外国人向けワーケーションの誘致で地方創生! | ワーケーションとは・誘致に必要なもの・取り組み事例

公開日:2020年03月30日

仕事と休暇を同時に行う、「ワーケーション」という新しい働き方が注目されています。

「ワーク(Work・仕事)」と「バケーション(Vacation・休暇)」を組み合わせた造語で、働き方改革や地方創生につながると期待されています

この記事では、ワーケーションとは何か、ワーカーを誘致するにあたっての課題を解説します。

ワーケーションとは

ワークとバケーションを組み合わせた造語、「ワーケーション」は、アメリカで生まれた言葉です。

旅先でのリモートワークの採用など、その柔軟性が特徴で、日本国内でも取り組みを開始する企業が増えています。ここでは、ワーケーションの具体的な意味と、国内外の取り組み状況を解説します。

ワーケーションという新しいライフスタイル

ワーケーションは、リゾート地や地方などで休暇を過ごしながら間に仕事を行う仕組みです。

短期・長期、自分で計画するものと企業側で参加者を募るもの、企業側が福利厚生として提供するものなど、さまざまなパターンがあります。

時間や場所を自分自身で選択する、自由度の高い新しいワークスタイル、ライフスタイルです。

雇用促進ができず人口が流出傾向にあるような地方でも、リモートワーク環境と休暇を過ごす魅力的なポイントを用意することで、もともと仕事を持った人を招くことができます

「リモートワーク」とは、企業のオフィス以外の場所で仕事をする働き方です。パソコンなどの通信機器を使用してオフィスと連携をとることが多く、「テレワーク」とも言われます。

ワークライフバランスを意識した働き方改革の一助となるだけでなく、地方創生が期待できます。

海外でのワーケーション

海外のワーケーション事例の特徴は、「休暇」をメインに考えていることです。同じワーケーションでも日本人は仕事優先で、休暇先でも仕事につながるヒントを探そうとする傾向があるようです。

また、海外のワーケーションの場合、スケジュールや場所を選択するのはワーケーションを過ごす人自身が実施します。企業側でプランや場所を提供することはほぼありません。

さらに海外では、コワーキングスペースで他のワーカーたちと交流しながら働く「コワーケーション」というワークスタイルがあり、コワーキングスペースでも専用のプランを用意している場合があります。

日本企業でも導入進む

休暇取得の促進、多様な働き方の確立を目指して、日本企業、自治体においてもワーケーションの導入が進んでいます

大手航空会社のJALは、2017年にワークショップとテレワーク体験ツアーを実施しました。2018年度内に約170人のスタッフが利用したそうです。

また、リモートワークなどの働き方改革に積極的に取り組んできた株式会社JTBは、2019年に「ワーケーション・ハワイ」という制度を導入しました。

ハワイで働くスタッフが専用スペースでテレワークを行うもので、国内勤務のスタッフだけでなく海外スタッフにも配慮しています。

2019年の労働基準法改正により、年に5日以上の年次有給休暇取得が定められましたが、ワーケーションという働き方は年次有給休暇が取得しやすい環境づくりに寄与すると期待されています。

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ワーケーション誘致に必要なもの

ワーケーションを誘致するためには、仕事と休暇の両方ができる環境づくりが必要です。このうち仕事については、リモートワークがスムーズに行える環境でなくてはなりません。

コワーキング環境

休暇の過ごし方は、リゾートステイや地域コミュニティで暮らす、自然の中で過ごすなど人によってさまざまであり、その地方の特色を生かしてアプローチが可能です。

そこに共通していることは、非日常感を得ながら静かで穏やかなロケーションのようです。

株式会社アドリブワークスが2019年に実施した、全国20~60代男女を対象に実施したワーケーションの意識調査によれば、ワーケーションに取り組みたいと考えている人の約40%が東京都在住、半数以上が関東圏在住でした。

▲[ワーケーションに取り組みたいと考える人の居住地]:株式会社アドリブワークス実施のワーケーションに関する意識調査より
▲[ワーケーションに取り組みたいと考える人の居住地]:株式会社アドリブワークス実施のワーケーションに関する意識調査より

人や物が密集する都心部のワーカーが、地方に求める「静寂」や「長閑」といったニーズを読み取ることができます。

そうした環境の中で、宿泊施設内にビジネスルームを設ける、十分な電源を確保するなどのコワーキング環境づくりが必要です。

情報セキュリティ対策

リモートワークは、モバイルPCやスマートフォンなどの通信機器を使用することがほとんどです。そこで課題となるのが情報の管理です。

オフィスでは、パソコンは施錠できるキャビネットに収納してから帰宅するといった管理を実施している企業もあります。

しかし、リモートワークでそうした管理を徹底することは難しく、持ち歩く中で紛失や盗難などが発生する可能性もあります。監視カメラの設置などの対策が必要となるでしょう。

また、ネットワーク上での情報漏洩の可能性もありますので、安全性の高いWi-Fiを導入するなどの対策が求められます。

Wi-Fi環境

ワーケーションを成立させる重要な要件となるのがWi-Fi環境です。

リモートワーク(テレワーク)はネットワークを使用しますので、ネットワークに接続するためのWi-Fiを広い範囲で導入することが必要になります。

オフィスにいるように遅滞なく仕事を進められるよう、Wi-Fiの速度も一定レベル以上のものを導入する必要があるでしょう。

どれだけロケーションが良くてもWi-Fi環境が整っておらずPC作業がはかどらないと、ワーカーは強いストレスを感じてしまいかねません。

ワーケーション誘致の事例

ワーケーションは、ワーケーションをする人、ワーケーションを許可する人、ワーケーションを受け入れる人の3点で成り立ちます。

ワーケーションという働き方を導入する企業だけでなく、「ぜひ我が地域でワーケーションを」という地方の取り組みも広まっています。

徳島県のパンフレット作成

徳島県では、県全域でサテライトオフィスの誘致に取り組んでいます

古民家を再利用したコワーキングスペースで暮らすように仕事をし、地域の伝統文化や郷土料理、人々との交流が存分に体験できます。

徳島県西部で実施する「ワーケーションinにし阿波」は、ワーケーションの魅力を伝えワーケーションの実施やサテライトオフィスを誘致するプロモーション媒体として、パンフレットを活用しています。

海外企業や外国人起業家に対し、リモートワークのしやすさを含めた受け入れ環境や豊富な体験プランをPRするもので、日本語のほか英語、中国語、ドイツ語で作成されています。

ワーケーションPR・4K動画の作成により、滞在をイメージしやすいプロモーションを展開しています。

和歌山県のワーケーション・フォーラムの開催

和歌山県、熊野古道がある田辺・白浜エリアでは、2015年からワーケーションの推進を開始しました。

エリア内のサテライトオフィスの誘致のほか、ワーケーション経験者を講師に迎えたワーケーション・フォーラムを都内で実施しています。

さらに、首都圏企業の社員が田辺・白浜の企業等と交流や課題検討を行い、次世代のリーダーを育成する研修プログラムも実施しています。

株式会社アドリブワークスのワーケーション意識調査によれば、ワーケーションの目的に「他地域の事業に参加し自身のスキルを試したい」といったものがあげられており、そのようなニーズにコミットするプログラムといえます。

長野の自然豊かなリゾート地の活用

東京からのアクセスが良く豊かな自然を有する長野県は、避暑地として人気の軽井沢をはじめ各地にリモートワークの拠点を整えています。

長野県のワーケーションの取り組みは、商店街の空き店舗などを有効活用している点が特徴です。

信濃町のノマドワークセンターや民間ホテルによるコワーキングスペースの設備投資など、企業だけでなく個人で好ロケーションを探すワーカーにもアプローチしています。

さらに、ワーケーションに関心がある企業を対象とした「信州リゾートテレワークフォーラム」を開催し、長野県でのワーケーションのメリットや魅力を伝えています。

ワーケーションに最適な環境づくりを

各地方が有する自然や文化、人柄は、ワーケーションの候補地を選定する大きな要素となります。

加えて、円滑に仕事を進められる設備を整え、ワーカーに対して「快適さ」を提供することが重要です。

都市部のワーカーが地方に長期滞在して経済や文化交流の発展材料となるだけでなく、地元企業との関わりから今までなかった商品やサービスが生まれるかもしれません。

さらに、都市部や海外のワーカーがワーケーションを通して生き生きと仕事に取り組む姿を見て、地方でもワーケーションを選択する人、積極的に休暇を取得する人が増加する可能性もあります。

働き方改革、地方創生インバウンド成長など、さまざまな視点からプログラム内容を吟味して、ワーケーションの環境づくりをすすめていくことが大切です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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