新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、マスクの需要が急激に高まったため、薬局などの店頭でマスクが品薄となっています。
同じくマスク不足の台湾では、政府によりマスクの供給が規制され、1人が購入できるマスクを週3枚までとする制限が施行されました。これに伴い、台湾のIT大臣こと唐鳳氏をはじめとする政府役員が各薬局のマスクの在庫をインターネット上に公開しました。
この情報を活用して台湾の各エンジニアによりわずか数日で製作された「リアルタイムマスクマップ」は台湾中に普及しており、更に世界の注目をも集めています。ここでは、台湾のマスク事情とリアルタイムマスクマップの現状を紹介します。
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マスク在庫がわかるマップ作成、「神対応」台湾IT大臣
各薬局のマスクの在庫量をインターネット上に公開した唐鳳(オードリー・タン)氏は、日本の内閣に相当する中華民国行政院にて、日本のIT政策担当大臣に相当するデジタル政務委員という役職に就いています。
唐鳳氏は2016年、35歳という若さで閣僚に就任し、台湾史上最年少の閣僚となりました。その後4年にわたり蔡英文政権のIT政策を支え続け、オープンソースソフトウェアの開発やIoT事業の推進などを手がけています。
今回の新型コロナウイルスによるマスク不足に鑑み、台湾政府は2020年2月6日からマスクの購入規制を始めました。この購入規制は、1人が購入できるマスクを週3枚に制限するというものです。
さらに身分証番号の末尾が奇数の人は月曜日、水曜日、金曜日、偶数の人は火曜日、木曜日、土曜日に購入できるとする制限も科されました。
購入制限によりマスク販売場所に指定された薬局へ人が殺到することも予想されましたが、唐鳳氏により公開された情報を活用したリアルタイムマスクマップの登場で、各薬局のマスクの在庫が一目で分かるようになり、マスクを求める人々も各薬局へ分散するようになりました。
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台湾版「マスクマップ」はこんなに便利
リアルタイムマスクマップのWebページを開くと、位置情報をもとに付近の薬局が地図上に表示されます。
薬局はそれぞれ色で分けられており、マスクの在庫に余裕のある薬局は緑、50%以下の薬局は黄色、20%以下の薬局は赤、在庫のない薬局は灰色でそれぞれ表示されます。
薬局をクリックするとその薬局の名称と住所、営業時間、マスクの販売方法や販売時間、そしてマスクの在庫数などが吹き出しで表示されます。
また、地図上に表示される薬局は在庫数や距離で絞り込むことも可能で、情報は常に最新のものに更新されます。
マスクの購入制限が施行されてすぐの頃は多くの人が近隣の薬局に並んでいました。
しかしリアルタイムマスクマップが普及したことにより、少し遠くの薬局までマスクを買いに行く人や混雑する時間帯を避けて薬局を訪れる人が増えたことで、以前ほどの大混雑は見受けられなくなりました。
また、今後はインターネットでマスクを予約するサービスやコンビニでマスクを受け取るサービスなどが始まる予定で、マスク購入の利便性は更に高まると予想されます。
その一方で、マスクの購入が週3枚に限られていることや、学校や病院など多くの公共の場所ではマスクの着用が求められているため、マスクの需要は引き続き高いままとなっています。台湾政府は今後1日1,000万枚程度の供給を目指すとしており、現在も増産の努力は続いています。
<参照>
MAG2NEWS:https://www.mag2.com/p/news/439197
朝日新聞:https://www.asahi.com/articles/ASN3B5WVPN3BUHBI021.html
マスク供給量情報プラットフォーム:https://mask.pdis.nat.gov.tw/
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