食の多様化対策について支援するフードダイバーシティ株式会社の守護です。
ハラール、ベジタリアン、ヴィーガンで数多く成功事例が積み上がってきた昨今。
しかしまだまだ全国で講演させてもらう中で「手間がかかるから対応できません」という声も多くいただきます。
もちろん人材不足が加速する中で、現状に加えて新しいオペレーションを組み込むことが難しいのは私もよく理解しているつもりです。
そのなかで「手間がかかるから対応する」という声も最近とても増えてきました。
それは一体どういうことなのでしょうか。今日はこちらについて解説します。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
手間をかけずに対応する方法は2通りのみ
ハラールやベジタリアン、ヴィーガンへの対応を進めるにあたり、手間をかけずに対応する方法には二つの方法があります。
1. 調理不要なハラール対応食品などを利用する
既製品を利用し、オペレーション面での手間を軽減し対応する方法です。
![▲[ベジ対策について]:フードダイバーシティ株式会社 ▲[ベジ対策について]:フードダイバーシティ株式会社](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5666/main_c962904581410c6649abc807eb172f49.png?auto=format)
![▲[ムスリム対策について]:フードダイバーシティ株式会社 ▲[ムスリム対策について]:フードダイバーシティ株式会社](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5667/main_6818e6ca21d464dc725892596581a555.png?auto=format)
2. しっかりと勉強して、仕組みを作ってパターン1で対応する
既存メニュー自体は極力変えず、ハラール、ヴィーガンについて勉強した上でそれぞれのメニューとして区分けし、展開する方法です。
![▲[三つの対応パターン]:フードダイバーシティ株式会社 ▲[三つの対応パターン]:フードダイバーシティ株式会社](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/5668/main_f449e5948fcd33ab81ad5c233c31e85b.png?auto=format)
手間をかけずに対応するには上記2通りの方法しかないとお伝えしています。
残念ですが、どちらも厳しいというお店様にはこれ以上なにも言えなくなってしまうのですが…
しかし今後も人材不足は止まらないと思いますし、そしてグローバル化も待ったなしの状態になりそうです。
キモとなるのは生産性
そんな中「手間がかかるから対応する」という声が市場から聞こえてくるようになりました。
詳細をよくよく聞いてみると、
- 人材不足が深刻
- 海外のお客様が増えていて、いろいろ聞かれたり、やりとりをしているとホールスタッフの足が止まる
- 海外のお客様が増えていて、いろいろイレギュラーに対応してるとキッチンスタッフが戸惑う
それでも売上をしっかりと立てて、利益を出さなければいけない(当たり前ですが)ということでしっかりと仕組みから変えていきたいとのこと。
最近こうした声が急激に増えてきているので、やはり大きく市場の流れが変わってきているのを実感致します。
生産性の敵は無理・無駄・ムラです。
ハラール、ベジタリアン、ヴィーガンなどに関わるものをそれぞれ見ていきましょう。
無理:目標としている成果に対して、リソースが足りていない状態
例えばハラールは別オペレーションで組んでいるため、ピーク時などに注文が来ると通常オペレーションの生産性も下がるなど、現場に無理が生じてしまう状態です。【このように解決】
通常メニューに、(それを必要としていない人にはわからないが)「実はハラール対応」「実はヴィーガン対応」という商品を増やしておく(全て対応しておくことも)
無駄:目標としている成果に対して、リソースが「過剰に供給されている」状態
例えばハラール専用の食材、調味料などを全て買いそろえても、お客様の入りが悪いと賞味期限が切れるなど、無駄が発生してしまう状態です。【このように解決】
通常メニューに使う食材・調味料をアニマルフリー、アルコールフリー変えておき、「○○専用食材・調味料」を減らしておく。(全て対応しておくことも)
ムラ:業務に対して仕組み化ができずに成果に「ムラができている」状態
例えば英語ができる、調理ができるというスキルが属人化してしまうと、その人が休みのときに同じサービスが提供できないといった、オペレーション面でムラが発生してしまう状態です。【このように解決】
上記2点に加えて、英語メニュー、ピクトグラム、明確なポリシーなどをしっかりと用意。
生産性を見つめ直し、対応手段を選択することが重要
この無理・無駄・ムラを解決するために、仕組み化のお手伝いをすることが増えてきました。
もちろん、これは生産性向上を図るための業務改善と見なすこともできます。そうなると企業の経営層にとっては当然の仕事ですね。
実際、すでに食の多様化に対応しているメニューを提供しているお店様からは「もし現在とっている対応を辞めたとしたら、生産性が下がって、現場はパニックになり、売り上げが大きく下がってしまうでしょう。」という声も聞こえてきます。
「手間がかかるから対応しない?」「手間がかかるから対応する?」
飲食店はどちらかの道を選ぶことになるわけですが、いずれにせよ「生産性」に対する考え方がとても重要になってくると思います。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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