新紙幣「渋沢栄一」採用に韓国メディアから批判の声/日韓の認識の違いとは

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

2019年4月9日、麻生太郎財務相が新紙幣のデザインを一新すると発表しました。この日本の新紙幣デザインについて、複数の韓国メディアが1万円札に採用された「渋沢栄一」の肖像画に対して、「安倍政権の歴史観が反映されている」と問題視しています。

この問題に対し、4月21日放送のテレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」で、タレントの千原せいじ(49)が「ほっといてほしい。そもそもよそさまのお札に文句をつけるなんて、俺がもし逆に韓国国民なら、恥ずかしいからやめてって思う。」とコメントしました。この発言に対しツイッター上では賞賛する声が多くある中、「人の国の事だほっとけ。で片付けられない」と問題視する声も上がっています。

<オススメ記事>
中国インバウンド 今後の動向は?【訪日ラボが徹底予測】

なぜ問題視されているのか?「渋沢栄一」に対する日本と韓国の認識の違い

韓国メディアでは、日本のマスコミは、「渋沢栄一」を日本最古の銀行である第一国立銀行を設立した「日本資本主義の父」として尊敬される人物と紹介。さらに、第一国立銀行のほか、東京ガス、東京海上火災保険、製紙サインキュウリ製紙、東京証券取引所、デイコク(帝国)のホテル、キリンビール、サッポロビール、大日本製糖、明治製糖など500以上の企業の設立に関与した。と事業家としても高く評価されていると紹介しました。

一方、韓国の認識では、「渋沢栄一」は旧韓末日本の韓半島侵奪の足場を用意し、先鋒に立った人物です。彼が設立した第一国立銀行は1878年、釜山に支店を設立し、原産、仁川、ソウル、群山などの支店を増やして行きました。この銀行は、大韓帝国時代、朝鮮の関税徴収業務を代行して、自社が発行した貨幣を朝鮮に流通させるなど、韓半島経済を日本の影響下に置き、金融侵奪の前哨基地の役割をしました。1902〜1904年に朝鮮で発行された紙幣は、渋沢栄一の肖像画が描かれていました。

画像:http://biz.heraldcorp.com/view.php?ud=20190409000672#aより
キャプチャ:http://biz.heraldcorp.com/view.php?ud=20190409000672#aより

新紙幣デザインに対する韓国メディアの反応は?

韓国の経済誌・毎日経済は、渋沢栄一について「明治時代と大正時代に活躍した事業家で、第一国立銀行や東京ガスなど約500の会社経営に携わったため日本では尊敬される人物だ」と説明しています。

一方、朝鮮半島では「大韓帝国時代に日本帝国の利権奪取のため朝鮮半島での紙幣発行を主導した。旧韓末の貨幣を発行して鉄道を敷設する一方で、京城電気(韓国電力の前身)の社長を務めて全面的に朝鮮半島に対する経済侵奪を始めた象徴的人物だ」と指摘しました。さらに、日本政府が1万円札に渋沢栄一を採用したことは「過去の歴史を否定する安倍政権の歴史修正主義が反映されている」と伝えています。

さらに、東亜日報では、日韓併合直前に日本の民間銀行が現地で流通させた紙幣の肖像に渋沢が採用されたことを紹介。韓国の歴史観に照らして波紋が起きかねないとした上で「愛国心を強調する安倍晋三首相の政治哲学と合致する」との解釈を伝えています。

他にも、中央日報では、渋沢が初代韓国統監だった伊藤博文と「親友」だったと強調しました。韓国では、かつて日本が千円札の肖像画に伊藤を採用していたことにも批判があったと伝えています。

日本ではTVタックルでの千原兄の「ほっといてほしい」発言が賛否両論

冒頭でも触れたTVタックルでの千原兄のコメントに対して、ツイッター上では「日本に絡みつくのは止めてほしいです。」「よくぞ言ってくれました。しかし、本来なら当たり前の、余計なこと。相手にしないことが一番です。」「待ってたよ。メディアで発言してくれる人を。正しい意見、素晴らしい。」などの声とともに拡散されました。

その一方で、「日本が韓国の許可なく発行し、実質上韓国の最初の紙幣とされているものに渋沢栄一の肖像画が使われていたという史実は、人の国の事だほっとけ何を言ってるんだおかしいぞお前達。で片付けるには複雑すぎる。私らには都合良い物言いだけどね」と問題視するコメントも寄せられ、物議を醸しています。

根深い問題である日韓関係

この問題に対して韓国ネットユーザーからは批判的な声が上がっています。「この機会に韓国も日本人観光客専用の紙幣を作ろう。デザインには抗日独立活動家の肖像画を入れて」などと訴える声が相次ぐ一方で、韓国内でも「被害意識が強過ぎない?」「他国の紙幣のデザインに口出しする資格はない」と冷静な声も上がっています。

TVタックルの千原兄のコメントに対するツイッターの発言のように「人の国の事だほっとけ何を言ってるんだおかしいぞお前達」では片付けられない問題であると思われます。

訪日ラボセミナーレポートのご紹介&最新版インバウンド情報まとめ

訪日ラボでは、インバウンド対策に課題を抱えるご担当者様向けに、お悩み・課題解決を支援すべく、最新レポートの公開や無料のオンラインセミナーを実施しています。

【セミナーレポート】「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント


2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

日本を訪れる外国人旅行者の間で、特に人気が高いアクティビティが「桜の鑑賞」です。桜の開花時期に合わせて日本を訪れる外国人も多く、日本の重要な観光資源の一つとなっています。

そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
登壇者としては、インバウンドの動向に詳しい訪日ラボ インバウンド事業部長 川西哲平に加え、台湾に本社を置くビッグデータカンパニーVpon JAPAN株式会社営業本部 会田健介氏をお呼びし、「桜」に関するインバウンドデータをもとに、訪日外国人旅行者の最新動向と、「桜のシーズン」に集客を向上させるためのポイントを解説しました。

本セミナーは大好評につきアーカイブ配信を行っておりますので、ぜひご覧ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント【セミナーレポート】

【インバウンド情報まとめ 2024年3月】2023年年間宿泊者数 1位は韓国 他

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年3月版レポートから、2月〜3月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

インバウンド情報まとめ 2024年3月

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。
 訪日客向け“相撲エンタメショーホール” 大阪にオープン / 2023年年間宿泊者数 1位は韓国【インバウンド情報まとめ 2024年3月】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに