日旅行が人気であることを実感しました。メイン会場外側の旅行代理店や航空会社、交通機関の団体ブースで足を止めて相談している来場者が多く見られました。
慣れない日本国内での移動のため、交通情報の収集や地図の入手に加え、割引パスを購入する人が多く、日本に訪れる前から用意周到に準備をしているようでした。
また、2月開催でしたが、先を見越して「紅葉」や「秋の食材」「スキーの季節はいつか」と、半年以上先のことにも注目しているようでした。ニーズに合った日本情報、地域情報の発信がTITFの成功の鍵となるのではないでしょうか?
<参考> - 日本政府観光局(JNTO):旅行博・セミナーのご案内
イベント名:タイ国際旅行フェア(TITF)#24
開催国・都市:タイ・バンコク
開催日:2019年2月13日〜17日
会場:Queen Sirikit Convention Center
対象:一般
来場者数:約50万人(2016年度)
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