インド人の旅行事情、最前線!1,000人以上が参加する"インセンティブツアー"とは?知っておきたい「食事の禁忌」と「ガラディナー」

JTBインドは、インドにおけるインセンティブ旅行の実態について、現地レポートを発表しました。

一度に1,000名以上が参加するツアーもあるほど、インセンティブ旅行の需要が高いインド市場において、日本文化や技術への関心の高まりも顕著です。

今回は、JTBインドのレポートをもとに、インバウンドのインド市場の動向をふまえ、今後のインド向けインセンティブ旅行誘致へのキーワードについて見ていきましょう。


インド人の外国旅行者数は5,000万人!日本文化への関心の高まりも

インドでは、急速な経済発展を遂げていることから、中間富裕層の高所得者が急増し、インド人の外国旅行者数は1992年から毎年前年を上回る成長を記録しています。国連世界観光機関(UNWTO)は、2020年には年間で5,000万人に到達すると見込まれています。

世界各国でインド人旅行者の誘致拡大に向けた動きが活発になっていますが、近隣の東南アジアや中東、インド人に馴染み深いイギリスをはじめとするヨーロッパ諸国が海外旅行先として人気です。

近年では香港・韓国・日本なども、新たな海外旅行先として注目されています。インド人は自国にはない自然風景への憧れがあり、スイスやアイルランド、オーストラリアなどの自然景観に興味を示しているのも1つの特徴と言えるでしょう。

インド人が日本に抱くイメージとして「ハイテクな国」が挙げられます。

インドでは、日本の新幹線方式によるインド初の高速鉄道プロジェクトを進めていることもあり、「経済力、技術力の高い国」「戦後一貫して平和国家の道を歩んできた国」といった印象を持っています。同時に「豊かな伝統と文化を持つ国」というイメージも持っており、「生け花」「茶道」「伝統芸能」といった日本文化への関心も高いです。

インドでは社員への報奨「インセンティブ旅行市場」に需要の高まり

▲JTBのレポート
▲JTBのレポート

インドでは、MICE市場の中でも「インセンティブ旅行」(インセンティブツアー)の需要拡大が顕著です。インセンティブツアーとは、成績優秀な社員や販売店などを対象に、企業が報奨として旅行を提供するものです。

インド企業だけでなく、日系企業や外資系企業の自動車メーカー、家電メーカー、製薬メーカーをはじめ、特に代理店を販売チャネルとする企業にとっては、販売促進の増強のために行う重要な施策の1つです。

年間で2〜5回ほどのインセンティブ旅行を実施する企業が多く、一度のインセンティブ旅行で参加者が30名前後から100名以上のツアー、中には1,000名を超えるツアーも実施されています。非常にツアー規模が大きいのが、インドにおけるインセンティブ旅行の特徴と言えるでしょう。

海外インセンティブ旅行の行き先は、インド人に人気の海外旅行先と似ており、近隣の東南アジアや中東の国々が検討される傾向にあります。バンコク・シンガポール・ドバイなども定番の旅行先です。日印関係は、2005年以降ほぼ毎年交互に両首相が訪問しているなど、友好関係にあると言えますが、インドにおけるインセンティブ旅行先としての日本の認知拡大は今後の課題でしょう。

インド人旅行者へのおもてなし「食事」が鍵に

インド向けのインセンティブ旅行を計画する上で鍵となるのが、インド料理の提供とGala Dinnerの演出と考えられます。インドでは国民の約6割がベジタリアンと推計されており、海外旅行先でもインドの食習慣を厳格に守ろうとする傾向が強いです。

ベジタリアンの中でも卵や乳製品を摂らない人から、不殺生を教義の重要な要素として扱うジャイナ教徒は、肉を食べないのはもちろん、土から掘り起こす際に虫などの生き物を殺す可能性があるといった理由から、根菜類も食べない厳格な人もいます。

インセンティブ旅行を手配する場合には、参加者の宗教や禁忌について詳細を把握し、特に食事の事前手配には気を配るということが必要になってきます。

インド向けのインセンティブ旅行の大きな特徴が「Gala Dinner」(ガラディナー)になります。ガラとは祭典、祝賀などを意味し、海外ホテルでは大宴会場を借り切って開く大規模で豪華なもの多いです。

参加者への日頃の感謝の気持ちを伝える場やコミュニケーションの場として、インセンティブ旅行中に「Gala Dinner」を行うツアーが大半です。

テーマに沿った演出から食事内容、踊ることが好きなインド人の好みに合ったインド音楽に対応できるDJの手配も必須になります。パーティーをいかに盛り上げるかが、インドのインセンティブ旅行を成功させるポイントの1つとなるでしょう。

まとめ:インドのインセンティブ旅行市場拡大に伴い訪日旅行をPRヘ

インドの訪日インセンティブ旅行では、東京・富士山・京都の定番観光地に加え、第二次世界大戦に関心があるインド人旅行者も多いことから、京都とセットで広島を訪れるプランも人気です。

インド高速鉄道に日本の新幹線方式が導入されたことを受け、訪日旅行で新幹線に乗ってみたいといった希望も多い傾向にあります。

今後もインドにおけるインセンティブ旅行の需要拡大が見込まれる中で、渡航先として日本を選んでもらえるよう、インド人の特徴を抑えた魅力的なツアーのPRと受け入れ体制整備が重要になるでしょう。


<参考>

・JTB INBOUND SOLUTION:インド人から新たな旅行先として選ばれ始めた日本

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!