東京オリンピックのスポンサーで得られるメリットとは?デメリットは?延期でどうなる?

※新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年延期され、開会式は2021年7月23日(金)、閉会式は2021年8月8日(日)となりました。

世界的な大イベントであるオリンピックを開催するためには、関連施設の建設費や使用料、人件費をはじめとして、莫大な費用がかかっています。

その費用をサポートしている企業こそ、オリンピック・パラリンピックにおいてスポンサーシップ契約を締結している一流企業です。

今回の記事では2020年開催から2021年開催に延期された東京オリンピック・パラリンピックのスポンサーを務めている企業や、そのスポンサーになるメリット・デメリット について紹介します。


東京オリンピック・パラリンピック スポンサーとは?

オリンピック・パラリンピックにも、プロスポーツ競技やテレビ番組と同様にスポンサーが存在します。

世界中の人々が注目するオリンピックのスポンサーになることは決して簡単ではありませんが、スポンサーになることができれば、企業にとって多大な宣伝効果をもたらします。

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※新型コロナウイルスのパンデミックを受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年程度の延期が決定しました。詳細な日程、選考基準などは、公式情報が発表され次第、順次更新します。2019年5月末で、2020年夏に開催される東京オリンピックまで残り420日となります。各種競技や開閉会式を観覧するための抽選エントリーが開始され、いくつかは落選することを見込み数十万円分のチケットを申し込む姿がSNSにもアップされています。チケットは抽選販売を予定しており、一次抽選の申込期限は本日5/28日(...


スポンサーシップの目的は?

通常、スポンサーといえば大会の運営資金や選手のサポートを募る目的で募集されますが、オリンピックにおけるスポンサーシップの意味合いはそれだけにとどまりません。

ここでは2021年に延期された大会に関するスポンサーシップ情報はまだ出ていないため、2020年に行われる予定さった東京オリンピックに関してのスポンサーシッププログラムについて紹介します。このプログラムは「4つの目的」と「2つの目標」に向けて実施されます。

「4つの目的」とは、大会運営費の調達、オリンピック・パラリンピックのブランド向上、オリンピック・パラリンピックに向けたムーブメントの推進、日本選手団の国際競技力の向上で、その先にある「2つの目標」は「マーケティング総収入の最大化」と「オリンピック・パラリンピックに向けたムーブメントの促進」です。

上記の指針からは、オリンピックにおけるスポンサーシップの目的は、権利活用によってスポンサー企業、大会の双方が潤い、盛り上がることであるとわかります。

スポンサーシップは4種類

一口にスポンサーシップといっても、その提携方法には様々な形態があります。

東京オリンピックにおいては、ワールドワイドオリンピックパートナー、東京2020オリンピックゴールドパートナー、東京2020オリンピックオフィシャルパートナー、東京2020オフィシャルサポーターの4つがあり、この4つの区分はパラリンピックにおいても同様に定められています。

全世界にそのワールドワイドオリンピックパートナー、その下に各国・地域のオリンピック委員会(NOC)のスポンサーや大会組織委員会(OCOG)のスポンサーという構図になっています。

東京2020スポンサーシッププログラムでは、スポンサーシップについてTier 1、Tier 2、Tier 3の3つのレベルのパッケージを用意しており、2015年1月以降、契約締結日から2020年12月31日まで日本国内限定のスポンサーを募集しています。

自社のブランドの広告とオリンピックへのリンクといった権利行使ができる範囲が異なったり(全世界なのか日本国内のみなのか)、公益財団法人日本オリンピック委員会の公式サイトにロゴの掲載があるかないかなどに違いがあります。また権利行使が可能な期間はスポンサーレベルによって異なります。

▲[東京オリンピックスポンサーシップの構造]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HPより引用
▲[東京オリンピックスポンサーシップの構造]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HPより引用

2020スポンサー企業、原則として1業種につき1企業

東京オリンピックにおいてスポンサーシップ契約を締結している企業は、アサヒビール、ASICS、キャノン、富士通、明治、LIXILなど80社以上ありますが、原則として1業種につき1企業とされています。

しかし、国際オリンピック委員会と協議の上、特例として認められた場合に限り、同業種での2社共存、または3社以上での複数共存をしているスポンサー企業もあります。

世界的な一大イベントという規模に加え、それぞれの企業がオリンピック・パラリンピックのブランドイメージを担っているという側面もあり、広く周知されている一流企業が多く名を連ねています。

▲[東京オリンピックスポンサーシップの構造]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HPより引用
▲[東京オリンピックのスポンサー]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HPより引用
▲[東京オリンピックのスポンサー]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HPより引用
▲[東京オリンピックのスポンサー]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HPより引用

スポンサーになるメリット・デメリット

世界的な規模で行われる大会のスポンサーに就任することで企業の宣伝になることはもちろんですが、オリンピック・パラリンピックのスポンサーになることで、具体的にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

既に十分な知名度を得ている大企業でさえ、スポンサーシップ契約を締結している状況を鑑みると、そのメリットは宣伝効果だけではないと考えられます。

以下では、スポンサーシップのメリット・デメリットについて紹介します。

スポンサーになるメリット

スポンサーになるメリットとして、まず挙げられるのが様々な権利を得られることです。

例えば、呼称の使用権、マーク類の使用権、商品やサービスのサプライ権、大会関連グッズのプレミアム利用権、大会会場におけるプロモーションがこれにあたります。

スポンサーになることで、オリンピックパッケージの限定商品を販売することもできますし、大会会場でプロモーション映像を流すこともできます。

世界中の人が注目しているイベントで、自社のブランドや商品のプロモーションができることはもちろん、オリンピック・パラリンピックのスポンサーという、ごく一部の企業にしか任せることのできない大役を担っていることは、信頼の厚い優良企業の証であり、名誉です。

また、オリンピック・パラリンピックの大会運営の中で、自社の技術を活かせるシーンがあれば全世界への大きなアピールにもなりうるでしょう。

スポンサーになるデメリット

一見メリットばかりのようにも思えるスポンサーシップですが、当然デメリットもあります。

スポンサーシップ契約を締結するにあたり、唯一のデメリットとして挙げられるのが高い契約料です。

契約料はスポンサー企業との契約で決定され、それぞれの企業が契約を締結した際の、具体的な契約金額については守秘義務があるため非公表となっていますが、概算金額については知ることが可能です。

ワールドワイドパートナーはTOPパートナーとも呼ばれ、国際オリンピック委員会(IOC)と契約を締結します。

10年契約で1社あたりの契約額は、1年で平均約26億円と言われています。

ゴールドパートナーは、日本オリンピック委員会(JOC)と契約を締結し、オフィシャルパートナーより契約料が高いです。

その分、オフィシャルパートナーよりも特典が多く、主な特典としては企業の宣伝としてJOCのシンボルアスリートを利用できること、JOCホームページに企業ロゴを掲載できることなどがあります。

オフィシャルパートナーは、ゴールドパートナーと同様に日本オリンピック委員会(JOC)と契約を締結します。

契約期間は最長6年契約で、契約額は1社につき10~30億円と言われています。

スポンサー企業のそれぞれの目的、3つの例

莫大な額の契約料を払ってでもスポンサーシップ契約を締結したいと望む企業は数多存在するわけですが、スポンサー企業はどのような目的のもと、スポンサーシップ契約を締結しているのでしょうか。

ここでは、日清食品グループ、ブリヂストン、パナソニックの3スポンサーについて、企業概要、スポンサー契約の目的、オリンピック・パラリンピックにおけるサポート、貢献内容を紹介していきます。

1. 日清食品グループ

日清食品グループは、1958年に世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発売した業界のパイオニアであり、創業者・安藤百福が掲げた「食とスポーツは健康を支える両輪である」との思いのもと、さまざまなスポーツ活動を支援しています。

「HUNGRY TO WIN (世界に、食ってかかれ。)」のスローガンのもと、スポーツを通じてチャレンジ精神を沸騰させるスポーツマーケティングを展開しています。

マーケティング展開とともに、「2020年度 時価総額1兆円」を目標に掲げ、食文化を革新する「EARTH FOOD CREATOR」として、様々な「食」の可能性の追求、夢のある美味しさの創造を目指しています。

長期的な目標としては、今以上に、人類を「食」の楽しみや喜びで満たすことを通じて、社会や地球に貢献していくことを挙げており、オリンピック・パラリンピックにおいても「食」を通じたサポートが期待されます。

2. 株式会社ブリヂストン

ブリヂストンは、世界最大手のタイヤメーカーで、毎年更新している5カ年中期経営計画において「業界において全てに『断トツ』を目指す」目標を掲げています。

オリンピック・パラリンピックのスポンサーシップ契約締結の目的については、地域、性別、世代を問わず、高い認知度を持つオリンピックという場において、主力製品のタイヤをはじめ、免震ゴム、自転車などをアピールすることで、ブランド戦略を実現することを挙げています。

津谷正明最高経営責任者(CEO)は「五輪の『より速く、より高く、より強く』とい うモットーは、我々が目指す企業像に通じる」と説明しており、「IOCとのパートナーシップは、真のグローバル企業を目指す上で不可欠な投資である」とオリンピック・パラリンピックに対しスポンサーとして出資することの意義を強調しています。

3. パナソニック株式会社

家電で知られるパナソニックは、大阪府に本社を構える電機メーカーです。家電の開発販売を行うエレクトロニクス分野を中心に住宅、車載設備なども手がけていますす。

2018年平昌パラリンピックの会場に納入した360度ライブカメラで、新たな観戦スタイルへの取り組みをサポートしたことで話題になりました。

実は、パナソニックは日本企業で初めて国際パラリンピック委員会との最高位スポンサー契約を締結した企業でもあります。

オリンピック・パラリンピックにおいては、“Sharing the Passion”のスローガンのもと、大会運営、アスリートのサポートを行なっており、オリンピックやパラリンピックを通じて生まれる感動を、世界中の人々と共有することを最たる目的としています。

スポーツを愛するすべての人の思いをひとつにすることを目指し、最先端の技術とソリューションで、世界中に感動を届けることこそ、パナソニックに託されたスポンサーとしての役割であるといえます。

東京オリンピック日程いつから?

※新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年延期され、開会式は2021年7月23日(金)、閉会式は2021年8月8日(日)となりました。2019年3月、東京オリンピック開催まで500日を切りました。また4月にはパラリンピックまで500日の節目の日となっています。2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会では、史上最多の33競技・339種目が42もの競技会場で開催されます。4月には東京オリンピックの競技日程が発表されました。今月5月9日には競技観...

大会延期決定でどうなる?スポンサーシッププログラム

東京2020オリンピック・パラリンピックの開催が約1年の延期となり、スポンサーシッププログラムはどうなるのでしょうか。

スポンサー契約を結んでいる企業の中には新型コロナウイルスの影響が業績にも出てしまっているところもあるため、契約期間延長に伴う追加費用が発生した場合は継続できないことも考えられます。本来スポンサー契約は2020年12月31日までとなっており、契約延長の手続きが必要となる見込みです。

大会の延期で会場や宿泊先の再確保、組織委員会のオフィス賃料など多額の追加費用が必要になるためこの負担を誰がするのか、スポンサー関係者の間では「追加費用を迫られる」との懸念が強いようです。

現在のスポンサーは大会開催に向けキャンペーンなど多額の資金を費やしていることもあるため、すべて無駄になるわけではないが、来年も同じことを最初からやり直すのかという声も聞かれます。

東京オリンピックの開催にはスポンサーが不可欠

今回の記事では、様々な観点からオリンピックのスポンサーについて言及しましたが、オリンピック・パラリンピックの開催にはスポンサーの存在が不可欠です。特に延期の決定により、さらにお金が必要になるとの見通しです。

また、スポンサーとなる企業側も、それぞれに目的意識、意義、プロモーションを考慮し、出資をしています。

互いがメリットを享受しあう、このwin-winの関係こそが現代のオリンピックを支えている基盤となっています。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!