「ベジタリアン」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか?いまいちその実態を掴めていない人も少なくないのではないでしょうか。
ベジタリアンの背景には、アレルギーや病気など健康のため、自身の考え方、環境のため、宗教、スピリチュアルなど、理由はさまざまです。
まずは、ベジタリアンについて基本的な定義や、現状の対策など理解を深めることが大切です。
日本では、訪日外国人の増加につれて、ようやく用語として「ベジタリアン」や「ヴィーガン」が浸透し始めてきましたが、まだ対応事例はそこまで多くないのが現状でしょう。一方でお隣台湾では、「台湾素食」がにわかに注目を集めています。
「素食」とは中国語で菜食的な意味に似ており、たとえば「外見はどう見てもマグロの寿司なのに一切マグロ(動物性の食品)は使っていない」というネタが回る回転寿司が存在するなど、その工夫と徹底ぶりに驚かされます。
この記事では、ベジタリアンやビーガンの違いから、ベジタリアン向けレストランの事例などを踏まえながら、「ベジタリアン」について詳しく紹介します。
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ベジタリアンとは?
「ベジタリアン=野菜だけを食べる」といった、ざっくりとした認識を持っている人は少なくありません。ベジタリアンとは、菜食主義者といった定義づけのなかで、大まかに3つに分類化されます。多様化する食文化のニーズに対応すべく、正しい知識を身につけておきたいところです。
ここでは、ビーガンとの違いなど、ベジタリアンの定義を詳しく解説します。
今さら聞けない!ベジタリアンには種類がある
ベジタリアンとは、肉や魚などの動物性食品をとらず、野菜・芋類・豆類など植物性食品を中心にとる人を指します。そのなかでも、次の3つに分類化されます。●ベジタリアンの分類
・ラクト・オボ・ベジタリアン(Lacto-Ovo-Vegetarian):植物性食品、卵、蜂蜜、乳製品を食べる
・ラクト・ベジタリアン(Lacto-Vegetarian):植物性食品、蜂蜜、乳製品を食べる
・ビーガン(Vegan)/ピュア・ベジタリアン (Pure-Vegetarian:純粋菜食):植物性食品のみを食べる
上記以外で、植物性食品と魚、卵、乳製品は食べるペスコ・ベジタリアン(Pesuko-Vegetarian)、鶏肉を食べるポーヨー・ベジタリアン(Poyo Vegetarian)などがあります。しかし、国際ベジタリアン連合(IVU)は、それら多くのタイプをベジタリアンと認めていません。
ベジタリアンとビーガンの違いは?
ベジタリアンの語源は、ベジタブル(野菜)という意味が由来ではなく、ラテン語のvegetus「健全な、新鮮な、元気のある」という意味を持ちます。「ベジタリアン=野菜だけを食べる」と認識している人も少なくありません。実際には、ベジタリアンという菜食主義者という大枠のなかに「ビーガン」といった、動物の肉(鳥肉・魚肉・その他の魚介類)、卵・乳製品を一切食べず、植物性食品のみを食べる人たちが分類されているのです。
ベジタリアン向けメニューを提案する3つの必要性
「和食:日本人の伝統的な食文化」と題して、2013年、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されました。これを皮切りに、日本のレストランは多くの訪日外国人観光客に高い人気を集めています。インバウンド市場が旺盛するなか、飲食店におけるベジタリアン向けの対策が必要となっています。ここでは、日本のレストランがベジタリアンへの対応をするメリットを3つのポイントに絞って紹介します。
あらあゆる食文化に対応できる
訪日外国人に人気の高い日本のレストランですが、さまざまな国には宗教や文化的に食文化が異なることは理解しておきたい点です。ベジタリアンには、アレルギーや環境、宗教などの思想など、さまざまな背景があります。これらの食文化のニーズに対応することによって、口コミなどで「ベジタリアン向けのメニューが豊富」と広まることで、集客にもつながります。
顧客満足度アップにつながる
ベジタリアンの人は、宗教やアレルギーなどさまざまな理由で、限られたものしか食べることができません。ベジタリアン向けの対策として、メニュー表で原材料を分かりやすく説明することや、ベジタリアン向けの豊富なメニューを展開することで、顧客満足度アップにつながります。「ベジタリアン対応」ということがお店の付加価値になる
訪日外国人の増加や、健康志向の上昇にともない、ベジタリアン向けのメニューを求める人たちが少なくありません。ベジタリアン対応が可能なホテルやレストランでは、メニューやホームページにおいて、「ベジタリアン対応が可能です」、「ハラル料理(イスラム法における合法的な料理)が提供できます」などの案内をすることで、お店の付加価値となり、集客へと繋がります。ベジタリアン対応のメニューを提供しているカフェ・レストランの事例3選
ここまでベジタリアンの定義やベジタリアン対策の必要性について説明しました。では、実際にベジタリアン向けとして、どのようなレストランがあるのでしょうか? 都内のおすすめベジタリアン向けのレストランやサイトを事例をふまえて紹介します。
ヴィーガンやベジレストランの情報が満載の「Happy Cow」
「Happy Cow」は、世界中のユーザーによって寄せられたベジタリアンのレストラン情報サイトです。2019年4月現在、都内のレストラン情報1179件をはじめ、全国各地のベジタリアン向けレストランを紹介しています。 英語のみの情報サイトですが、日本のベジタリアン向けレストランの掲載件数はトップレベルを誇ります。
▲[Happy Cow トップページ]:Happy Cow HPより引用
ヴィーガン・マクロビオティック・ローフードを提供する「パプリカ食堂ヴィーガン」
大阪にある「パプリカ食堂ヴィーガン」は、ビーガン向けのメニューやマクロビオティック、ローフードなど、動物性食品を全く使わないメニューを提供しているレストランです。ベジタリアンの人たちだけでなく、化学調味料や過剰な添加物などを使用しないなど、健康志向の女性などからも人気が高いレストランです。ヴィーガングルテンフリーケーキなどデザートもあり、メニューの豊富さも人気の一つといえます。
▲[パプリカ食堂ヴィーガン Twitterトップページ]:パプリカ食堂ヴィーガン Twitterより引用
ベジタリアン向け情報サイト「Vegewel(ベジウェル)」
「Vegewel(ベジウェル)」は、ベジタリアン、ヴィーガンに対応したレストラン情報をメインに配信しているサイトです。英語と日本語に対応しており、「ベジタリアン(肉・魚介なし)」、「ビーガン(肉・魚介・乳・卵なし)」など、検索項目が分類化されているのが特徴です。日本全国のベジタリアンに対応したレストランを掲載しているほか、ベジタリアン料理のレシピや作り手にもフォーカスをあてた記事も掲載。ベジタリアン向けに多彩なコンテンツが掲載されています。
▲[Vegewel(ベジウェル) トップページ]:Vegewel(ベジウェル) HPより引用
まとめ:多様化する食のニーズに柔軟に対応して集客力アップ
インバウンド市場の旺盛によって、訪日外国人が増加しています。さまざまな国の食文化の背景から、ベジタリアン向けやハラルフード対応など対策をすることによって、それらのニーズに柔軟に対応することができます。ベジタリアン対策は、インバウンド対策として、さまざまな国の食文化に対応し、多様化する日本人の食生活に対しても対応することができます。それだけでなく、健康志向の日本人に対してもアプローチできるメリットがあります。ベジタリアン対策をすることで、お店の付加価値がつき、さらなる集客や売上アップが期待できるでしょう。
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