2018年の訪日韓国人数は753万9,000人(前年比5.6%増)となり、過去最高記録を更新しました。国籍別では中国の838万人に次いで多くなっています。
もともと、インバウンド市場では訪日韓国人は大きな市場でした。2014年までは年間の訪日中国人数よりも訪日韓国人数の方が多く、伸び率も20%台が続く期間や40%台の年度も複数回存在します。
現在では伸び率は1桁にとどまっていますが、今後もLCCの増便や物理的な距離の近さなどが要因となって、インバウンド市場における訪日韓国人の存在感は変わらず大きいままと考えられます。
こうした訪日韓国人市場に向けたプロモーションは、インバウンド市場の盛り上がりにおける経済的成長を描くにあたり、欠かすことのできない戦略の一つと言えるでしょう。
では、訪日韓国人に向けたプロモーションを行っている観光関連のメディア(観光メディア)にはどのようなものがあるのでしょうか。この記事では、訪日韓国人に訴求できる観光メディアについて、その選び方や実際の媒体を紹介します。
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訪日韓国人が閲覧する観光メディアは集客効果がある?選ぶ際のポイントは?
まずは、訪日外国人向けのメディアを利用した認知度を向上させる手段について説明します。
訪日韓国人が接触すると考えられる、観光関連のメディア(観光メディア)へ、ウェブサイトであればバナー広告を出稿したり、また紙媒体・ウェブサイトを問わず、記事広告やタイアップ記事を掲載することが考えられます。訪日旅行を検討している韓国人が接触するメディアで露出を増やすことで、認知度を高めることができます。
広告を出稿する際に重要なのは掲載先の媒体です。効果的な集客が期待できる「観光メディアの選定」する際の3つのポイントを見ていきましょう。1. メディアの認知度
韓国の観光メディアを選ぶポイントの1つ目は、韓国でのメディアの認知度です。韓国はハングルを用いた韓国語を母国語とします。そのため英語や中国語ページを設けられたサイトが、韓国人向けに認知度があるメディアとは必ずしも言えません。韓国人の言語や行動様式に対応できているか、そして認知度があるかどうかは、選定基準の大きなポイントといえます。
2. メディアの内容の適性
次に、韓国の観光メディアで広告を出す際、メディア適性が重要なポイントとなります。まずは、そのメディアがどのようなジャンルであるかを意識しましょう。たとえば、韓国人に向けて「美顔器」をプロモーションしたい場合、温泉などのレジャーコンテンツを主に取り扱うメディアに広告を出しても効果は見込めません。
メディアの「特色」をしっかりと見極めることが必要です。
3. PVや伸び率
韓国の観光メディアを選ぶポイントの3つ目が、「メディアのPV・伸び率」です。単純にPVが多ければ多いほど、リーチする対象が増えます。インバウンド市場の盛り上がりにより、昨今多数のメディアが誕生しました。中には、知名度はあるがどのような実績があるのかわからない場合もあるでしょう。
新興メディアの場合には、PVの伸び方について情報を集めるのもいいでしょう。訪日韓国人向けのプロモーションにおける実績も、一つの判断基準になります。
訪日韓国人にリーチできる観光メディア&ソリューション5選
韓国で人気の観光メディアを5つ厳選してご紹介します。
1.LIVE JAPAN PERFECT GUIDE TOKYO
「LIVE JAPAN PERFECT GUIDE TOKYO」は、月間250万ユーザーが利用する訪日外国人向け観光情報サービスです。公式Facebookアカウントのフォロワー数は120万人、掲載施設数5,900施設を超える情報を掲載し、特に台湾・韓国からのアクセスが多いのも特長のひとつです。
旅前の旅行準備段階から旅中シーンまで、日本の「いま」の情報をリサーチしているユーザーにリーチすることに注力し、韓国語による投稿記事数は1,200本の実績を誇ります。2. SAVOR JAPAN
「SAVOR JAPAN」は、2015年にヒトサラ外国語版としてリリースされた国内最大級の訪日外国人向けグルメサイトです。外国語表記は、4ヶ国語(英語・中国語・台湾語・韓国語)に対応しています。
「savor」には、「味わう」「風味」という意味があります。日本の食に関するマナーや文化を、外国人へ伝えるグルメ情報ウェブサイトとなっています。
ユーザーには比較的可処分所得の高い外国人が多く、ウェブサイトやアプリから予約を完了できます。また各言語に対応したオペレータが各国のユーザーからの問い合わせに対応します。インバウンド集客の強化に効果的です。
3. Bridge One Asia
「Bridge One Asia」は、訪日韓国人観光客向けに特化したインバウンドソリューションを提供しています。訪日韓国人観光客向けの施策としては、韓国人インフルエンサーの招聘、韓国最大手のインターネット検索ポータルサイト「NAVER(ネイバー)」による検索SEOや、訪日直前の旅行者向けプロモーションなどが強みです。
4. Japan Made
「Japan Made」は、日本のモノづくりの質の高さや文化、素晴らしさを伝えるために生まれた分散型動画メディアです。2016年9月にFacebookおよびInstagram上でサービスリリースし、着実にファン数を増やしています。
2019年5月現在、Facebookファン数は約19万人を超え、うち、9割以上が外国人ユーザーとなっています。
5.BLOOM STREET
「BLOOM STREET」は、訪日韓国人、韓国人留学生向けの韓国Webマーケティングサービスを提供しています。韓国で4,000万人の会員を保有する検索エンジンNAVER(ネイバー)に対応するウェブサイトのSEO対策と翻訳をサポートし、NAVERが手がけるブログや知恵袋サービスでの露出強化を図ります。また、ソーシャルメディアの利用度が日本よりも高いと言われる韓国人に対し、InstagramやFacebookでの発信もサポートしています。
韓国人気No.1、ポータルサイト型検索エンジン「NAVER」の活用
韓国向けの観光メディアを利用した訪日韓国人集客の施策に関連したものでは、韓国最大手のインターネット検索ポータルサイト「NAVER(ネイバー)」の検索結果での上位表示を狙ったSEO施策もソリューションもあります。ここではその検索ポータルサイトのNAVER(ネイバー)や、韓国人のネット利用における主要な概念やサービスを紹介します。
NAVERで日本の情報を得ている韓国人が多い
「NAVER」は、韓国で利用率第1位の検索エンジンです。日本でも、NAVERまとめのサービスでその名を知っている人もいるでしょう。運営するNAVERは韓国最大のインターネットサービス会社です。訪日韓国人、特に若い世代は、NAVERを利用して日本に関連する情報を検索し、その内容を参考にして旅行時の行動を決めていると考えてよいでしょう。
韓国の検索エンジンNAVER(ネイバー)とは
NAVER(ネイバー)とは韓国最大手のインターネット検索ポータルサイトで、韓国国内ではGoogleやYahoo!を押さえて最も利用されている検索エンジンです。韓国にはNAVERユーザーの独自の情報収集文化があるため、それに適したSEO対策が必要です。インバウンド市場にうまく応用し、プロモーションに活用すれば、訪日韓国人の集客を強化することも可能です。この記事では、NAVERについて、そしてNAVERを活用した訪日韓国人の集客について取り上げます。目次NAVERとは?韓国ナンバーワンの検索エ...
ネット上の情報交換の場「カフェ」とは
韓国のネットユーザーが利用するコンテンツに「カフェ」というものがあります。喫茶店などのリアルなカフェとは違い「ネット上での交流の場」を意味します。韓国では、幅広い領域にわたり、ネット上で情報収集したいユーザーに活用される場所となっています。
NAVERカフェ「ネイルドン」とは
NAVERカフェ「ネイルドン」は、ネット交流の場として用いられるカフェの中でも特に人気の高いサイトです。ユーザーは約65万人、書き込み数は95万にのぼります。
ネイルドンには日本旅行に関する書き込みも多くなっています。多くの韓国人が、このサイトから日本に関する情報を収集するなど、訪日旅行のプランニングに役立てています。
もう一つの検索エンジン「DAUM」とは
「DAUM」は1995年に創立した韓国の企業で、ネット交流の場として用いられる「カフェ」を韓国に浸透させたことで知られています。韓国の検索エンジン市場において、DAUMは現在市場トップのNAVERに競う人気ぶりです。30~40代のユーザーに人気が高くなっています。
検索エンジンNAVERの場合、検索窓に入れた単語や文章と完全一致する結果を表示する形の検索しかできません。DAUMは、検索窓に入れた単語や文章と部分一致する結果を検索結果として表示してくれます。こうした点で使い分けがされていることが考えられます。
NAVER、DAUMに関しては下記の記事で詳しく解説しています。
訪日韓国人観光客が情報収集に使う検索エンジン:NAVER、DAUMの2強
訪日韓国人観光客はどのようにして訪日観光の情報を得ているのでしょうか? また、検索エンジンやSNSは何を使っているのでしょうか?韓国はIT技術も発展しているため、検索エンジンは独自の優れたものを利用しています。今回は訪日韓国人観光客の検索手段、情報の発信源について紹介していきます。 目次訪日韓国人観光客の検索エンジン「NAVER」訪日韓国人観光客が利用するカフェとは検索に使われるNAVERカフェ「ネイルドン」ネイルドンは訪日韓国人観光客の必須ツールとなっている韓国の検索エンジンの古株「DA...
観光メディアとNAVER等検索エンジンを活用し効果的なマーケティングを
今回は、訪日韓国人に訴求できる観光メディアについてご紹介しました。観光メディアにも、オリジナルの記事を公開するものやレストランの予約のできるもの、工芸を切り口に動画コンテンツを配信するものなどそのコンテンツは様々です。またSEO対策、ポータルサイト対策、SNS活用といった様々な切り口でも、訪日韓国人へのアプローチができます。
こうした訪日韓国人向けの観光メディア活用の際には、実績も確認しながら、実際に自社でも施策に取り組んでみることで、効果を実感したり、また課題も出きたりするでしょう。
韓国人もインターネットを日常的に利用しており、特にポータル型の検索エンジンNAVERは広く使われています。NAVERカフェ「ネイルドン」や、検索ワードの部分一致の機能でユーザーの需要を満たす「DAUM」など、様々なインターネットサービスを利用して日本に関する情報を収集し、訪日旅行の参考にしていると考えられます。
こうした訪日韓国人がチェックする様々なタイプの観光メディアを総合的に把握することで、より効果的なインバウンドマーケティングを進めることができるでしょう。
中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】
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