「小銭取って」「Suicaでお願い」…原宿・竹下通りのスイーツショップ店員に聞いた訪日外国人の本音とは?

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「kawaii」は今や世界でも通じる言葉となりました。

この「かわいい文化」発祥の地として大人気のスポットである原宿には、訪日外国人が多くみられます。

昨今の日本は、2011年7月に経済産業省から「クール・ジャパン戦略」が発表されるなど、アニメ漫画、ファッションという日本のポップカルチャーを世界に発信することによって、インバウンド誘致に力を入れています。

今後もインバウンド消費の増加が期待される中、訪日外国人が不便を感じることなく過ごせる環境を整えることが非常に重要になってきます。


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原宿・竹下通りのスイーツ販売店員に聞いたインバウンドの実際

訪日外国人客であふれる原宿・竹下通りに位置する、持ち帰り専門のスイーツショップで働く店員に訪日外国人客に対応する上で困ったことを聞いてみました。

外貨の小銭はインバウンドにとって鬼門

訪日外国人客が特に困っているのは決済だと言います。訪日外国人にとって、普段は使わない日本円の種類を覚え、小銭を数えることは非常に煩わしい作業です。

支払いの際についお札ばかりを渡してしまい、たまった小銭全てを広げて「取って」と店員任せにする外国人客もいると言います。その場合は店員が小銭を確認し、数え、会計となります。

日本特有の文化”小銭トレー”

さらに、日本では当たり前のようにレジの横に置いてある小銭トレー訪日外国人にとっては馴染みのないもののようで、これを全く利用せず現金を手渡しする外国人観光客も少なくないそうです。

この小銭トレーは支払いをスムーズに行うのを助けるだけでなく、小銭を数える際にも非常に便利なものです。

しかし、この文化を知らない外国人観光客は、小銭トレーの存在に気付く前にお金を手渡しします。店員はお金を一度受け取り、小銭トレーに広げ、小銭を数えなければなりません。

少しの作業ではありますが、回転率が求められる店舗にとってあまり好ましいことではないと言えます。

交通系IC決済の整備が遅れている

最近では「これで支払いをお願い」とSuicaを渡す外国人観光客も増えてきています。JR東日本では訪日外国人向けに、有効期限付きでデポジットなしのSuicaも販売も行っており、訪日外国人における交通系ICの認知は高まっていると言えるでしょう。

先に紹介した店舗では、こうしてSuicaを準備して並んでいる外国人客に、使用できないことを伝えるとあわてて小銭を数えだす方も多くいると言います。

現在、東京であっても、交通系IC決済を受け付けない店舗は珍しくありません。今回話を聞いた店員の店舗にも、交通系IC決済の導入はしていないと言います。

訪日外国人としては、現金に代わるものがあれば現金を使わないのがすでに日常になっている人もいます。手元にSuicaがあるのに使えないお店が多いとなれば、非常に不便に感じ、時には理解できないほど不合理な社会という印象も抱くでしょう。

こういった決済に関する問題を解決するための環境整備が急がれます。

ルールを共有するには?

こういった訪日外国人について、マナーが悪いと感じる日本人も少なくありません。こうした印象は、ある振る舞いが日本人にとっては「礼儀正しい」「礼儀正しくない」と感じられるものであるということを、訪日外国人が理解していないことに起因します。

同時に今、訪日外国人が増加しており、日本の経済活性化に大きく寄与しているという現状があります。外国人観光客とルールを共有することは、日本に住む人々の快適な生活環境を守るうえで欠かせません。

多言語対応化によるマナーの共有

「ごみのポイ捨て」「公の場で大声で話すこと」「列の割り込み」など様々なマナー問題が起こっているのは、マナーの共有が十分にできていないことが原因であると考えられます。

訪日外国人にとって自国では当たり前のことが、日本では不適切な振る舞いとみなされることがあるということをきちんと案内するべきでしょう。観光される側である日本は、多言語対応をした注意喚起」という形で、日本の考え方(マナー)を発信することも有効です。

例えば、小銭トレーの近くに「こちらにお金をおいてください」という英語表記を備えれば、支払いの方法を理解できる訪日外国人も少なくないはずです。これにより小銭を手渡しすることが減れば、お金の受け渡しがスムーズになるでしょう。

なぜ観光客はマナーが悪いのか:訪日外国人に日本のルールが伝わらない理由

訪日外国人客数が伸び続け、経済波及効果に高い期待が持たれている一方で、「ポイ捨て」「列割り込み」「撮影禁止の無視」「汚いトイレの使い方」「電車内、大声での会話」などの外国人観光客のマナーに対する疑問と怒りの声が上がっています。多くの日本人が感じる、「外国人のマナー違反」は、観光地周辺に住む住民や訪日外国人の日本に対する満足度などにも影響を及ぼす、重大な課題です。2003年の「観光立国」を目指す方針を固めてから、訪日外国人の誘客は好調に推進され、2018年には訪日客数約3,000万人、訪日外...

交通系ICへの対応が必要?

現金支払いの煩わしさの解決策の一つとして、交通系IC決済の導入促進があります。

日本は国外と比較してIC決済の対応が遅れています。その理由として、日本人が現金に信頼を置いていることや、お店側が専用端末や手数料などのコストがかかることに抵抗を感じていることがあげられます。

一方で、日本のICカードの普及率は2016年時点で70%を超えています。このことから、ICカードの普及率が高いものの、そのインフラが普及していないことが考えられます。

また、東京オリンピックに向けて、2018年に経済産業省よりキャッシュレス・ビジョン」が発表されました。今後も増加するであろうインバウンド対策の一つとして、キャッシュレス化」は非常に重要な役割を担っています。

店舗側もこの動きに迅速に対応していく必要があると言えるでしょう。

ICカード対応はインバウンド観光、クレジットカードの不正使用防止に効果:2020年までに決済環境の整備を

訪日外国人観光客の誘致には、必要不可欠だと言われているキャッシュレスで買い物できる環境づくり。国外では、日本よりもクレジットカードなどを使った電子決済が普及しており、そもそもお金を持ち歩く習慣を持っていない場合も少なくありません。このため、決済環境の整備は、消費額にも影響すると見られています。電子決済の利用率は日本国内でも高まっていますが、その一方で店舗側の対応の遅れ、クレジットカードの不正使用などの問題が発生しており、2020年を目処に対応が進められています。今回は、インバウンドビジネス...

訪日外国人の満足度に直結する「キャッシュレス」ルールは伝え方に注意

日本は決済方法の種類が豊富な一方で、どの決済方法も現金払いに勝るまでのシェアはありません。日本のキャッシュレス化を阻む要因として、現金への信頼の高さから未だ現金払いを好む人が多いことやキャッシュレスシステム導入のコストの高さなどがあります。

しかし、インバウンドの満足度向上のために、キャッシュレス化対策を進めることは必要不可欠です。最近では導入コストがほとんどかからず、スマホ一つで簡単に決済できるQRコード決済も注目されており、中国では爆発的にシェアを伸ばしています。

また、どうしても現金しか受け付けられない場合には、訪日外国人が理解できるような言語・表現での案内を行うべきでしょう。

2020年に東京オリンピックが開催され、今後も訪日外国人観光客の増加が見込まれています。訪日外国人の購入体験をスムーズにすることで、さらなるインバウンド消費の拡大も期待できるはずです。

日本はいつ中国に追いつけるのか?キャッシュレス後進国、脱出の可能性をさぐる

今世界では、クレジットカード決済や電子マネー決済などのキャッシュレス決済の普及が進んでいます。QRコードでの決済が広がっている中国や、クレジットカード決済が普及する韓国や欧米諸国など、多くの国は2016年時点でキャッシュレス決済比率が40%を超えています。 一方、日本は2106年の時点で19.9%と他国に比べて大きく遅れをとっている状況です。訪日外国人観光客が増加の一途を辿る日本において、キャッシュレス決済に慣れたインバウンド客に対して多様な決済方法を整備することは喫緊の課題となっています...

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

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宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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