翻訳機VS「Googleアシスタント音声通訳機能」無料サービスが市場を席捲!?それでも翻訳機が不要とならない納得の理由

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2019年12月12日、Googleは新たにスマートフォン向けの音声通訳機能を発表しました。同社のAI技術を活用したサービスの一環で、44か国語を相互に通訳できます。

この音声通訳機能は同日より一般利用者向けの提供が始まり、AndroidやiOSなどのスマートフォン及びタブレットで利用できます。

日本では、ポケトークなどの翻訳機がすでに同様のサービスを提供しています。Googleの音声通訳機能は無料で提供されるため、これからの翻訳機市場を脅かす存在となりそうです。

今回はGoogleが新たに提供を始めた音声通訳機能を詳しく解説するとともに、ポケトークなどの翻訳機とGoogleの音声通訳機能それぞれの違いについて紹介します。

※翻訳は書かれた言葉や文章を、通訳は発話された言葉や文章をそれぞれ別言語で表現しなおすことを指しますが、音声入力により別言語の表現をアウトプットする機械を本稿では「翻訳機」と表記します。

※Googleの音声通訳機能については、通訳とします(GoogleNestヘルプに基づく)


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Googleアシスタントに音声通訳機能が追加

今回Googleが発表した音声通訳機能はGoogleアシスタントの付加機能という形で提供されます。

GoogleアシスタントはAndroid 5.0以降を搭載したスマートフォンやタブレット、Android Wear 2.0以降を搭載したAndroid Wear、Android Auto、Android TV、Chrome OS及びiOS 10以降を搭載したiPhoneとiPadで利用できます。

音声通訳機能をGoogleアシスタントで使う場合、「日本語と英語を通訳して」のように話しかけて通訳モードを呼び出す必要があります。通信料以外の料金はかからないため、誰でも気軽に音声通訳が使えることが魅力の一つです。

スマートスピーカー向け音声通訳がベース

Googleは2019年2月から、自社のスマートスピーカー「Google Nest(旧Google Home)」シリーズにて音声通訳機能を提供していました。しかし、スマートスピーカーは据え置きが基本で持ち運びには適さないため、今回は更に多くの需要が見込まれるスマートフォンに音声翻訳機能を提供する運びとなりました。

スマートスピーカー版の音声翻訳機能は29か国語に対応していましたが、スマートフォン版では44か国語と対応言語が増加しており、ビルマ語、クメール語、マラヤーラム語などの言語が新たに追加されています。

「Google翻訳」との違いは?

Googleは以前より翻訳エンジン「Google翻訳」を一般利用者向けに無償提供していますが、Google翻訳と今回提供が始まった音声通訳機能は何が異なるのでしょうか。

実はGoogle翻訳にも、音声通訳の機能は搭載されています。ただしこちらはGoogleアシスタントの音声通訳機能とは異なり、使用者が話す前に自分の話す言語のボタンを押す必要があります。

一方、Googleアシスタントの音声通訳機能は事前にお互いの言語を指定すれば、話している側の言語を自動認識してもう一方の言語に翻訳してくれます。そのため、より円滑なコミュニケーションができるという点で、Googleアシスタントの音声通訳機能がGoogle翻訳より優れていると言えます。

一方、Googleアシスタントはキーボード入力ではなく音声入力を主に使用するため、ウェブサイトなどの文章を翻訳する際には向かないと考えられます。文字で表記されている文章の翻訳には、Google翻訳がより適しています。

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翻訳機とGoogleアシスタントを比較

Googleアシスタントの音声通訳機能は円滑なコミュニケーションを取りたい際に効果を発揮すると分かりましたが、現在多くのインバウンド現場などで活用されている翻訳機とGoogleアシスタントを比較した場合、どのような点が異なるのでしょうか。

Googleアシスタントの長所と短所

Googleアシスタントは、スマートフォンとインターネット回線さえ準備すれば無料で使える点が最大の魅力です。そのため、たとえ街中で急に外国人に話しかけられることがあってもスマートフォンを取り出せばすぐに音声通訳が利用できます。

一方、あくまでもスマートフォンの機能の中の一つであるため、スマートフォンの電池を消費するほか、海外で使う際には現地の回線が使えるような準備が必要です。

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翻訳機の長所と短所

翻訳機は手のひらに収まる程の大きさの機種が多く、ポケトークSで連続待機2.5日など、大容量のバッテリーを搭載した機種が多く存在します。

また、グローバルSIMを搭載した機種では、SIMカードが対応している国であればどこでも翻訳機能が利用できます。更にiliなど一部の機種はオフラインでの利用にも対応しています。インターネット環境を気にせずどんな環境でも、電池が残っていれば利用できる点は場合によっては大きな強みとなるでしょう。

このように、翻訳機は手軽に使える一方、購入には1万円から3万円ほどの費用がかかります。また、グローバルSIMは指定の期間が過ぎた後は月額や年額などで利用料を支払う必要があります。

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Googleアシスタントと翻訳機、使うならどちらがオススメ?

Googleアシスタントと翻訳機は使用する翻訳エンジンの違いやAIの違いなどはありますが、基本的にはどちらもコミュニケーションに役立つ水準です。しかし、利用シーンによってGoogleアシスタントが適しているシーン翻訳機が適しているシーンが存在します。以下にその例を紹介します。

Googleアシスタントが適しているシーン

Googleアシスタントはスマートフォンとインターネット回線さえあればどこでも使えます。普段からスマートフォンにGoogleアシスタントをインストールし、とっさに音声通訳が必要となった時のために準備しておくのに適しています。

しかし、接客業などで常に音声通訳が必要な場合、スマートフォンを店舗側で買い揃えると費用がかさみます。また設定やスマホ本体を起動する手間もかかると考えられるでしょう。従業員の私物スマートフォンを用いることもセキュリティ上好ましくありません。このような場合には翻訳機の導入がおすすめです。

翻訳機が適しているシーン

翻訳機はあくまでも音声通訳のためだけに設計されているため、音声通訳において非常に高い効果を発揮します。接客業などで常に音声でのやりとりが発生すると考えられる場合に向いているでしょう。

また、中国などのGoogleの利用が規制されている国でも、翻訳機であれば問題なく音声通訳が利用できます。

一方、翻訳機は1台1万円から3万円ほどの価格設定で販売されているため、導入へのハードルが高いことがネックとなります。とはいえ、音声通訳が確実に必要な場合には必須の投資となるでしょう。

Googleアシスタントと翻訳機を使い分けて、効率の良いインバウンド対策を

訪日外国人の誰もが英語に精通している訳ではありません。また、日本の訪日外国人中国語、韓国語圏からの観光客が中心となっていますが、各言語に精通した通訳スタッフを雇用する場合はそれなりの人件費がかかります。

一方、Googleアシスタントや翻訳機などの音声通訳機能であればスマートフォン1台、翻訳機1台から利用でき、Googleアシスタントであれば通信料以外の料金はかかりません。訪日外国人も英語ではなく使い慣れた母語で会話ができるため、コミュニケーションにおけるストレスが大幅に減少するでしょう。

Googleアシスタントや翻訳機は、インバウンドの現場における円滑なコミュニケーションを手助けする重要なアイテムとして、今後より利用が広まっていくと言えそうです。


<参照>

朝日新聞:https://digital.asahi.com/articles/ASMDD6550MDDUHBI03V.html

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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