中国で市場拡大中「ライブコマース」って?「コンテンツ」がモノを売る時代に、マスク半顔メイクがヒットした理由

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タレントやインフルエンサーがライブ動画を配信し、視聴者はリアルタイムに質問やコメントをしながら商品を購入できるという新しいECの形、「ライブコマース」の市場が近年注目されています。

日本でも今後成長が期待される「ライブコマース」ですが、中国事例を元にその背景と今後の展望を解説します。


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ライブコマースとは?

その名のとおり、ライブ配信の機能に加え、動画の中で紹介された商品が購入できるECの機能がついていることが特徴です。

先行する中国では既に2時間で3億円を売り上げるようなトップインフルエンサーも誕生しており、日本でも『メルカリチャンネル』『SHOPROOM』、『Live Shop!』、『MimiTV』といった関連アプリが続々とリリースされました。

▲「タオバオライブ」のライブ配信の様子

左のキャプチャは、黒いワンピースを着た女性(ライブ配信者=ライバー)がライブ配信をしている様子です。この着用ワンピースは198元(約3,000円)で販売されており、画面下部の価格が表示されている商品見出しをタップすると直接タオバオの商品ページに遷移することができます。

画面上部左上を見ると、1,788人がリアルタイムでライブ配信を視聴していることが分かります。

視聴者はライブ配信者に対して随時コメントすることができ、細かいサイズや生地の質感の確認や着まわしやコーディネートのアドバイスを受けることもできます。

こうして多くの視聴者がライブ配信者とのやりとりを見ながら、購入の判断に役立てています。

右のキャプチャ「タオバオライブ」コーナーのトップ画面から分かるように、ライブ配信の商材はアパレルに限らず、食品や旅行用品まで多岐に渡ります。

巨大な中国のライブコマース市場「タオバオライブ」1.5兆円規模の取引

しかし日本での認知度と普及度はまだまだ高いとは言えず、2018年のマクロミルによる15歳から49歳の男女2万人を対象にしたライブコマース利用実態調査でのライブコマース認知率は約30%、認知している人のうち視聴に至った人はさらに半数以下という結果になっています。

一方中国ではライブコマース市場が大きく成長しており、先に紹介したECプラットフォームの「タオバオ」が提供する「タオバオライブ」では2018年すでに1,000億元(日本円で約1兆5,280億円)規模の取引があったことが報告されています。

タオバオライブ以外にも、京東(JD.com)や拼多多(ピンドゥオドゥオ)のようなECプラットフォームでも商品ページ直結型のライブ配信機能が用意されています。

TikTokの本家である抖音(Douyin)や快手(Kwai)といった短尺の動画を扱うショートムービープラットフォームでは、外部ECへのリンクを貼ることができ、商品プロモーションにも活用されています。

能動的な買い物から受動的な買い物へ

中国のEC化率(すべての商取引の内、電子商取引が占める割合のこと)は15%を超えており、世界を見渡しても群を抜いてEC化率が進んでいます。

しかし快手(Kwai)や抖音(Douyin/TikTok)をはじめとするショートムービーサービスなどの登場に伴い、従来のオンラインショッピングの時間が動画視聴の時間などに奪われ、天猫(Tmall)や京東(JD.com)といったECの閲覧時間はどんどん短くなっています。

閲覧たったの6秒「モノを探さない、説明文を読まない」でも買い物はしたい

ECの商品ページ平均閲覧時間はわずか6秒とも言われ、ユーザーはどんどんモノを探さない、説明文を読まない傾向が強くなっています。

従来のオンランショッピングでのユーザーの行動は、検索→商品認知→購入という流れでした。ただし検索から商品の認知、購入の決定までに「商品理解」の過程が存在します。日常生活が忙しい、単純に気が向かないなどの理由で説明文を読まないユーザーであれば、この過程のいずれかで脱落し、商品の購入には至らないでしょう。

ライブ動画の中で商品に出会った場合には、商品認知や購入検討のプロセスを、動画の視聴だけで済ませることができます。購入に際しての消費者の心理的負担を下げることができるといえるでしょう。

こうした消費者心理に気づいたECプラットフォームにより、「ライブコマース」の市場は開拓され、発展してきました。

この続きから読める内容

  • 「認知獲得」だけじゃない、ライブ配信のメリット
  • 奪い合いの「バナー広告」枠、アピールできる道は「ライブ」へと変化
  • 「情報収集ツール」としてのライブ配信:新型肺炎にちなんだコンテンツも
  • 新型肺炎でマスク着用時間が激増→「マスク半顔メイク」誕生
  • 形式は変わっても変わらない、消費者が「買い物に求めるもの」見極めの重要性
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この記事の筆者

兵頭 和(ビントウ)

兵頭 和(ビントウ)

2016年中国北京での社会人インターンを経て2017年よりEC事業会社にて越境EC天猫国際)運営、国内ECの開発企画、ディレクションを担当。現場目線で中国アプリサービスを解説する。愛媛生まれ。

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