親日国・台湾の「令和」への意外な反応「英訳が18禁ゲームの主題歌と一緒…」「R18生まれ世代のいじめが心配」

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今週末から日本では史上最長の10連休、新元号の「令和」に切り替わるタイミングを年越しのように入念に準備して過ごす方も多いのではないでしょうか。親日的と名高い台湾では、日本の改元についてどのようにみられているのでしょうか?現地ウェブニュースやSNSからさぐります。

「令和」に中国ネット民の反応は「元をたどれば中国」「平成のホームズ目指す工藤新一(名探偵コナン)に残された時間はわずか」

平成最後の1週間が始まります。ゴールデンウィーク期間はお隣の中国でも連休が予定されており、日本旅行を予定している中国人も多いようです。ゴールデンウィーク中に「令和」への改元を迎える日本ですが、中国人はどのように見ているのでしょうか。中国の主要SNSであるWeChatとWeiboから、中国人ネットユーザーの感想を拾ってみました。目次万葉集が出典といえども「日本文化はさかのぼれば中国に端を発したものばかり」日本史上初めて漢籍出典でない元号に中国人「もとをたどれば中国」も冷静に自分を振り返る姿も...



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元号とは?台湾の「民国N年」とは?

そもそも元号とは何でしょうか。東アジアの漢字文化圏に特有の文化といわれ、中国の漢の時代に始まったといわれている年の記録方法です。

中国では辛亥革命の1912年に一度元号を廃止し、その後満州国の建国に伴い再度元号が復活し、満州国が滅亡する1945年まで使用されていました。上述の辛亥革命では中華民国が成立しました。中華民国では、政府が成立した1912年を紀元とする「民国」という呼称が制定されています。

台湾では、この1912年を元年とする年の数え方が当時より一般的になっています。現在の台湾政府は中華民国政府であるため、台湾では西暦とあわせて現在もこの「民国」を用いて年を数えたり記録したりしています。

ある台湾メディアは日本人の台湾旅行への関心の高さを紹介していますが、その中で「独自の年号の利用は日本に通ずるところがあり、親近感がある」という日本人男性のコメントを好意的に紹介しています。(正確には、民国は元号とは異なる紀年法です。)

またSNSのコメント欄には「民国は途中で変更されることのない記号だから、こっちの方が便利だよね」という意見も見られ、折々に改正される日本の元号を不便なものと認識していることがうかがえます。

台湾にとって新元号は「きまずい」

台湾では全般的に日本文化への関心が高く、またポップカルチャーには強い親しみを感じている若者も多くいます。

また「平成の歌姫宇多田ヒカル」「平成の怪物松坂大輔」といった愛称の認知度は日本とほぼ変わらないでしょう。また歴史的いきさつもあり、平成に限らず、昭和、明治といった年号も広く認知されています。

18禁やヨーグルト、ヤマハの商品名になってしまう世代を心配

日本における新元号に対する反応を紹介するある台湾メディアでは、元号をローマ字を用いて省略し表記する習慣を解説したうえで、令和の「R」を数字の手前につけることによる様々な弊害について同情的な見方を示しています。

例えば令和18年生まれの人は今後「R18」という表記を様々な場面ですることになります。「R18」はご存知「18歳未満禁止」「成人向け」を意味し、特に性的なコンテンツを想起させる表現です。こうした記号を常に使わなければならなくなる世代がいじめにあうことを心配する親もいるだろうと考察しています。

また同じく、令和元年生まれは「R1」となり、ヨーグルトの商品名やヤマハ発動機の商品を連想させるという見方も紹介しています。こうした要因もまた、生まれた年を理由に笑いものにされる理由となるかもしれないと懸念しています。

こうした報道からは、日本の様々な商品が台湾でも広く認知されていることや、日本のような距離感で人付き合いをする台湾人の特性、他者への共感性の高い性格が読み取れるでしょう。

Youtubeでの反応は?

続いて、台湾でもっとも利用されているSNSの一つであるYouTubeの動画と、そのコメントを確認してみます。

英訳が「18禁ゲームの主題歌と一緒」

新元号の発表後、日本政府は「令和」について英語で“beautiful harmony”と説明しました。台湾のネットニュースではこれを「18禁ゲームの主題歌とまったく同じ名前で、Googleで検索するとそちらの方が先に出てくる」と報じています。

YouTubeにアップされている同曲の動画には台湾で使われている繁体字で「外務省の決定!アニメ版国歌ですね」というコメントも見られます。もちろん日本語でのコメントも多数あふれており、ゲームというコンテンツを通じて言語の壁を越え、日本と海外が「令和と18禁の作品と結びつける可笑しさ」を共有している様子がうかがえます。

人気YouTuber「Ryuuu」のコンテンツにも18禁とコナンを心配する声が

中華圏で活躍するYoutuberであるRyuuuのYoutubeチャンネルでも、令和の改元についての解説動画をアップしています。コメント欄にはやはり「令和18年生まれはR18になってしまうね…」「R13も…」「R20も(きまずい)」といったコメントが見られました。

また「名探偵コナンは平成のホームズを目指していたはずだけどあと一か月しかないよ?」と心配する声もあがっています。中国と同じく、台湾でも日本のアニメが人気を集め、その人物設定を深く理解している熱量の高いファンが存在することがわかります。

まとめ:台湾は改元を面白おかしく見ている

台湾メディアSNSをチェックしてみると、令和という元号や平成の終わりを面白おかしく眺めている様子が見えてきました。

岐阜県の平成(へなり)が元号の平成とかけて「平成(へいせい・へなり)の空気」を缶に詰めて1,080円という価格で販売するというニュースは、現地の地上波でも取り上げられかなり「ウケ」が良かったことがわかります。

同時に、令和時代の日本人が不都合な目に合わないかを心配するような、親身な姿勢が見られます。

現地で展開されている新元号に関連した話題は、日本の報道やSNSの話題に端を発するものも多くありました。台湾において、日本の流行や最新情報が注目されてることの表れでしょう。

台湾人に対するインバウンド集客においては、こうした台湾人の基本的な性格やインターネット上の情報の流通経路をよく理解して取り組むことで、より大きな成果を手にすることができるでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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