WeChat(微信)グループチャットの作り方と中国人のWeChat活用法|「特別な空間」を作るインバウンド対策

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中国で月間11億人が利用するメッセンジャーアプリWeChat」は、個人間のメッセージのやりとりだけでなく、様々なジャンルの記事購読や繋がりのある友人に向けて近況を投稿できるソーシャル機能の「モーメンツ」など、幅広い機能が日常的に利用されています。

特にモーメンツのDAU(※デイリーアクティブユーザー/1日あたり何人がそのサービスを使ったかを表す)は7.5億人を超えると言われ、多くの人の日常に深く浸透していると言えます。

このように一見外からは見えない場所で多くの情報がやりとりされているWeChatは、メッセンジャーアプリの域を超えた「クローズドなSNS」とも呼ばれています。

今回はその「クローズドなSNS」の中でも、不特定多数が集まって特定のテーマについて直接情報交換をするグループチャットの存在についてご紹介したいと思います。

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WeChat(微信)グループチャットの作り方|「特別な空間」を作る

Wechatのグループチャットは最大500人のメンバーを追加することができ、数百人規模のグループチャットを形成して様々なトピックスの情報交換が行われています。

これらのグループチャット情報は百度(バイドゥ)などの検索エンジンで検索すると簡単にヒットし、「WeChatグループのメンバー募集」といった書き込みをたくさん見つけることができます。例えば「日本」というジャンルであれば日本旅行攻略、日本留学生の助け合いといったグループの募集にヒットします。

こうした書き込みにはグループチャットのQRコードや管理人のWeChatアカウントが記載されているので、直接QRを読み込んでグループチャットに加入申請するか、管理人に連絡をしてグループに追加してもらうという流れが一般的です。ただし、管理人によっては独自の加入ルールを設けていることもあるので、場合によってはグループに追加されないこともあります。

LINEのオープンチャットのように個人のアカウントを特定されず匿名・無条件で参加できるわけではなく、ある程度メンバー属性を絞ったFacabookのコミュニティやオンラインサロンに近い運用がされているといえます。

審査はあるが、匿名性の高さも保たれる

同時に、WeChatで表示されるユーザー名には本名ではなくニックネームを使う人も少なくありません。

グループチャットごとに表示名を変えることもできるため、メッセンジャーツールでありながらもより匿名性が保たれたSNSに近い使い方が可能になっています。

▲[「日本旅行」関連のグループチャットメンバー募集の書き込み]:コミュニティサイト・ドウバンより
▲[「日本旅行」関連のグループチャットメンバー募集の書き込み]:コミュニティサイト・ドウバンより

中国人は、WeChatグループチャットをどのように活用しているか

WeChatには多種多様なグループチャットが存在しますが、参加者の目的は様々です。

同窓会や同じジムの会員、ご近所のママ友たちといったリアルの知り合いのグループにはじまり、アニメ漫画といった趣味、業界の情報交換を目的としたビジネス系グループから勉強の進捗を報告し合うグループまで、ありとあらゆるジャンルを網羅しているといっても過言ではないでしょう。

「大阪」「日本文化」の情報を募集→お礼に「紅包」

下の画像は、大阪に関する情報交換と、日本文化に関する情報交換のグループチャットのそれぞれをスクリーンショットしたものです

こちらのグループチャットにはそれぞれ約400人のメンバーが在籍し、各々がグループチャットの趣旨に沿った情報を交換しています。

大阪がテーマのチャットでは「このマスクはどこで買えますか」といった質問や、日本文化がテーマのチャットではアンケートの協力依頼をし、協力してくれた人に対して紅包(お年玉)を配っている人もいます。こうした中国の金銭を通じて感謝を伝える文化も、ギブアンドテイクの促進を手伝っていると言えます。

このグループチャットはほんの一例で、WeChatではこのような不特定多数のメンバーが集まり、関心領域の知識のシェアをする場が無数にあります。    

▲[グループチャットのやりとり]:筆者キャプチャ
▲[グループチャットのやりとり]:筆者キャプチャ

中国人のWeChat活用法(微信):記事、公式アカウント、モーメンツを検索

WeChatを通じた情報取得という点では、2017年にリリースされたWeChat内の検索機能も無視することができません。

WeChatには個人アカウントだけでなく企業やメディアが開設する公式アカウントが多数存在し、記事配信など多くの情報発信を行っています。2017年時点で1,000万以上の公式アカウントが存在すると言われており、WeChatの中には多くの情報が蓄積されています。

WeChatの検索機能ではこれらの膨大な「記事」「公式アカウント」「モーメンツ」等を検索することができ、百度(バイドゥ)などの総合検索エンジンで検索するよりもピンポイントで、ノイズの少ない検索結果にアクセスできます。

言い換えれば、WeChatには個人や企業アカウントによる膨大な情報が蓄積されており、検索機能がそれらとユーザーをつないでいます。WeChatは外から見れば閉ざされた空間のように見えますが、中には開かれた膨大な情報空間があり、中国の人々にとって重要な情報源です。

こうして取得した情報は更にチャットやモーメンツでシェアされていき、WeChatの中での情報拡散が生まれていきます。

▲[WeChatで検索機能を起動した状態]:筆者キャプチャ
▲[WeChatで検索機能を起動した状態]:筆者キャプチャ

WeChatで「東京 寿司」と検索すると?

実際にWeChatで「東京 寿司」と検索すると、WeChatで配信されている記事や、企業アカウントなど多数の結果がヒットします。 

▲[WeChatで「東京 寿司」と検索した検索結果の画面]:筆者キャプチャ
▲[WeChatで「東京 寿司」と検索した検索結果の画面]:筆者キャプチャ

トップにヒットした記事では、「東京でオススメの寿司屋20店」 というタイトルで東京にある寿司屋の店舗情報が写真とレビュー付きで紹介されています。

これらの記事は文章担当、デザイン担当、企画担当といったチームを組んで運用されていることが多く、複数のフォントやオリジナルのデザイン・画像を利用してアカウント独自の世界観を作り出しているという特徴があります。

WeChat公式アカウントに予約機能、「モーメンツ」に寄せる全幅の信頼

記事だけではなく「GINZA ONODERA」「寿司郎(スシロー)」といった公式アカウントもヒットします。WeChatの公式アカウントでは、設定したリンクから店舗検索や予約を行うことも可能です。

せっかくWeChatで検索をされたのに接点を持てなかったという機会損失をしないためにも、公式アカウントを開設し、店舗訪問などの導線を作っておくことは非常に重要です。

また、すでにWeChat上で友達になっているユーザーのモーメンツも検索結果に表示されます。「東京 寿司」というワードで投稿している友達のモーメンツもヒットします。

信頼している人の情報は信頼できるという空気感のある中国では、モーメンツも存在感のある情報源になっています。

目に見えない場所でこそ、重要な情報が拡散されている

WeChatは個人間のクローズドな場所で情報のやりとりがなされるため、どんな情報が拡散されているか、どんな情報が影響力を持っているかといった効果を定量的に測定しずらい印象を抱く人もいるかもしれません。情報そのものインパクトを強めたり、発信時の印象を左右する要素を理解するには、まず、WeChatのグループチャットモーメンツといった場所で日常的に情報が生まれ、広がっていくという構図を理解、体感することが重要かもしれません。

中国コミュニティにおける情報発信・情報取得・情報拡散の流れを把握することで、訪日中国人をターゲットとしたより質の高いコンテンツが作れるようになるのではないでしょうか。

<参照>

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1623996088129149072

http://www.chyxx.com/industry/201805/645403.html

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

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宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


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この記事の筆者

兵頭 和(ビントウ)

兵頭 和(ビントウ)

2016年中国北京での社会人インターンを経て2017年よりEC事業会社にて越境EC天猫国際)運営、国内ECの開発企画、ディレクションを担当。現場目線で中国アプリサービスを解説する。愛媛生まれ。

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