【猫の島】世界40億回再生のエド・シーラン楽曲が、福岡県の小島にインバウンド客を呼び込む

【猫の島】世界40億回再生のエド・シーラン楽曲が、福岡県の小島にインバウンド客を呼び込む

福岡県の北西、玄界灘に浮かぶ相島は、猫の島として世界的に知られる1周6キロほどの小さな島です。福岡空港に向けて島の上を旋回する飛行機から見下ろすと、ハート型の島の形がはっきりとわかります。

近年は猫の島として世界的に知られ、訪日外国人観光客も多く訪れる福岡県の観光スポットとして有名です。地元自治体や鉄道会社が協力し、観光客誘致の取り組みが継続的に実施されています。


相島とは

相島(あいのしま)は、人口およそ300人の小さな島です。この島には古墳時代に人が住んでいた形跡があり、島の北東の浜には「積石塚」と呼ばれる古墳があります。平成4年に見つかったこの古墳は、平成13年に国の指定史跡になりました。

中国と九州の間にあることから古くから知られていたようで、万葉集にも登場する歴史ある島です。豊臣秀吉も朝鮮出兵の際に立ち寄っています。その時、航海の安全と戦勝を祈って積み上げた石は現在も残されており、「太閤潮井の石」と呼ばれています。

島にはたくさんの猫が自由気ままに生活していて、島を訪れる観光客をフレンドリーに出迎えてくれます。島の猫はとても人懐っこく、時には自ら観光客の膝に乗って寝てしまうほど。そんな愛らしい姿で人々を魅了しています。

▲相島の猫
▲相島の猫

きっかけはCNN

相島が世界的に有名になったきっかけはアメリカのCNNの報道でした。「世界6大猫スポット」中で、宮城県の田代島とともに取り上げられたのです。その後、英字新聞のジャパンタイムズでも「Cat Heaven Island(猫の天国)」として紹介されています。

世界に向けて行われてた相島PR作戦

2017年8月、相島を管轄する新宮町役場は世界に向けて相島をPRするため、猫好きを公言しているイギリスのシンガーソングライター、エド・シーランに向けたビデオレターを作成して話題を集めました。

エド・シーランは今年2019年4月に、日本で初のドーム公演を果たしています。彼の「シェイプ・オブ・ユー / Shape Of You」をBGMに、島の猫の姿をスタイリッシュに描いたこのビデオレターはエド・シーラン本人に届き、Facebookで「ありがとう相島、是非いつか訪れてみたい」というコメントが投稿されたそうです。

「シェイプ・オブ・ユー / Shape Of You」のミュージック・ビデオの全世界での再生回数は、現在40億回を超えています。日本国内のストリーミング・サービスでも1億回再生を達成し、日本のストリーミング・サービスで1億回を突破した初の楽曲となっています。

地元の西鉄も相島をPRするイベントを実施

▲西日本鉄道プレスリリースより引用
▲西日本鉄道プレスリリースより引用


相島へ向かうフェリーが発着する渡船場の最寄り駅を管轄する西鉄電車は、新宮町おもてなし協会とタイアップし、2018年3月から西鉄貝塚線でラッピング電車「にゃん電」を運行しています。

車体の外装は相島の猫や新宮町の特産品をモチーフにしたイラストで彩られ、車内にも猫のステッカーがそこかしこに貼ってある愛らしい電車です。にゃん電の車内アナウンスは、車体デザインの説明や相島の紹介など、ほかの電車とは異なる内容になっています。

また2018年8月~11月までの間、『にゃん電に乗って相島へ行こうキャンペーン』を実施し、国内外の観光客の誘致を行いました。このキャンペーンは前年に引き続き2回目の実施で、貝塚線を利用して相島を訪れる人を対象にスタンプラリーを実施し、アンケートに答えると特典がもらえるというものです。

2017年は特性缶バッジのプレゼントおよび「島の駅あいのしま」では10%の割引が受けられるという内容でした。2018年は特典がパワーアップし、次回利用できる西鉄電車とフェリーの片道乗車券がセットになった「またくるにゃんきっぷ」が追加され、リピーターの増加につなげる施策となっています。

ターゲットに刺さるきっかけを発信、地方へのインバウンド誘致を

相島は猫の島として海外メディアに取り上げられたことから、世界的な注目を集める観光スポットとなりました。島には遺跡や通称めがね岩と呼ばれる海食洞などもあり、観光資源が豊富です。近年は観光客のマナー向上のために多言語表示などの対応も進んでいます。

猫をきっかけに島を知ってもらい、島の豊かな自然や史跡に触れてもらうことでファンを増やし、地元の活性化を図っています。


<参照>
西日本新聞:相島は猫島である CNN報道 世界聞き耳 乗船客にゃんと1万人増

西鉄プレスリリース:西鉄電車に乗って相島へ行こうキャンペーン

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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