日本の広大な国土を余すことなく旅するには、自動車の利用も欠かせません。特に北海道や沖縄などの車社会ではレンタカーの需要も高く、訪日外国人の観光にも活用されています。
日本でレンタカーを利用する訪日外国人の数は2011年には17.9万人で、2015年には70.5万人にまで増加しており、その数は現在でも右肩上がりで上昇しているものと推定されます。
利用者数の増加と共に事故数も急増しており、レンタカー全体の事故数は2013年の6,534件を境に減少傾向に転じていますが、そのうち外国人による事故は2011年には25件だったものが2017年には188件と、大幅に増加の傾向を示しています。
今回は訪日外国人のレンタカー事情について、利用者の国籍と事故問題2つの観点から分析していきます。
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最もレンタカーを利用するのは香港・マカオ人!台湾と韓国からの利用者も
2018年の調査によると、外国人のレンタカー利用人口第1位は香港・マカオ人です。香港・マカオはそれぞれイギリス・ポルトガル統治時代の名残により左側通行を採用しており、日本の左側通行の交通規則にも比較的親しみやすいことも理由でしょう。
第2位は、年々その人数を増やしている台湾人です。訪日台湾人は訪日外国人の中でも第3位の人数を占めています。台湾は右側通行であり、ジュネーブ条約非加盟国であるため日本での運転には規定された運転免許翻訳文の作成が必要なものの、現地のレンタカー会社と協力したキャンペーンの実施などにより多くの訪日台湾人がレンタカーを利用しています。
そして、第3位には韓国人が並びました。韓国は右側通行ではあるもののジュネーブ条約加盟国であるため、国際免許により日本での車の運転が可能となります。
中国人は日本でレンタカーを借りられない?偽造免許問題も
2018年の調査ではレンタカー利用人口第4位となった訪日中国人ですが、中国はジュネーブ条約非加盟国かつ運転免許翻訳文の発行も行っていないため、本来であれば日本で自動車の運転をすることはできません。
中国国内では偽造された国際免許証が出回っており、これを偽造とは知らずに購入した中国人が日本でレンタカーを借りてしまい、実質無免許状態でレンタカーを運転してしまう問題が相次いでいます。この問題は警視庁にも伝わっており、実態把握に努めているということです。
無免許で運転をしてしまった場合、法律違反となるばかりか万が一の事故の際に保険が適用されないなどの重大なトラブルに発展する可能性があるため、訪日中国人のレンタカー利用には細心の注意を払わないといけません。
なお、中国人でもジュネーブ条約加盟国にて免許を取得し国際免許を発行するか、台湾、エストニア、スイス、ドイツ、フランス、ベルギー、モナコにて免許を取得しその翻訳文を発行した場合は日本での運転ができます。
訪日外国人のレンタカー利用、求められる対策とは
訪日外国人のレンタカー事故は2011年には25件だったものが2017年には188件と、年々その数が増え続けています。
レンタカー利用人口が増えたこともありますが、特に台湾、韓国、中国などは右側通行のため、日本の左側通行に慣れずに運転を誤ってしまうことや、日本の標識が読めない・分からないために交通規則を遵守できないことなどが主な原因として挙げられます。
また、実際に事故が起こってしまった際にも言語の問題により相手と上手く意思の疎通が取れず、更なるトラブルに繋がるような事態も発生しています。
今後も訪日外国人のレンタカー利用は増加し続けることが予想されます。受付に多言語対応、特に英語、中国語、韓国語の堪能なスタッフを配置したり、日本の交通規則を多言語で解説したパンフレットを配布したり、万が一の為の外国語対応ホットラインを設置したりすることで、事故を未然に防ぐことができるはずです。
<参照>
国土交通省:https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/keizai_senryaku/pdf07/2.pdf
国土交通省近畿地方整備局:https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/happyou/thesises/2018/pdf03/katu-19.pdf
日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29044840V00C18A4CC1000
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