近年、個人の海外旅行や企業や店舗におけるインバウンド対策のシーンで翻訳機が利用されることが増えています。
特に音声認識によって話しかけた言葉を翻訳してくれる音声翻訳機が用いられるケースが多く、ポケトークやiliといった機種が人気を集めています。
両者は人気の高い機種で、法人を対象とした契約実績があります。インバウンド客への情報伝達に正確性が求められる公共交通機関や、購入時に個別のコミュニケーションが販売促進となりうる免税店などで導入されており、その数は増え続けています。
ポケトークはオンライン翻訳で双方向翻訳、iliはオフライン翻訳で一方向翻訳と、その翻訳方式や機能は全く異なります。この記事では、ポケトーク、iliの機能の違いやメリット、デメリットを徹底比較します。
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ポケトーク、ili(イリー)の特徴
音声翻訳機についてはさまざまな機種が発売されていますが、その中でもソースネクストが販売するポケトークとログバーが販売するili(イリー)はかなり人気の高い機種であると言えます。
それぞれの機種にはどのような特徴がありどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
ここでは、ポケトークとiliの概要について解説していきます。
ポケトークとは?
![▲[POCKETALK]:POCKETALK公式HP ▲[POCKETALK]:POCKETALK公式HP](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/3422/main_421e5645cc326b3e70ad53d9a5ae1023.png?auto=format)
ポケトークはソースネクスト株式会社が販売している音声翻訳機です。
ポケトークには初代モデルとして発売された「POCKETALK」と2018年秋に発売された新型モデルの「POCKETALK W」があります。
ポケトークWではタッチパネル対応により直感的な操作が可能になったことに加え、対応言語数も74に増えており操作性、翻訳機能の双方において従来品から進化を遂げています。
また、ポケトークは双方向翻訳が可能です。ポケトークに向かって日本語を話せば外国語に翻訳し、相手が外国語をポケトークに向かって話せば日本語に翻訳してくれるため、外国語話者ともスムーズな対話が可能です。
ポケトークではオンライン通信を利用して翻訳をしますが、世界各国で使用できるグローバルSIMを内蔵したモデルを購入すれば2年間は世界中でポケトークのために整備された4G回線を利用可能です。
iliとは?
![▲[ili]:ili公式HP ▲[ili]:ili公式HP](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/3423/main_5a85d6b249d5b38ae44173b8431e9400.png?auto=format)
iliは株式会社ログバーから販売されている音声翻訳機で、双方向翻訳のポケトークとは異なり一方向翻訳に特化しています。
日本語から英語、中国語、韓国語への翻訳に対応しており独自システムにより0.2秒の高速翻訳を可能にしています。
双方向翻訳や対応言語数ではポケトークに軍配が上がりますが、iliはオフライン翻訳機のため通信状況に左右されずいつでもどこでも翻訳を行うことが可能です。
特にネット規制の厳しい中国ではポケトークの通信がうまくいかないこともあるようですが、オフライン翻訳機であればそのような心配は無用です。
現在では最新モデルとして接客用オフライン翻訳機の「ili PRO」も販売されていますが、この記事では海外旅行などの個人利用に適した従来品のiliについて解説していきます。
ポケトーク、iliを4つの観点から徹底比較!おすすめは?
ポケトークとiliは音声翻訳機の中でも特に人気の2機種で、海外旅行や出張の際にどちらを選ぶべきか比較検討する人も多いようです。
以下では、ポケトークとiliについて価格、対応言語、使いやすさ、翻訳精度の観点から比較して解説します。
1. 価格
2019年6月現在の定価で比較するとポケトークは24,880円(税別)、iliは19,800円(税別)となっておりiliの方が安価に購入することが可能です。
また、24,880円で購入できるポケトークはグローバルSIMの付属しないタイプでWi-Fi環境下のみでの利用となるため、Wi-Fi環境外で利用する場合には別途通信環境を整えるか、29,880円(税別)のグローバルSIM内蔵モデルを購入する必要があります。
2. 対応言語
対応言語数についてはポケトークは74言語、iliは英語、中国語、韓国語の3言語とポケトークの方が圧倒的にリードしています。
また、翻訳機能としてもポケトークでは双方向翻訳ができますがiliでは日本語から外国語への一方向翻訳のみとなります。
3. 使いやすさ
使いやすさについてはどちらも重視されている要素で、ほとんどの操作が簡素化されているため甲乙つけがたいレベルとなっています。
あえて違いを挙げるのであればタッチ操作が主となっているポケトークはタブレットやスマートフォンのように操作したい方に、ボタン1つで操作するiliはとにかくシンプルな操作を求める方におすすめです。
4. 翻訳精度
翻訳精度についてはオンライン通信を利用した情報量、AIによる学習機能を搭載したポケトークにアドバンテージがあります。
iliもオフライン翻訳機の中では高い翻訳精度を誇っていますが、専門用語や抽象的な言葉、長文では細かなニュアンスの違いや不自然な翻訳となってしまうこともあるため商談や交渉、議論を必要とするビジネスユースには不向きであるといえます。
おすすめはポケトーク
iliのコンパクトで軽い筐体は持ち運びには非常に便利ですが、翻訳性能や対応言語数の面ではポケトークの方が優れている部分が多いのは事実です。
海外旅行や短期の出張などで、最低限こちらの意思を伝達することができれば問題ないという場合にはiliもおすすめですが、訪日外国人と意思疎通を図る場合や海外のビジネスシーンで利用する場合にはポケトークを利用するべきでしょう。
ポケトーク、iliの購入方法は?
ポケトークとiliは導入の方法も異なり、iliは購入のみですがポケトークは購入の他にレンタルを利用することも可能です。
ポケトークの購入・レンタル方法

ポケトークを導入するためには購入、レンタルの2通りがありますが公式ページにて導入する場合には個人利用であれば購入、商用利用や業務利用であればレンタルとなります。
個人利用でもポケトークレンタルを行なっている代理店もあるため、海外旅行など一時的な利用の場合にはレンタル利用を検討してもいいかもしれません。
個人購入の場合はトップ画面右上にあるカートのマークから、法人利用の場合には左隣の「法人・報道機関」から購入・レンタル手続きを行うことが可能です。
なお、レンタルの価格は以下の表の通りです。
POCKETALK W |
月額 3,000円 / 台 |
POCKETALK W+専用国内SIM |
月額 4,000円 / 台 |
POCKETALK W+専用グローバル SIM |
月額 5,000円 / 台 |
iliの購入方法

iliは公式ホームページでは販売のみの提供となっているため、レンタルしたい場合は代理店から申し込む必要があります。
ili購入に際しては、公式ホームページにアクセスし上記画像右上部の「購入はこちら」から購入画面に移り「カートに入れる」をクリックすると購入の手続ができます。
自社に合った翻訳機でスピーディーな多言語対応へ
年々訪日外国人客数が増加しインバウンド市場が拡大している日本では、多言語対応の重要性が広く認知されるようになってきました。
多言語対応可能な人材は限られており、運よく雇用にこぎつけたとしても、365日24時間稼働が保証されるわけではなく、解決できる問題は限定的です。
こうした環境において、活躍するのが音声翻訳機です。各メーカーからさまざまな機種が発売されており、それぞれ対応言語数やオンライン通信の有無、翻訳機能が異なります。
現状、市場シェアを勝ち取っているのはポケトークですが、各機種のメリット、デメリットを理解した上で、自社のサービスにマッチした機種を導入することがインバウンド客の満足度向上にもつながるでしょう。
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