クールジャパンの雄「サンリオ」インバウンドの一大市場・那覇で66室すべてキャラクターデザインのホテル開業!その意義とは

公開日:2020年01月07日

日本国内から海外まで、幅広い層から支持を集めるサンリオキャラクター。ハローキティをはじめに、多くのキャラクターグッズが世界中で大人気となっています。

2019年9月15日、サンリオは人気のキャラクターたちとコラボレーションしたホテル、「ホテル沖縄 with サンリオキャラクターズ」を開業しました。


国内初となる「全室サンリオデザイン」ホテルがオープン

今回オープンしたホテルは、沖縄県のサンテック開発がサンリオと提携して運営、場所は沖縄県最大の繁華街、那覇市安里の「国際通り」沿いにあります。ホテルのすべての部屋のデザインにサンリオキャラクターを取り入れるのは、日本初の試みです。

幅広い世代をターゲットに客室をデザイン

ホテルの客室のデザインにはハローキティやマイメロディをはじめ、リトルツインスターズ、ポムポムプリン、シナモロール、ポチャッコ、バッドばつ丸、ぐでたまの全8キャラクターを採用しています。

外観はもちろん、内装にもふんだんにキャラクターが描かれ、10階建ての66室すべてに「パステル」「デニム」「モノトーン」「琉球」のいずれかのテーマと、1室につき1キャラクターがデザインされているのが特徴です。

サンリオキャラクターは幅広い世代に人気があることから、親子や家族三世代での観光客による利用を見込んでいます。貸切利用ができるファミリーバスも2室用意されています。

ランニングマシンを備えたトレーニングルームや洗濯室、サンリオのグッズショップやカフェなどがあり、ロビーには簡単な会話ができるハローキティのロボットも設置されています。「サンリオ」を軸に、様々な層のニーズを満たす宿泊施設となっています。

沖縄県インバウンド市場の現状

国内における幅広い世代の観光客を見込んでオープンしたサンリオホテルですが、同時にインバウンド観光客も取り込めることが予想されます。

近年、沖縄の外国人旅行客は増加の一途となっています。サンリオキャラクターは海外でも人気が高く、ホテルのオープンはインバウンド客のますますの需要を喚起する可能性も小さくはないでしょう。

沖縄における外国人観光客の動向

沖縄県が発表する「沖縄県入域観光客統計概況」によれば、2019年度上半期の入域観光客数は534万8,600人で過去最高となりました。

外国人観光客増加の背景には、2018年度から引き続き訪日旅行自体の人気が継続していることに加え、ピーチアビエーションやエアソウルなどをはじめとした沖縄発着便航空路線の新規就航や、既存路線の増便が原因であると考えられます。また空路のみならず、クルーズ船寄港回数も増加し、海路客も増えていることも理由の1つです。

沖縄への訪日客の9割が東アジアから

観光庁の2018年訪日外国人消費動向調査によると、34%が台湾、30%が韓国、19%近くが中国、約10%が香港と、沖縄への訪日客の9割以上が東アジアからの来日です。

今後、東アジアをはじめ、東南アジアなど、アジアからの訪日が増えると予想されています。アジアで求められているコンテンツを充実させていくことで、更なる需要の拡大につなげることができるでしょう。

サンリオの海外事業とインバウンド

サンリオキャラクターは海外でも大人気なのはいうまでもありませんが、サンリオの海外事業の現状とインバウンドの関係を見てみましょう。

サンリオの利益は海外が4割

サンリオの連結売上高の4割は海外で生み出され、さらにその8割は『ハローキティ』のキャラクター収入といわれています。ハローキティは多くの国や地域で商品が発売されており、世界中で愛されているキャラクターです。

もともとサンリオは女児向けの玩具を中心とした物販事業がメインで、海外へも日本の製品をそのまま輸出をしていました。2000年に入り、海外事業に力を入れる際に、現地向け製品の開発やライセンス事業に力を入れたことで、世界的な存在感を高めてきました。

海外でのサンリオ人気は、欧米で人気セレブがグッズを愛用していることから始まりました。近年の景気低迷の流れもあり、欧米での売り上げは低迷気味でしたが、近年ではアジアでのライセンス収入が増えているそうです。

サンリオテーマパーク事業の回復はインバウンドが支えている

海外事業が成長する中で、国内事業は低迷しています。特にテーマパーク事業の一つである、サンリオピューロランドは、開業以降来場者が伸び悩み、「サンリオのお荷物」とまで言われていました。

しかし、2017年に、当時の最高集客数を記録して以降、V字回復を成し遂げます。その理由としては、SNS映えするイベントや、子供向けから「大人女子」をターゲットとした戦略の転換があります。またインバウンドを意識して、歌舞伎などの日本文化をテーマにしたステージの開催なども行っており、これも良い効果をもたらしているようです。

九州にあるピューロランドの姉妹施設、ハーモニーランドも海外からのツアー客の誘致に取り組んでおり、2019年は前年の3倍もの海外団体客が入場しました。

サンリオが見据える将来像とインバウンドの可能性

一時は「お荷物」とまで言われたサンリオピューロランドですが、現在では好調な事業となっています。国内外で、「モノ」消費以上に「コト」消費への需要が高まっていることで追い風となっているようです。

今までは「女の子向け」だったサンリオキャラクターですが、サンリオキャラクターとともに育ってきた「大人」が、自身で使えるお金が増える中で、もう一度サンリオキャラクターを選択するという可能性も広がっています。

聖地巡礼」のブームのように、今後はキャラクターを起用したグッズだけでなく、キャラクターの世界観にひたれる空間への需要の高まりも期待できるでしょう。

テーマパークの好調とは対照的に、海外でのライセンス事業では低迷も伝えられていますが、独自性の高い宿泊施設をきっかけにサンリオキャラクターへ改めて注目することもあるでしょう。施設をきっかけにファンとなってもらえれば、帰国後もグッズ購入という形で消費が拡大していくことも考えられます。 

サンリオホテルが沖縄のインバウンド市場へ与える変化

「ホテル沖縄 with サンリオキャラクターズ」の開業により、沖縄の自然や文化には特に心惹かれていなかった層が足を運んでくることが期待できます、特にアジアでは、サンリオキャラクターをテーマにしたカフェなどがすでに人気です。アジアからの観光客は十分に多い沖縄ですが、こうした旅行客がサンリオホテルの存在を話題にすることで宣伝効果も出てくると考えられます。

細かな設定のある各キャラクターには、深い思い入れを持つファンも少なくありません。こうしたファンにとって、沖縄は行かずにはいられない目的地となると考えられます。東京や九州のテーマパークとの連携にも注目していくべきでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!