木曽観光連盟とJTBが2016年と2017年に取り組んだ『木曽路インバウンド対策業務「古道」を活用したコンテンツ開発事業』は、古道をはじめとする地域資源を生かしたインバウンド誘客・消費拡大・ブランディングなどの好事例として注目されています。
今回は、欧米圏からの訪日外国人観光客の間で人気急上昇中の、木曽中山道トレイルにおける取り組みを見ていきましょう。
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地元住民と連携し木曽の魅力をインバウンドにPR
江戸時代に主要交通路として栄えた五街道(東海道・中山道・甲州道中・日光道中・奥州道中)ですが、現在特に人気の観光地となっているのが中山道です。
日本橋と京都を結ぶ中山道では、古き良き街並みが残る妻籠宿や奈良井宿がインバウンド客の間で話題となっています。
近年は、古い町並みの散策だけでなく、木曽のひのき笠を被って古道を歩いたり、地元の居酒屋を満喫する訪日外国人観光客の姿も見受けられるようになってきました。妻籠から馬籠までの馬籠峠を歩いたインバウンド客は、10年で5倍に増加し、平成30年度には初の3万人を突破しています。全体の6割が欧米人観光客となっているのも、特徴の1つです。
木曽観光連盟とJTBは、地元住民も参加するワークショップなどを開催し、「歴史の道」を体験できる木曽ならではのトレッキングや観光コンテンツ開発に取り組みました。地元有識者やトレッキングコース作りの専門家の協力を得た、古道ウォークを楽しむ新たなルート開発や本格的に古道を歩く訪日外国人観光客向けのトレッキングマップの作成も行なっています。
マップには、木曽の歴史や地元民だからこそ知っているとっておきの感動体験情報、ローカルな居酒屋の楽しみ方などもあわせて掲載し、周遊観光と消費拡大を狙う仕組みが特徴です。
さらに、日本一広大な枯山水庭園を持つ興禅寺における体験プログラムを設けるなど、長期旅行が主流の欧米人観光客も楽しめるような観光コンテンツ開発にも取り組みました。
デジタルマーケティングを駆使し効果的なインバウンドプロモーションを実施
これまで行なってきた中山道の海外向けプロモーションは、「木曽路」や「木曽古道」、「中山道はいく」といったタイトルや、「古い町並み」をメインにして実施されてきました。
一方で、都内在住の外国人に「木曽路」のイメージを調査すると、某しゃぶしゃぶレストランを思い浮かべる人が多かったため、デジタルマーケティングを活用した地名と旅のイメージを結びつけるブランディングに取り組むこととなりました。
海外からインターネットで最も検索されている関連キーワードが「NAKASENDO」「TRAIL」で、画像検索上位に「石畳のカーブ」があったことから、「森の中の石畳カーブ」をブランドシンボルとしています。「NAKASENDO TRAIL」=「ノスタルジックな歴史の道を歩く」と連想できるようなブランディングに取り組んだ結果、「NAKASENDO TRAIL」の検索推移は着実に増加傾向となり、ブランディングの効果が現れたと言えるでしょう。
インバウンドの受け入れ態勢強化と効果的な情報発信
木曽路のインバウンドの宿泊需要拡大に向け、これまでの宿泊実績や予約方法、カード決済対応、Wi-Fi環境、不安や課題といった項目に関し、民宿を中心に50件以上のヒアリングを実施しました。ヒアリングから見えてきてた課題を解決すべく、セミナーや国内外のインターネット予約サイト相談会を開催しています。
地域の受け入れ態勢強化に向けて、宿泊施設や飲食店などで実際に使用するフレーズで英訳を希望するものを集め、外国人スタッフと協力し80以上のフレーズ用語集やサインを考案しました。
「NAKASENDO TRAIL」でインバウンド誘客を促進する上で、日本の文化や歴史を体験したいといったニーズや、トレイルの人気が高いインバウンド市場にターゲットを絞ったプロモーションに取り組んでいます。
例えばメディアを招聘した現地視察や、新たに開発した体験モニターを実施し、効果的な情報発信に繋げました。トレイルを中心に取り扱う海外の旅行会社に向けて、新たに開発したトレイルコースを紹介するとともに、トレイルを目的に訪れるインバウンド客の満足度向上に向けた意見交換会も実施しています。
まとめ:「NAKASENDO TRAIL」の魅力をインバウンドにPR
今回の木曽観光連盟とJTBによるインバウンド事業では、デジタルマーケティングの活用やトレイルに特化したマップの作成など、さまざまな角度から取り組みました。
スタッフが何度も木曽路を歩き、旅行者の気持ちに近づきながら木曽の地元民や古道の魅力に触れたことで、より効果的なインバウンド対策ができたと言えるでしょう。今後も、「NAKASENDO TRAIL」によるさらなるインバウンドの地方誘客促進に期待が集まります。
<参考>
・JTB INBOUND SOLUTION:欧米訪日旅行客の人気急上昇!古道を歩く旅で誘客 木曽中山道トレイルの取組み
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
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- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
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