フィンランド「ヘビメタ編み物選手権」で日本の芸人が優勝!国交樹立100周年、今後も相互交流が拡大

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7月11日にフィンランドで開催された「ヘビメタ編み物選手権」で、日本のお笑い芸人・うしろシティの金子学さん率いる「GIGA BODY, METAL, from JAPAN」が優勝しました。

「ヘビメタ編み物選手権」という名前の奇抜さ、そしてフィンランドの大会であるにも関わらず日本人が優勝したということで注目が集まっています。

この記事では、ヘビメタ編み物選手権の概要、日本人が出場するに至った経緯、そしてフィンランドと日本の関係について解説していきます。

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ヘビメタ編み物選手権とは?

「ヘビメタ編み物選手権」というのは一体どんな大会なのか、加えてフィンランドで開催されている大会について解説していきます。

フィンランドの文化であるヘビメタと編み物を融合?!

▲ヘビメタ編み物選手権のプロモーション画像:Heavy Metal Knitting Facebookページより
▲ヘビメタ編み物選手権のプロモーション画像:Heavy Metal Knitting Facebookページより

フィンランドでは、ヘビーメタルと編み物が多くの人に親しまれています。

その文化に目を付けた現地の人々により企画されたのが「ヘビメタ編み物世界選手権(Heavy Metal Knitting World Championship)」です。ヘビーメタルの曲を流しながら編み物をするという一風変わった大会で、先日7月11日に行われたのが第一回大会となっています。

決勝ではバックバンドとして本格派のヘビメタバンドもついており、出場者は音楽に合わせて動いたり編み物をしたりといったパフォーマンスを行います。

本来繋がりのない2つの文化を融合させた、斬新な大会であると言えます。

フィンランドでは変わった選手権がいくつも開催されている

フィンランドの変わった大会は「ヘビメタ編み物選手権」だけではありません。

例えば「世界奥様運び選手権」はかなり有名でしょう。「奥様運び」という大会名にもかかわらず、夫婦でなくても参加可能となっています。コースは障害物競走で、ほとんどの出場者がパートナーの両脚をつかみ、逆さに背負った状態で走っているようです。

他に有名な大会として「エアギター選手権」があり、昨年8月に行われた大会では日本人の名倉七海さんが優勝しています。これはギターを持たずにどれだけギターを演奏しているように見えるかを競うもので、ヘビメタ編み物選手権はこれにインスパイアされた大会なのではないかとも言われています。

日本のお笑い芸人が優勝!「毛糸と音楽は言葉を超える」

「ヘビメタ編み物選手権」がフィンランドの大会であるということはお伝えしてきましたが、今回の第一回大会で日本人のチーム「GIGA BODY, METAL, from JAPAN」が優勝しました。

ここからは、フィンランドの大会に日本人が出場するに至った経緯を解説していきます。

日本のお笑い芸人5人によるチーム「GIGA BODY, METAL, from JAPAN」とは?

GIGA BODY, METAL, from JAPAN」は、お笑い芸人・うしろシティの金子学さんが中心となり、後輩芸人であるコーヒールンバの平岡佐智男さん、ヒコロヒーさん、ゆんぼだんぷのカシューナッツさん、同じく藤原大輔さんの4人と共に結成したチームです。

予選のための動画制作には、合計7万円かけたといいます。下の動画が予選に送られたものです。

編み物道具やギターなどを持って激しい動きをすることに加え、舞妓さんや相撲、忍者といった日本文化にちなんだ衣装とパフォーマンスでアピールしているのがわかります。

動画の完成度は高く、Heavy Metal Knitting公式チャンネルからも「Wow, awesome!!!! You rock!」とコメントされています。

ラジオ番組での企画が発端

大会への出場は、元々はTBSラジオで水曜24時から放送されている「うしろシティ 星のギガボディ」内での企画が発端です。この番組名は、「GIGA BODY, METAL, from JAPAN」の名前の由来にもなっています。

エントリーしていた他のチームの動画を見た金子さんは、番組内で同大会で優勝を勝ち取るのは「余裕」と豪語していました。

言葉通り予選・準決勝を見事に勝ち抜いて決勝進出が決まったのですが、ここで金子さんは交通費・宿泊費等が自腹という事実を知ります。

クラウドファンディングを立ち上げ、無事フィンランドへ

決勝進出の喜びもつかの間、メンバーの交通費・宿泊費も合わせて最低でも100万円が必要であるということが判明しました。

そこで金子さんの相方である阿諏訪さんクラウドファンディングを立ち上げます。このクラウドファンディングでは100万円という最初の目標を大きく超えて821万円が集まりました。

ファンの期待を背負った金子さんたちは、集めた資金を使いフィンランドへと向かいます。

決勝でも日本ならではの衣装を身にまとい、ひときわ目立つパフォーマンスで観衆にアピールした「GIGA BODY, METAL, from JAPAN」は、他の候補者をおさえてなんと優勝しました。金子さんは優勝後、「毛糸と音楽は言葉を超える」とコメントしています。

この優勝は日本の各メディアでも報じられ、大きな反響を呼んでいます。

フィンランドとインバウンド、押さえておくべき3つのポイント

金子さんは「ヘビメタ編み物選手権」決勝のためフィンランドに降り立った際、現地の人から日本語で「日本が大好きだ」「ようこそフィンランドへ」と言われ、大歓迎を受けたと先述のラジオ番組内で語っていました。フィンランドにはかなりの親日家もいる様子です。

「GIGA BODY, METAL, from JAPAN」が日本文化にちなんだ衣装とパフォーマンスで優勝したことからも、フィンランド人の日本への興味関心はかなり高いのではないかと予想できます。

ここからは、訪日フィンランド人のインバウンド事情や日本への関心、そして日本とフィンランドの関係性について解説していきます。

1. 訪日フィンランド人は人口比で見ると意外に多い

日本政府観光局JNTO)の訪日外客数統計によると、2018年の訪日フィンランド人数は27,116人でした。ヨーロッパで最も訪日客の多いイギリスの333,979人と比べて10分の1以下となっており、かなり少ないように見えます。

ただしフィンランドの総人口もイギリスの10分の1以下なので、実は人口比で見るとイギリスとそこまで変わらないという見方もできます。

つまり訪日フィンランド人は総数は少ないものの、人口比で考えればかなり多い部類と言っていいでしょう。

2. 日本への興味関心はかなり強い

北欧最大規模の旅行博覧会「Matka Nordic Travel Fair」が、毎年フィンランドで開催されています。

訪日ラボ編集部の現地レポートによれば、2018年に開催された「Matka Nordic Travel Fair」には日本専用のブースが出展されています。近年は京都や奈良といった有名な観光地だけでなく、福岡市や忍者のイメージの強い伊賀市といった地方都市についての問い合わせが多くなっているそうです。

フィンランドからの訪日客数という数字で見れば小さいですが、周辺の北欧諸国も視野に入れたプロモーションを行うことで、地方インバウンドの活性化に繋がるのではないかと考えられます。

「Matka Nordic Travel Fair 2018」については、下記の現地レポートでより詳しく解説しています。

来場者5万人超 フィンランド開催の「Matka Nordic Travel Fair

Matka Nordic Travel Fair 2018は旅行と世界の食をテーマとする北欧最大規模の旅行博覧会です。毎年1月にフィンランドのヘルシンキで開催され、世界中から80カ国、1,000人以上の出展者が集います。イベントは期間を区切り、一般と業界関係者用の2部構成になっており、毎年50,000人を超える来場者と20,000人以上の旅行関係者が足を運びます。会場となったMessukeskus Helsinkiはヘルシンキ中心部からバスやトラムで15分ほどのアクセスの良い場所にあります...

3. 2019年は日本-フィンランド国交樹立100周年

2019年は、日本とフィンランドが国交を樹立してから100周年の年にあたります。

フィンランドで小説や絵本の中のキャラクターとして生まれ、日本でもアニメ化され人気を集めている「ムーミン」の展示会など、日本とフィンランドの交流にちなんだイベントが現在も開催されています。公式サイトも開設されており、国交の歴史や各イベント、大使挨拶などを紹介しています。

駐日フィンランド大使のペッカ・オルパナさんは、日本・フィンランド両国の強い絆と協力関係を強調し、友好関係を祝おうと呼びかけています。

5人の芸人が繋げた文化、100周年でさらなる交流に期待

各メディアでも取り上げられ話題となった「ヘビメタ編み物選手権」における「GIGA BODY, METAL, from JAPAN」の優勝は、偶然にも日本とフィンランドの国交樹立100周年を記念してイベントを行っているタイミングで達成されました。

日本文化にちなんだ衣装でアピールしたパフォーマンスが、フィンランドで開催された大会で優勝を勝ち取ったことの背景には、ここまで日本がフィンランドを対象に地道にPRを続けてきたことも影響しているはずです。今回の大会開催は、両国の文化的繋がりをより強めたと言えるでしょう。

今後も引き続き、国交樹立100周年を記念した各イベントが予定されています。「ヘビメタ編み物選手権」が高めた互いの文化に対する認識は、日本とフィンランドの交流をより加速させていくでしょう。

<参照>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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