ブラジル人の英語力はどのくらい?公用語はブラジルとポルトガル語・高等教育でも英語は重視せず・要注目インバウンド事情・ビザについても解説

公開日:2020年01月23日

ブラジルからの訪日客は年々増加しており、各所にブラジリアンタウンと呼ばれる、在日ブラジル人が多く住む土地も生まれている近年、ブラジル人とコミュニケーションをとる機会も少なくありません。

また、企業や店舗ではインバウンド誘客の一環としてブラジル人の集客対策に取り組むこともあるでしょう。

この記事では、ブラジルの公用語、英語力、インバウンドにおけるブラジル人について解説します。

 

ブラジル人のことば事情

ブラジルの公用語はポルトガル語であり、ブラジル人は日常会話においてポルトガル語を使用しています。

その影響もあり、ブラジル人の話す英語はポルトガル語やスペイン語に近い訛りが混じっており、慣れていないと聞き取ることが難しいようです。

以下、ブラジル人の英語力や英語教育について解説します。

英語力は世界で59位「低い英語能力」に分類

英語力についての指標として用いられることも多いEF Educational Firstが2019年に発表した、EF SET(EF英語標準テスト)によれば、ブラジル全体では「低い英語能力」に分類されています。

都市ごとの結果では首都のブラジリアのみが「標準的な英語能力」に分類されたものの、ブラジル全体に関して言えば、世界的に見ても英語力は低いということになります。

実際のところブラジルの行政区画の一つであるブラジリア連邦直轄区やサンパウロ州では、英語を話せる人も珍しくありません。両地域では、日常的なコミュニケーションに困らない程度の英語が話されていますが、その他の州や地域ではほとんど英語は話されていません。

ラテンアメリカに属する他国と比べても下位のレベルであるとされており、英語力という点では近隣国のペルーやチリよりも低いようです。

ブラジルで英語はほとんど通じない

ブラジルでは空港や都市部でも英語が通じないことが多く、滞在中のほとんどすべてのシチュエーションで英語は通じないと考えておいた方が良いでしょう。

日常生活において英語を使用する頻度が低いことも要因の一つではありますが、ブラジルの英語教育に問題があるという声もあがっています。

高等教育において実践的な英語やレベルの高い英語を身に付けるべきという考え方も浸透しておらず、高学歴な人々の中にも英語を話せない人は少なくありません。 日本と類似した状況と言えるかもしれません。

ブラジルの英語教育

ブラジルでは初等教育の6年生から中等教育の3年生まで、年齢にして11歳から17歳にかけて、学校で英語の授業が実施されます。

独自の教育体制をとっている一部私立学校を除いて、多くの公立・私立学校が上記の英語教育体制を敷いています。

その中で、ブラジルの義務教育期間は6歳から14歳までです。義務教育修了と同時に働きに出た子どもたちは英語教育の全過程を修了できない上、たとえ全過程を修了しても英語を話せるようになる人は少ないというのが現状です。

また、大学の入学試験における外国語科目も英語かスペイン語から選択することが可能なため、英語を勉強することなく大学に進学する人もいます。

ポルトガル・ポルトガル語とブラジル・ポルトガル語の違い

ブラジルの公用語はポルトガル語ですが、実はポルトガルで話されているポルトガル語とは発音やアクセントが少し異なります。

ブラジルで話されているポルトガル語はいわゆるブラジル・ポルトガル語と呼ばれるもので、ポルトガル本国のネイティブでもコミュニケーションの際に苦労することがあるようです。

ポルトガル人にとって聞き取りづらいとされているブラジル・ポルトガル語ですが、母音がはっきりと発音されるという特徴があり、日本人にとっては聞き取りやすいという面もあるようです。

ブラジル人のインバウンド需要

日本を訪れるブラジル人の数やインバウンド需要はどのような状況にあるのでしょうか。

ブラジル人の訪日客数や特徴について解説します。

訪日者数はどんどん増えている

2013年までは増減を繰り返していた訪日ブラジル人客数ですが、5年連続の増加傾向となっており安定的にマーケットを拡大させています。

観光経済新聞によれば2018年には4万4,000人ものブラジル人が日本を訪れており、2013年に記録した27,000人から5年間で63%も増加しています。

訪日ブラジル人市場は、インバウンド界隈において将来的な成長が期待されている市場の一つです。今後はさらに多くの企業や店舗が訪日ブラジル人向けの集客対策やプロモーションに取り組んでいくと見られています。

訪日ブラジル人の特徴:日系ブラジル人の訪日で、目的地は分散

ブラジルは世界有数の日系人社会を持つ国で、観光経済新聞によれば約200万人もの日系人が存在します。

日系ブラジル人は、単なる観光目的の旅行者とは異なり、自身のルーツである地を訪れるために訪日するケースが多く、訪問先が日本全国に分散しています。

そのため、主要観光地として認知度が高い場所ではない地方でも、ブラジル人を意識した言語対応など受け入れ体制を整備することによって、今後のブラジル人の訪日観光客増加が期待できるかもしれません。

ブラジルからの訪日事情

日系人や日本を訪れるブラジル人が多いことは前述の通りですが、訪日ブラジル人を取り巻く環境はどのような状況なのでしょうか。

ブラジル人のビザや訪日目的について解説します。

ブラジル人の日本滞在にはビザが必要:優遇措置も

日本を訪れるブラジル人は最大滞在期間90日間のビザの発給を受けられます。有効期間は3年間で、一次ビザだけでなく数次ビザも獲得できます。

また、日系二世、三世のブラジル人や、日本人や日系人の配偶者には特別査証も発給しており、日本と関係性の深いブラジル人の訪日をサポートしています。

さらに、日系四世のブラジル人には特別受入制度を設けるなど、日本とブラジルの間では良好な関係が築かれています。

「知人・親戚訪問」が訪日のきっかけに

ブラジル人の訪日について語る上でのポイントとなるのがVFR(Visiting Friends and Relatives)=知人・親戚訪問です。

VFRとは、直訳すると「友人や親族を訪ねること」という意味で、訪日ブラジル人の中にはVFRを目的として日本を訪れる人々が少なくありません。

厚生労働省の発表によれば2017年10月時点で約12万人ものブラジル人が日本で働いており、日本で働く外国人労働者の国別内訳では、4位となっています。就労目的で日本に入国するブラジル人も、前述のようにほとんど英語が通じないと考えられます。

また、今後日本で働くブラジル人労働者が増加すれば、彼らの友人や親族がVFRを目的として訪日することにより訪日客数が増加し、訪日ブラジル人市場はさらに大きな市場となることが予想されます。

最近話題の「VFR=知人・家族訪問」訪日客4,000万人誘致の鍵に?

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今後増加が期待される訪日ブラジル人

近年では訪日ブラジル人客数の増加に伴い、ブラジル人向けのインバウンド誘客や対策が注目されつつあります。ただし、多くのブラジル人はあまり英語が得意ではないので、来客が見込める場合には別の言語(ポルトガル語など)でサービスを提供できるような準備が必要でしょう。

訪日ブラジル人にとっての目的地には、居住者でなければ足を運ばないような地域も含まれます。観光目的の訪日外国人があまり目を留めないような地域でも、ブラジル人を意識した言語対応等の受け入れ環境を整備すれば、ストレスのない滞在や観光体験を印象づけることができるはずです。こうした評判が友人や親戚に伝えられることにより、その後の観光客増にも期待できるかもしれません。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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