【事例アリ】大衆点評とは | 中国口コミサイト・6億人のユーザー・サービスの登録方法・事例を紹介

公開日:2019年05月29日

2018年、訪日外国人観光客が史上初の3,000万人を突破しました。そのうち約3割が中国からの観光客です。

2019年1月には訪日中国人に対するビザ発給要件の緩和が行われ、今年はさらに加速して中国人観光客が増加するとも見られています。

中国では年初の新EC法の施行や、「理性的な消費」といったスローガンの広まり、富裕層におけるオリジナルな旅行体験への需要の高まりなど、様々な環境とトレンドの変化が現れています。特に新EC法による転売目的の商品購入が減少することも考えられ、今後ますます「コト消費」での旅行消費が増えていくでしょう。

この記事では、こうした環境において、訪日中国人の集客を左右する「口コミ」に関連するサービス「大衆点評」について解説しました。基本情報、そしてこの中国最大の口コミ投稿サイトを活用したプロモーションにより得られる効果や、実際の事例についても介します。


大衆点評とは?

まずは大衆点評とはどんなインターネットサービスなのか、詳しく解説します。

中国で最大規模を誇る口コミサイト、訪日中の利用も一般的

大衆点評(たいしゅうてんぴょう/ダージョンディエンピン)とは、世界中の店舗情報と消費者によるレビューを掲載する、中国最大の口コミ投稿サイトです。中国の美団点評社により、2003年4月にサービスが開始されました。

グルメの情報が充実していることから「中国最大のグルメナビサイト」とも評され、日本の「食べログ」に近いとされています。

アプリ大衆点評のトップページ(東京)グルメ、ショッピング、宿泊施設、観光スポット、ドラッグストアといったカテゴリが確認できる。
▲アプリ大衆点評のトップページ(東京)グルメ、ショッピング、宿泊施設、観光スポット、ドラッグストアといったカテゴリが確認できる。

あるレストランのトップページ。営業時間やお薦め料理、口コミが確認できる。予約機能もある。
▲あるレストランのトップページ。営業時間やお薦め料理、口コミが確認できる。予約機能もある。

ただし、掲載店舗はレストランに限りません。ショッピング、エンタメ、ホテル、サロン、クリニックなどさまざまな業種で合計3,300万件以上にのぼります。

日本の展開エリアは東京・大阪・京都・名古屋・北海道を中心に30エリアを超えており、50万店舗が登録されています。大衆点評の日本総代理店によれば、訪日中国人の約45%が使用しているそうです。

登録された店舗のページから、店名、住所だけが大きく表示される機能もあり、これをタクシー運転手に見せるといった使い方もされていると考えられます。

お店のトップページで住所わきの「カード」アイコンをタップすると表示される店名と住所
▲お店のトップページで住所わきの「カード」アイコンをタップすると表示される店名と住所

登録ユーザー数6億人の巨大マーケット

同じく大衆点評の日本総代理店によれば、同サービスの登録ユーザー数は6億人、月間アクティブユーザーは2.5億人です。登録の店舗数、ユーザー数どちらをとっても、非常に普及しているサービスと言えるでしょう。

また、その数を日本の口コミサイトと比べた場合、このサービスの中には非常に大きなマーケットが形成されていることがわかります。

FITの増加でSNSやブログ型メディアの重要性高まる

近年、訪日中国人のFITが増加し、それにより旅行産業におけるSNSやブログ型メディアの重要性がより高まっています。FIT(Foreign Independent Tour)とは個人手配の海外旅行を意味し、従来の団体旅行とは異なり行先を旅行者自身で決定できることが特徴です。

こうした環境で、訪日中国人がどのように行先を決定しているのかについて解説します。

訪日中国人観光客のインバウンド市場は団体から個人旅行にシフト

近年、中国からの訪日観光客において「個人旅行化」が進んでいます。2017年3月に発表された観光庁の調査結果によると、個人旅行の割合は2010年には22.5%でしたが、査証(ビザ)の要件緩和などで2016年には50%を超えました

訪日中国人のFIT層はリピーターが多く、消費額や地方訪問率も高いため、インバウンド関連事業を行う組織にとっては1人当たりの利益が高くなります。こうした理由から、観光業界で訪日中国人FIT層は注目を集めています。

FIT(海外個人旅行)はSNSやブログで情報収集

口コミを重視する中国人は、検索エンジンやSNSだけでなく、購買チャネルであるOTA(オンライントラベルエージェンシー)のサイトに掲載されている口コミも参考にしながら、旅先での過ごし方を検討します。

特に、周囲と差別化を図りたいという思いが強く、まだあまり他人が経験したことのない旅行を求めている個人旅行(FIT)層は、「UGC」つまりユーザーによるオリジナルのコンテンツが見られるサイトやアプリに価値を見出しています。旅行記というコンテンツが集積される「馬蜂窩(Mafengwo/マーフォンウォー)」や「穷游(Qyer)」はこうしたサービスの代表で、ブログ型メディアとも呼ばれます。

旅マエの情報収集においては、SNSのWeiboWeChatでの口コミに加えてこれらサービスの存在感も高まっています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

訪日中国人FIT層へリーチ!中国の旅行記サイト「Mafengwo」や「Ctrip」のユーザーのカキコミは大ボリューム&具体的で

こんにちは、クロスシー編集部です。前回は中国における旅行関連のオンラインサービスについてご紹介しました。今回はその中でも、旅行にオリジナルな体験を求めるFIT層の需要とマッチする「体験記」について、Mafengwo(马蜂窝)の実際のコンテンツから紹介します。目次Mafengwo(马蜂窝)の「游記」「攻略」のボリューム、Q&Aから見えてくる旅マエ(旅行準備中)のユーザー事情・ニーズQ&Aも活発:具体的&個別的な深掘り質問と回答が満載パワーブロガーの「游記」が実際の集客につなが...

大衆点評ももちろん、こうした層のニーズに応えるようなUIとコンテンツを用意しています。トップページには話題になっているトピックが並び、その下にはユーザーが投稿するお薦めの情報が表示されています。

口コミサイト大衆点評のFITにおける利用率は?

中国政府のデータによると、日本を訪れる中国人FITの30%以上が旅行前に大衆点評のレビューを参考にしています。大衆点評に掲載されるだけでも集客の可能性が高まりますが、SNSやブログと併用して情報を発信するとより効果的であると言えるでしょう。

事例3選:大衆点評を活用したインバウンド対策

続いて、大衆点評を活用してインバウンド対策を行った事例を紹介します。

1. 株式会社大庄、事前決済型のコース販売を4店舗で導入

「庄や」など海鮮料理を中心としたメニューをリーズナブルな価格で提供している株式会社大庄は、2019年1月15日より大衆点評「ウォークインチケットサービス」(事前決済型のコース販売)を導入しました。訪日中国人客の多い4店舗に適用し、訪日中国人をターゲットに「和食」をリーズナブルな価格で楽しめる店として訴求していく狙いです。

翌日16日からはQRコード決済「Alipay」(アリペイ)と「WeChatPay」(ウィーチャットペイ)も10店舗で追加導入し、現在合計40店舗で同サービスによる決済を可能としています。

2. ラーメン店「一蘭」道頓堀店は6,800件以上、新宿中央東口店は4,200件以上の口コミを獲得

大衆点評の日本に関連した登録先のうち、最も多くの口コミを獲得しているラーメン店が「天然とんこつラーメン専門店一蘭」です。2019年5月時点で、道頓堀店は6,800件以上、新宿中央東口店は4,200件以上の口コミが確認できます。

こうした口コミの多さが影響してか、今や一蘭に並ぶ大勢の中国人はよく見られる光景となっています。SNSであるWeiboにもかなりの数の投稿が見られます。
大衆点評に登録されている一蘭の店舗は合計19店舗。最も多い店舗で4,000件を超える口コミがついている(2019年5月8日確認)
▲大衆点評に登録されている一蘭の店舗は合計19店舗。最も多い店舗で4,000件を超える口コミがついている(2019年5月8日確認)

3. うなぎ料理専門店 鰻将本店では売上が前年比15%アップ

新宿に店を構える「うなぎ料理専門店 鰻将本店」では、大衆点評の公式ページの登録を行った結果、中国人客の売上が前年比1.5倍になったといいます(2018年9月時点)。

同店では大衆点評における施策以外にも、訪日中国人が利用したいQRコード決済の導入や接客ツールの利用など中国人観光客が過ごしやすいような環境を作っています、これにより、中国人による売上比率の向上に成功しています。

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大衆点評への店舗登録方法

では、実際に大衆点評に店舗登録するにはどのようにすればよいのでしょうか?

ユーザーはアプリを利用し、携帯電話の番号と連携させて登録できます。携帯電話の番号は日本のものでも問題ありません。

店舗の登録はウェブサイトからこのアプリのアカウントを用いてログインし「商戸中心」から手続きを進めます。ただし、個人アカウントと異なり、身分証や店舗の情報を提出することで取得できるビジネスアカウントを利用する必要があります。

大衆点評への店舗登録には、別途ビジネスアカウントの作成が必要となっている
▲大衆点評への店舗登録には、別途ビジネスアカウントの作成が必要となっている

大衆点評のサービスは日本語に対応していないため、多くの飲食店や小売店にとって、店舗を登録するためのハードルは非常に高いと言えるでしょう。

登録したとしても店舗の情報は中国語で書き込む必要があるため、中国語が堪能で、なおかつネット上でユーザーの目を引くような魅力ある文章が書けるような人材が必要となります。また口コミを受けサービスの改善に生かすにしても、やはり中国語で情報を読み解く必要が生じます。

こうした前提に立って考えると、大衆点評の登録はもちろん、運用を代行してくれる代理店を利用するのが賢明だと言えるでしょう。経験のある代理店であれば、ユーザーを来店につなげるポイントも熟知しており、費用対効果も高まります。

大衆点評を活用し、訪日中国人の客足の増加を

大衆点評は中国国内だけでなく、訪日旅行においても広く活用されていることがわかりました。旅行先での積極的な消費が期待できるFIT層でも大衆点評のレビューを参考にしていることから、インバウンド市場での訪日中国人による売上拡大に効果的なツールと言えます。

大衆点評への掲載で宣伝や集客にも効果的ですが、大衆点評を活用しているお店はプロモーションだけでなくキャッシュレス化など店内環境の改善にも取り組んでいることがわかりました。

大衆点評を他のプロモーションツールやインバウンド対策と併用することで、より多くの訪日中国人の集客が可能となると言えるでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!