訪日ラボでは、インバウンド業界を構成するサービスがカテゴリ別に俯瞰できる「インバウンド業界カオスマップ」を半期ごとに制作しています。
インバウンド業界を「プロモーション」「分析・マーケティング」「受け入れ環境整備」の3カテゴリに分け、さらに各カテゴリのサービスを細分化し図示しています。インバウンド戦略を立てる際の資料として有効活用できます。
今回はこの「インバウンド業界カオスマップ」2019年下半期最新版が収録された「インバウンド調査報告書2020」を元に、今成長しているサービスと、アジア各国の訪日外国人が訪日旅行を計画する際に参照する情報源のそれぞれから読み取れる最新の情報を紹介します。
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インバウンド業界カオスマップ~2019年上半期から下半期までの業界変化~
ここでは、2019年上半期版と下半期版のインバウンド業界カオスマップを比較し、そこから分かる業界の変化について説明します。
半期の間にインバウンド業界は大きく進歩し、インバウンド業界カオスマップの密度もより高くなりました。その中でも、インフルエンサーやSNS関連のサービスは大幅に増加しています。
【最新版】1,341サービス網羅「インバウンド業界カオスマップ 2019年下半期最新版」を公開しました
台湾、中国、韓国をはじめ、世界中の旅人が訪れる日本はいま、観光先進国になるべくさまざまな活動を続けています。観光庁は2020年に日本を訪れる外国人の数を4,000万人にするという目標を掲げ「明日の日本を支える観光ビジョン」を制定し、訪日外国人旅行者の受け入れ体制整備を進めています。オリンピックの開催も控え、今後も訪日外国人は増加の一途を辿ることが予想されますが、株式会社movではインバウンドに関するあらゆるニュースを配信する「訪日ラボ」とインバウンド対策ソリューションを比較・検討できる「訪...
サービス増加率トップは「インフルエンサー(総合)」
最も高い増加率を記録したサービスは、インフルエンサー(総合)でした。
インフルエンサーとは、FacebookやInstagramなどのSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)で影響力を持つ人物のことを指します。
数万人以上のフォロワーを抱えており、インフルエンサーにプロモーションを発信してもらうことで自社のサービスや商品をSNS上で拡散できます。半期で313%増加しており、今最も人気のあるインバウンド関連サービスだと言えます。
近年はTikTokなどの新興SNSにもインフルエンサーが増えつつあり、サービスや商品をアピールするのに最適なSNS媒体やインフルエンサーを選ぶことで安価に情報が発信できるため、数多くの企業がインフルエンサーを活用しています。
2019年最新版!インフルエンサーマーケティング会社10選
訪日外国人観光客が年々増加し、訪日外国人の誘致に力を入れるインバウンド事業者も精力的に情報発信しています。こうした情報の中でも多く話題に上る、インフルエンサーマーケティングが注目を集めています。インフルエンサーマーケティングとはインフルエンサーを活用して自社製品の認知度アップや店舗への集客を促すというものですが、その実際の手法や効果については具体的なイメージがないという人も少なくないでしょう。今回は、インフルエンサーマーケティングを提供する企業、施策のメリットやデメリットについて詳しく紹介...
サービス増加率2位は「インバウンドコンサル(総合)」
インフルエンサーに次ぐ増加率を記録したサービスは、インバウンドコンサル(総合)でした。
インバウンドコンサルとは、インバウンド事業を実施するにあたり、マーケティング調査や戦略の策定、環境の整備や知識向上のための研修など、様々な要素を総合的にサポートするコンサルティングサービスです。
半期で54%増加しており、新たなインバウンド事業を立ち上げる機運が高まっていることが窺えます。
インバウンドコンサル企業6選!2020年に向けてインバウンドするなら今がチャンス!「2019年上半期最新版
桜が散り始め、今年度から新しい部署へ配属された方は、その部署の情報をひたすらインプットする時期が続いているのではないでしょうか。初めてインバウンドを担当される皆さんのために、インバウンド対策ソリューションをカテゴリ別にまとめた記事を連載します。インバウンドソリューションは、インバウンド市場の盛り上がりとともに乱立してきています。そのため「訪日ラボ」の姉妹サイトである、インバウンド対策ソリューションを比較・検討出来る「訪日コム」では、掲載している1300サービスを網羅できる「インバウンド業界...
「WeChat運用サポートサービス」も50%増
インフルエンサー、インバウンドコンサルと合わせて目にとまるのは、WeChat運用サポートサービスです。
半期で50%増加しており、中国人に向けたWeChat経由でのプロモーションは今後ますます重要なものとなりそうです。
WeChatは中国で最も人気のあるSNSで、多くの中国人が日常のコミュニケーションにWeChatを使用しています。インフルエンサーや企業などもWeChatに公式アカウントを開設しており、フォロワーに向けたプロモーション等にも利用しています。
また、中国市場に向けたインバウンド関連サービスは軒並み増加しており、インバウンド業界全体の関心度の高さが分かります。
中国、韓国、台湾、香港の訪日旅行「情報源」
ここまで、増加率が高く活気のあるインバウンド関連サービスとして、インフルエンサー、インバウンドコンサル、WeChat運用サポートサービスを紹介しました。
これらのサービスは日本企業がインバウンド対策を実施する際に活用されていますが、訪日外国人が日本企業のサービスや日本の観光情報を取得する際には、どのような情報源が用いられているのでしょうか。
訪日外客数の上位4か国・地域は中国、韓国、台湾、香港です。それぞれで訪日旅行の際に参考にしている情報源を比較したところ、全ての市場でSNSが1位か2位となっています。
また、個人のブログも、中国以外では約29%~47%と高い割合で参照されています。インターネット上で個人の発信する情報に、小さくない影響力が生まれています。
中国の訪日旅行情報源トップ10
中国の訪日旅行情報源トップ10で特筆すべき点は、第2位に自国の親族・知人が入っていることです。
中国人は身の回りの親族や知人の経験を基に、訪日旅行の計画を立てる傾向にあるようです。そのため、訪日中国人をターゲットにしたインバウンド対策には、KOC(Key Opinion Customer)という新たな概念も踏まえて取り組むと良いでしょう。
韓国の訪日旅行情報源トップ10
韓国の訪日旅行情報源トップ10を見てみると、個人のブログ、SNS、動画サイトなどがまんべんなく用いられており、様々な角度から情報収集したい意向が見えてきます。
訪日旅行前の韓国人は、韓国で最も普及しているSNS「カカオトーク」や、ブログサービスの「NAVER Blog」や「Daum Blog」などに情報収集の目的で多くアクセスするようです。
台湾の訪日旅行情報源トップ10
台湾の訪日旅行情報源トップ10で特筆すべき点は、第3位となった旅行会社ホームページが多く閲覧されていることです。
親日的な人が多いと言われている台湾人ですが、実際に海外旅行先に日本を選ぶことが多くなっています。
ホテルや航空券などを個人で予約する若年層も増えつつありますが、旅行会社の需要も健在で、街中には多くの旅行会社が実店舗を構えています。
なぜ北海道は台湾人に人気なのか?訪日台湾人の特徴・北海道の魅力
台湾は親日家が多い国として知られ、訪日台湾人観光客は年々増加しています。今回は、台湾人の国民性、訪日台湾人に人気の旅行先、人気の理由について解説します。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに相談してみる目次台湾人の国民性訪日台湾人観光客の特徴訪日台湾人観光客のインバウンドデータ北海道の魅力1. 食の宝庫2. 豊富な観光地3. 一大イベント「さっぽろ雪まつり」台湾人に北海道が人気と...
香港の訪日旅行情報源トップ10
香港の訪日旅行情報源トップ10で特筆すべき点は、第3位となった日本政府観光局のWebサイトが多く閲覧されていることです。
観光局は香港市場に向けた、数多くのプロモーションを展開しています。こうした取り組みによる認知の向上などが、同サイトの閲覧数となって現れていると考えられるでしょう。
2020年のインバウンド業界を切り開くサービスとは
ここまで、2019年に大幅な増加を示したサービスと各国の訪日旅行情報源について解説しました。
東京オリンピックを控えた今、発信力のあるインフルエンサー、戦略を立てるインバウンドコンサル、最大の訪日外国人市場である中国にアプローチするためのWeChat運用サポートサービスは、2020年のインバウンド業界においても重要な役割を占めることになりそうです。
また、オリンピック開催期間に懸念されていることの一つに交通機関の混雑があります。訪日外国人だけでなく、彼らの持ち運ぶスーツケースも間違いなく混雑を悪化させるでしょう。こうした問題解決に向けて、商業施設や民泊と連携した手荷物預かりサービスもスタートしています。このように、様々な領域で新たに生まれるインバウンド需要も注目に値します。
インバウンド戦略の策定には、過去のデータ分析が必須です。今年の戦略策定には、2020年のインバウンド業界を展望する資料が詰まったインバウンド調査報告書2020をご活用ください。
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本調査報告書について
本調査報告書は「訪日ラボ」が、2018年上期から2019年上期にかけてのインバウンド市場を徹底的に分析することで、2020年上期のインバウンド市場を展望する内容となっております。
本報告書の制作にあたり、観光庁やJNTOなどが提供する公的なデータ、株式会社ナビタイムジャパンからのデータ協力、そして自社メディアにて集積した膨大なデータを基に分析しており、変化の激しいインバウンド業界の方にとって価値のある情報を提供することを目的としています。
構成・各章の概要は以下の通り。
- 第1章「市場全体データから分析するインバウンドの現在」
- 訪日者数や消費金額総額等のマクロデータに加え、業界を支える事業者へのアンケートも交え、インバウンドの現在の趨勢についてまとめています。
- 第2章「都道府県別インバウンドデータに見る トレンドと課題」
- 全国47都道府県を9エリアに分け、県別に各種の公的データを集計。また、NAVITIME提供のインバウンドGPSデータによる宿泊者数や移動データも収録し、外国人訪問者の動向と消費の詳細が分かるデータとしてまとめています。
- 第3章「国・地域別インバウンドデータに見る トレンドと課題」
- 政府の指定する重点市場20か国について各種データを集計し、各国の訪問動向と消費内訳をまとめています。どの月にどの県へ訪問、宿泊がなされ、なにを期待して訪日したのか。またどの品目により多くの消費がなされたのか。次にインバウンド対策として打つべき手についてデータを分析しています。
- 第4章「業界別インバウンド市場ニュースと事例」
- 2019年1月-6月期において訪日ラボの人気記事を業界ごとにリストアップし、それらをPVの大きかった順に並べ、キーワードを抽出しています。メーカー、交通、宿泊、小売、そして地方自治体のニュースの記事が注目を集め、話題となったのか。業界ごとに分析・解説しています。
- 第5章「インバウンド対策ソリューション企業一覧」
- インバウンド向けに受け入れ対応したい・プロモーションしたい事業者をサポートする、インバウンド対策サービスをまとめ、リストアップしています。
書籍情報
書名:インバウンド調査報告書2020[2019年上期のデータから2020年上期を展望する]
著者:訪日ラボ
発行所:株式会社インプレス
発売日:2019年12月24日(火)
価格:CD(PDF)版、ダウンロード版90,000円(税別)CD(PDF)+冊子版100,000円(税別)
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訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
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