近年のグローバル化、インバウンド増加に伴い、接客業やIT関係を中心に外国人採用は増えてきています。職種によっては日本語があまり必要ない場合もありますが、接客業などでは日本語でのコミュニケーションスキルが必要になります。
この記事では、外国人採用にあたって知っておくべき、日本語能力を測る日本語能力試験(JLPT)について紹介します。
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日本語能力試験(JLPT)とは?
外国人採用の際に、日本語能力を見る方法のひとつが日本語能力試験のレベルです。日本人には馴染みのない試験ですが、外国人の日本語能力を客観的に判断する基準として利用することができます。
日本語能力を測定するための試験
日本語能力試験とは、英名をJapanese Language Proficiency Test(JLPT)と言い、1984年に開始された「日本語を母国語としない人の日本語能力を測定する試験」です。
国際交流基金と日本国際教育支援協会の共催で、毎年2回実施されます。試験を実施する国・都市も年々増加しており、35年目を迎えた2019年には46の国・地域、147都市で実施され、約64万人が挑戦しました。
前年度に比べて海外の受験応募者数は約6万2000人(17%)、国内は約3万7000人(21%)増加し、過去最多の受験応募者数を更新しています。日本語能力試験の高レベルの合格は国家試験を受けるための条件のひとつでもあり、また合格者には、出入国管理上の優遇措置もあります。
日本語能力試験の特徴
日本語能力試験は、日本語の文字・文法・語彙などの知識がどの程度あるかだけでなく、その知識を使ってどの程度日本語でコミュニケーションを取ることができるかを測る試験です。
試験は「言語知識(文字・語彙・文法)」「読解」「聴解」という3つの要素から成り、すべての解答は選択式のマークシートで行われます。そのため、「話す」「書く」という能力を直接判断することはできません。
試験問題を毎回まったく同じ難易度にするのは困難なため、「尺度得点」という方式が取り入れられています。これは、試験によって起こる問題の難易度の差による得点の違いを出さないよう、「等化」という方法を用いていつも同じ尺度で点数を測れるようにします。
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日本語能力試験の難易度は?
日本語能力試験の難易度は、受験するレベルによって変動します。各級の認定の目安と合格基準点を見てみます。
N5からN1まで、5段階の等級が存在する
日本語能力試験は、最も簡単なN5から最も難しいN1までの5段階の等級があります。
N5とN4は、主に教室で学ぶ基本的な語彙や漢字などを使って短い会話から情報を得られるかどうかなどの日本語の理解能力を測ります。
N3は、難易度が高い文章をやさしく言い換えれば理解できる・自然に近い会話スピードの会話をある程度理解できるレベルです。
N2とN1はまとまりのある会話やニュースなどから必要な情報を理解し、現実のさまざまな場面でコミュニケーションに用いる高度な日本語の活用能力を判断します。
各級の合格基準は?
試験の得点はどの級も全て180点満点です。N5は80点、N4は85点、N3は90点、N2は95点、N1は100点以上が合格基準点となり、等級によって異なります。
この総合得点と合わせて、N5とN4は「言語知識・読解」「聴解」の2区分、N2とN1では「言語知識」「読解」「聴解」の3区分にそれぞれ基準点が存在します。これらすべての区分の基準点を満たさないと、総合得点で合格基準点を上回っても合格とは認められません。
つまり合格するには、総合得点が基準を上回っている、各区分の得点がそれぞれの基準点を上回っている、という2つを満たしていることが条件となります。また、受けるべき試験科目のうち、1つでも受験していない科目があると採点対象外となり、不合格となります。
問題なく業務がこなせるレベルは何級?
ここまで日本語能力試験と等級について解説しましたが、外国人労働者を受け入れる事業者が最も気になる「実際に業務に就いた場合の日本語レベルはどのくらい必要になのか」について解説します。
近年増加してきている外国人労働者を採用する際には日本語レベルを見極めることは、採用後のために大切です。
世界で最も豊富な日本語人材を有する国・中国
アジア各国の現地人材採用に役立つ日本語人材の現状や求職者の動きを解説するシリーズ。今回は 中国・香港・シンガポール を取り上げます。 前回はこちら [blogcard url=”https://honichi.com/news/2017/09/25/japanesesresourcesinindonesiathaivietnam/”] [cta_toc_upper_banner]
接客業などではN2以上が理想
接客業では、日本人の顧客を相手に会話をする必要があったり、電話対応などの必要があったりするため、日常的な場面で使われる日本語に加えてより幅広い場面で使われる日本語をある程度理解できる力が必要です。その場合は、高度な日本語の知識があるとされるN2以上が理想です。
幅広い場面で使われる高度な日本語を理解できるとされているN1は、4年制大学の日本語学科を卒業した学生などが取得する資格です。エンジニアなどを目指す理系の学生の場合、N1を保持する人は少なく、採用基準をN1保持者に限定するとハードルが高くなりすぎる恐れがあります。
社内での会話に留まる場合はN3でも可
日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できるとされているN3保持者であれば、社内でのコミュニケーションには不自由しない程度の最低限の日本語能力を備えていると言えます。同じN3保持者でも、読解能力の高い人や会話能力の高い人など日本語能力の高い低いは出てきます。
したがって、必ずしも日本語能力試験の等級を保持していなくとも、社内でのコミュニケーションには問題のない人も存在します。
外国人採用の際には、日本語能力試験の等級保持者に限定するのではなく「N3相当」という形で間口を広げ、試験の合格不合格にかかわらず、面接でコミュニケーション能力を見極めるのが理想です。
このように、業務内容にもよって求められるレベルは異なり、顧客と接する必要のない社内業務であればN3レベル、接客業では高いコミュニケーション能力が求められるため、N2以上で安心と言われています。
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日本語能力試験を知って、外国人採用に取り組もう
外国人採用で一番の懸念材料になるのが日本語の能力かもしれません。その際に一定の基準となるのが日本語能力試験です。
N3以上の保持者であれば、ある程度のコミュニケーションは日本語で問題ないと言えますが、その中でも会話が得意な人や読み書きが得意な人などさまざまです。自社に必要な日本語能力はどの程度なのか、どの業務にどれくらいの日本語レベルが必要なのかを把握しておくと、外国人採用もスムーズに行うことができるのではないでしょうか。
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