日本人に耳馴染みのある英語はいわゆるアメリカ英語です。これは、学校教育で用いられている英語がアメリカ英語であることに起因しています。
一方で、同じ英語圏でも国や地域によって訛りや特徴があり、独自の言葉の省略やスラングも日常的に使われています。そのため、話している言葉は同じ英語でも微妙なニュアンスが伝わらないこともしばしば見受けられます。
その中でも今回はAussie English(オージー・イングリッシュ)と呼ばれる、オーストラリア人の使う英語についてご紹介します。
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オーストラリア人の英語の特徴とは?
舌を巻いたような発音が多いアメリカ英語に対して、オーストラリア英語は母音の強いイギリス英語に発音が近いとい
われています。
だからと言って日本人に聞きやすいかといわれれば、そうとも限らず、むしろ基本的な知識と耳が慣れなければ簡単な日常会話ですら苦労してしまいます。
オーストラリアの英語にはどのような特徴があるのか具体的に紹介します。
1. 発音
日本人が苦手な「r」の発音ですが、実はオーストラリア英語だとアメリカ英語のように舌を丸めて発音することはありません。
各国の英語の発音を比較する時に必ず用いられるのが「water」の発音で、アメリカ英語だと「ウォーラー」に近い発音となります。
しかしオーストラリア英語だと「ウォラァ」に近い音に聞こえます。この「r-less」または「non-rhotic」と呼ばれる発音がオーストラリア英語の最大の特徴です。
その他、aを「アイ」と発音するので「Okay」が「オォカイ」、caを「キャ」ではなく「カ」と発音しますから「Yes I can」が「イエス、アイカン」と言った風に発音されます。
2. 独特な指小辞(ししょうじ)
指小辞(愛情・愛着・親近感を込めた表現)をよく見かけるのもオーストラリア英語の特徴で、単語を省略して「a,o,ie,y」などをくっつけるのが代表的な例です。
実はオーストラリア人を表す「Aussie」もその中の1つであり、Australianを省略して「ie」を後半にくっつけ「オージー」となる仕組みです。このような指小辞はオーストラリア英語で日常的に使われるので初めて聞くときは戸惑うかもしれません。
「dog」を「doggy」と変形させるのは、第二言語として英語を学習したことのある日本人ならば感覚的に理解できるかもしれません。しかし中には感覚がつかみづらい変形をするものもあります。
たとえば朝食「breakfast」は「breakkie」となり、先ほどの犬の事例と比較すると分かりづらいかもしれません。
「a cup of tea」にいたっては「cuppa」に変形します。発音はしやすくなるものの、元の単語が推測できない単語もたくさんあります。
3. 綴り
公共機関で見かける案内表記は基本的にイギリス英語と同じです。ただ、アメリカ英語とイギリス英語の綴りはわずかに異なるので注意してください。
例えば「color」が「colour」、「center」が「centre」、「theater」が「theatre」と表記されます。綴りが変わるからといって発音は変わりません。
オーストラリア英語が複雑なのは、場合によっては意図してアメリカ英語の綴りを用いることにあります。
政党の1つであるオーストラリア労働党は本来の「Australian Labour Party」ではなく「Australian Labor Party」の綴りを採用しました。これはイギリスの「British Labour Party」よりもアメリカの自由主義に思想が近いことが理由に挙げられています。
オーストラリア英語には3種類ある
日本語であれば住む地域によって方言や訛りが出てきます。しかし、オーストラリア英語の場合は話言葉で階級がわかるといわれています。
サッカー選手のデヴィッド・ベッカムが話す英語について、「知的ではない」と揶揄されることもありますが、これは彼の話す英語の訛りが関係しています。
オーストラリアではどのように区別されているのかを紹介します。
1. General Australian:人口の70%が使用
オーストラリア英語でも多数派を占めるのが「General Australian」です。訛りの程度には個人差が見られるものの、ほぼイギリスロンドンの一般市民が話す英語に相当するものと考えてよいでしょう。
学校教員が使う英語もこれに当てはまるため、多数派になったという経緯が考えられます。
2. Cultivated Australian:人口の20%が使用
教養のある人が話す訛りの少ない英語です。そのため格段に聞きやすく、イギリスであれば「upper class」と呼ばれるような地位の高い人、大学教授などが使う英語で「Cultivated Australian」もこれに近い発音をします。
特徴としてRP発音(英語の容認標準語)ともいわれ、BBC英語など権威ある公共放送でアンカーを務める人が同じような英語を話します。
ハリウッド女優のケイト・ブランシェットはこの英語を駆使して大役を掴んできました。彼女はメルボルンの出身の一般的な家庭に育ちましたが、長らく大学生活を送ったことで「Cultivated」の発音が身についたと語っています。
3. Broad Australian:人口の10%が使用
非常にオーストラリア特有の訛りが強く、ロンドンのCockneyに近い英語とされます。一昔前に「クロコダイルダンディー」という映画が流行しました。この映画の主人公が話す英語が「Broad」であり、現地の人でも聞き取りが困難とされています。
シドニーやメルボルンといった大都市ではほとんど聞く機会はなく、田舎まで足を運ばないとこの英語に出会うことはできないでしょう。オーストラリアの首相を務めたことがあるジュリア・ギラードも「Broad」訛りの英語を話していました。
オーストラリア人がよく使う単語&言い回し
何かと言葉を省略したがるのがオーストラリア人の特性らしく、単語や言い回しをピックアップすると日常的な略語がどれほど多いのかがうかがえます。
オーストラリア特有の略語が用いられている単語と、言い回しを紹介します。
1. 単語(スラング)
誰もが知っている英単語として「Thank you」はその筆頭に挙げられると思いますが、オーストラリアでは「Ta」で済んでしまいます。
その他にも「afternoon」は「arvo」、「McDonald」を「Macca's」と発音するなど、3音節は2音節に縮めてしまうのが特徴です。
最近でいえば大手SNSである「facebook」も「facey」と省略されるなど、若者の間で次々と新しい略語が誕生しています。
ちなみに「Christmas」も「Chrissie」となり、クリスマスプレゼントは「Chrissie prezzies」と略語を組みわせたスラングも数多く存在します。
2. 言い回し
単語だけではなく、オーストラリア英語では独特の言い回しも使われています。
オーストラリア人と話す機会があれば覚えておきたい言い回しとして、「How are you going?」があります。「How are you doing?」に相当し、このフレーズは挨拶の時などによく使われます。
他には、アメリカ英語でも使われているyouの短縮系「ya」が、オーストラリアでは「Good on ya」=「よくやった!」と使われたり、本来「満腹の、おなかがいっぱいの」という意味のstuffedを使用した「I’m stuffed」=「私はくたくたに疲れている」など、独特の言い回しがよくみられます。
オーストラリア人の英語は、独特な発音と省略語が多いのが特徴
国民性が色濃く反映されたオーストラリアの英語には、先住民(アボリジニ)の言葉の影響を受けているともいわれています。
日本人にも難易度の低い発音と明るい響きに慣れれば、オーストラリア英語は親しみやすい言葉になるでしょう。
オーストラリア人の話す英語の特徴を理解していれば、訪日オーストラリア人とのコミュニケーションのきっかけにできたりと、インバウンド対策にも生かせるはずです。
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