日本のアニメやゲーム、漫画は、いまや海外でも大人気となっており、近年では聖地巡礼を楽しむ「アニメツーリズム」がブームです。
アニメやゲームといえば秋葉原が人気ですが、実は近年中野ブロードウェイにも世界中からコアなファンが集まってきています。
今回は、インバウンド客も多く訪れる中野ブロードウェイの実態やインバウンドの受け入れ態勢について解説していきます。
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「サブカルの聖地」中野ブロードウェイとは?
JR中野駅北口から真っ直ぐ伸びる「中野サンモール商店街」の突き当たりに位置するのが、中野ブロードウェイです。1966年に住宅地を大規模に開発し建てられたショッピングモールで、当時はデパートのような役割を担っていました。しかしバブル崩壊と漫画ブームをきっかけに、飲食店などが廃業し、代わりに若者に人気のサブカルチャー系の店舗が増えていきました。
現在では、地下1階から4階にさまざまな店舗を構える中野ブロードウェイですが、中古の漫画を販売する「まんだらけ」を中心に、2階と3階にはアニメや漫画のグッズ、フィギュア、昔のおもちゃなどを扱うサブカルチャー系の店が並んでいます。近年では海外での日本のポップカルチャー人気に伴い、「サブカルの聖地」として多くの訪日外国人観光客が訪れるようになりました。
「まんだらけ」を中心にコアなファンが海外から集結
中野ブロードウェイには、平日は約3万人、土日祝日は約5万人もの人が足を運び、そのほぼ半数が外国人とのことです。漫画やアニメのグッズ、レアなフィギュアなどを求めて、インバウンドの熱心なファンが訪れます。
ネット社会となった現代でも、中野ブロードウェイの店で販売するレア商品は現地に足を運ばなければ手に入らないものも多く、中野ブロードウェイならではの秘密基地のような独特の雰囲気も、実際に訪れたからこそ体験できるとして、インバウンドを惹きつける要因になったと考えられるでしょう。
爆買いがブームとなった中華圏をはじめ、近年ではタイなど東南アジアの国々や、フランスやドイツといった欧米圏からの訪問も見受けられるようになりました。特に中古の漫画を販売する「まんだらけ」を中心に、真剣に商品を見定める訪日外国人観光客の姿が印象的です。
漫画やアニメグッズだけでなく、高級腕時計を求めて来館するケースも増加しています。館内には13軒ほどの時計店が立ち並び、中には年間220億円を売り上げる会社もあるとのことです。
中野ブロードウェイなら中古の高級腕時計が安心して買えるということで、中国やタイを中心に訪日外国人客の爆買いも見受けられます。
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中野ブロードウェイのインバウンド対策とは?
近年のインバウンドの顧客の増加を受け、中野ブロードウェイではさまざまなインバウンド対策を講じ、受け入れ態勢の強化に取り組んでいます。
今回は、多言語対応・ハード面の強化・プロモーション活動といった3つの観点から解説してきます。
多言語対応のスタッフを配備
アニメグッズやフィギュアの店、高級腕時計の店を中心に、外国語対応の可能なスタッフや外国人スタッフを採用し、インバウンドの多言語対応に取り組んでいます。スタッフ以外にも、英語による手書きの張り紙を活用し、返品はできない旨や決済方法、触らないで!などの重要事項の理解を促す様子が見受けられます。
キャッシュレス決済・Wi-Fiなど、受け入れ態勢を強化
大型店だけでなく小さな商店においても、クレジットカードをはじめキャッシュレス決済の対応が進んでいます。中国の大手スマホ決済アプリ「Alipay」に対応している店舗も見受けられ、今インバウンドの重要トピックである「キャッシュレス決済」へ対応しようとする動きが顕著です。
Wi-Fiは中野区の助成を受け、早い段階から導入するなど、インバウンド対策への本気度が伺えます。免税店申請も進んでいるとのことで、今後はますます訪日外国人観光客の利便性促進と消費拡大が期待できるでしょう。
地域を巻き込む集客活動も
中野区は地域を巻き込んだ集客活動にも積極的に取り組んでいます。年間8万部を印刷する館内ガイドブックの表紙のイラストには、地元のイラストレーターのものを採用しています。
アニメを活用したPRやコスプレイベントなどの実施には、地域の学生や若者が関わり、地域一丸となって中野の魅力を国内外に発信しているのが特徴的です。
また、中野区には芸術活動に力を入れている社会福祉法人があることから、同じく芸術が盛んなフランスのナント市とコラボをし、中野サンプラザや中野サンモール商店街、中野ブロードウェイにおける国際企画の実施の話も検討されました。
こういった取り組みから、地域だけでなく海外との新たな繋がりを作ることで、中野ブロードウェイのさらなる認知・集客拡大が期待されるでしょう。
まとめ:多様化するインバウンドのコアなニーズ、誘客促進へ
中野ブロードウェイでは、海外での日本のポップカルチャー人気に伴う訪日外国人観光客の訪問増加から、多言語対応やキャッシュレス対応などのインバウンド対策にも、いち早く乗り出している様子が見えてきます。
いまやインバウンドの興味関心は、日本食や温泉など定番のものだけでなくアニメや漫画など多岐にわたり、ニーズが多様化してきています。今後もインバウンドのコアなニーズにも目を向け、誘客促進に向けて受け入れ態勢の強化に努めることで、さらなる満足度向上とリピーター獲得が期待できるでしょう。
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<参照>
・アルクplus:外国人も引きつける「サブカルの聖地」、中野ブロードウェイの魅力
・cowcamo:【#中野】「サブカルの聖地」の地下に日常が広がる、文化と生活が融合する街
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
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- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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