日本語能力試験・日本語検定を解説!違いや外国人採用に利用する際の注意点など

公開日:2020年04月01日

日本文化への関心の高まりを受け、海外の多くの国では日本語を勉強したいと考えている外国人が増えています。

そんな外国人にとって、日本語能力の証明の一つとなるのが「日本語能力試験」と「日本語検定」です。

今回の記事では、二つの日本語に関する検定について詳しくご紹介します。

日本語能力試験・日本語検定とは

日本語を母語として生活している私たちにとって、日本語能力試験や日本語検定はあまり馴染みのないものかもしれません。この項目では検定試験の内容についてご紹介します。

日本語能力試験の目的・対象者

日本語能力試験(にほんごのうりょくしけん、英語: Japanese Language Proficiency Test、略称JLPT、日能試)は、公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催している検定です。

これは日本語を母語としない人を対象に、日本語の能力をはかるための試験で、日本を含め世界86か国で開催されている試験です。日本国籍の有無にかかわらず、日本語を母語としていない人を対象に行われ、その中では最も受験者の多い試験です。

最も難しいのがN1で、最も簡単なレベルはN5です。N4、N5では教室内で学ぶレベルの日本語をはかり、N1やN2では実践的な会話の中で使用できる生きた日本語の能力をはかります。

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日本語検定の目的・対象者

一方、日本語検定は、日本語を母語とする人を対象に、日本語の能力をはかる試験です。2007年に開始され、特定非営利活動法人日本語検定委員会が主催です。おおむね年に2回開催されています。

年間およそ10万人が受験するこの検定では、総合的な日本語の運用能力をはかり、敬語、語彙、漢字など、様々なジャンルの問題が出題されます。誰でも受験することができ、国籍は関係ありません。

日本語能力試験と日本語検定の違い

では、日本語能力試験と日本語検定には、どのような違いがあるのでしょうか。

この項目では、それぞれの特徴や目的についてご紹介します。

目的・対象者の違い

この二つの検定は、まず目的と対象者が異なります。

日本語能力検定が、日本語を母語としてない外国人を対象にしているのに対し、日本語検定は、日ごろから日本語を話し、日本語ネイティブやそれに近いレベルの人が対象になっています。

日本語能力検定では、日本人(日本語ネイティブ)にとっての英検やTOEICテストのように、日本語の文字、語彙、文法についてどれくらい理解できているか、どの程度コミュニケーションが可能かという点ではかられます。

一方日本語検定は、日本語のネイティブを対象に行われる試験なので、「普段使っている日本語を勘違いや思い違いがなく正しく使えるようにする」というコンセプトを持った検定です。このレベルは、基本的な日本語の会話レベルに限らず、社会人に求められるレベルやアカデミックレベルなど、幅広い出題内容となります。

この日本語検定は、もともと日本語を母語とする人か、もしくは一定以上日本語のレベルがある人に向けて行われる試験であるといえます。

受験によって得られるメリットの違い

日本語能力試験は、主に日本語の能力を身に着けたいと考えている人に向けて行われる試験なので、具体的には日本国内での就職や進学を検討している人にとっては必要な試験となります。

その他にも、自分の学習のレベルがどの程度にあるのか実力をはかるなど、日常生活の中でも様々な場面で役に立つ資格といえます。

一方、日本語検定では、主に大学生未満の生徒においては、コミュニケーションの向上や、正しい母語での表現力を身に着けることにつながると考えられています。

そのほか、大学生にとっては社会に出てからも役立つ幅広い表現を身に着けることや、社会人としては正しい日本語・敬語を使用できる能力を養うために活用されています。

日本における就労・就学の条件となっている日本語能力試験

日本での就職を目指す外国人にとって、日本語のレベルの証明が必要になる場面は多く、その際に役に立つのが日本語能力検定です。この項目では、その詳細についてご紹介します。

日本語能力試験のレベル区分

日本語能力検定には、全部で5段階のレベルがあります。受験者は通常N5レベルから学習を開始し、N1が最も難しいレベルになります。

N5では、基本的な日本語の文字や簡単な言葉を学び、N2からは実践的な会話表現などを取り入れ、N1ではネイティブが日ごろ使用するような微妙なニュアンスの違いなども問われます。

日本語能力検定の公式ホームページでは、それぞれのレベルの認定目安を以下のように設定しています。

  • N1

幅広い場面で使われる日本語を理解することができる

  • N2

日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる

  • N3

日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる

  • N4

基本的な日本語を理解することができる

  • N5

基本的な日本語をある程度理解することができる

外国人採用の際の注意点

日本語の能力を必要とする職種に関する外国人能動力の採用を検討している企業にとっては、日本語能力検定は一つの指標になります。

しかし、この検定のみで日本語の実用能力をはかることにはリスクもあるといえます。

たとえば、外国人労働者の中には、これらの試験を受けていないにも関わらず、推定でこれらのレベルの表記をしている人もいます。

その場合、実際のコミュニケーション能力や文字の読み書きの能力が試験で定められているレベルに到達しているか定かではないので、採用後に期待していた語学レベルを保持していないことが明らかになる可能性があります。こういったトラブルを防ぐため、日本語能力検定では資格証明書の発行を行っているので、事前に証明書の提出を義務付けるなどの対策が必要です。

二つ目は、同じレベルの資格を持っていても、人によってそのレベルが多く異なる場合がある点です。

日本での英語試験に置き換えると想像しやすいですが、英語圏への留学経験がある人と、ペーパーテストの勉強を国内のみでしてきた人では、同じ程度の資格を保持していても、実際のコミュニケーションで大きな差が生まれる可能性があります。そのため、企業として求めるレベルの語学力があるかどうかを知るためには、実際に会って話してみることが最も確実性の高い方法といえます。

日本語能力試験を活用した採用方法

このように、日本語能力検定のレベルは5段階ですが、日本での外国人採用を検討している企業はどのような判断基準を持てばよいのでしょうか。

例えば、日本語検定N1やN2を保持している人材は少なく、そうした方は求人倍率も高くなり、採用することは簡単ではありません。

そのため、今後の伸びしろに期待するという意味でも、N3、N4レベルの外国人労働力を採用するのは一つの選択肢といえます。このレベルの日本語が理解できる人は、言語環境が整えば上達のスピードも速い可能性があります。

さらに、N4以上のレベルがあれば、最低限の意思疎通は可能なので、仕事の中で必要な指示を理解できるだけでなく、研修期間を経ることで接客などの仕事ができるまでに成長できる可能性があります。

目的に合った利用が必要な日本語能力試験・日本語検定

日本語能力検定と日本語検定は、目的も対象者も異なる試験です。

前者は、日本語を母語としない人を対象としており、就職や進学において必要なレベルになっているかをはかることができる試験でもあります。一方で後者は、日本語ネイティブ、もしくはネイティブレベルの人がより幅広い表現や正しい日本語を身に着けるためにある試験です。

外国人採用を検討している日本の企業にとっては、採用者の日本語レベルは重要ですが、具体的な採用基準としては、日本語能力検定のN1~5の間の、数字の低いほうが日本語能力が高いことの証明になります。

N1、N2レベルの人材は数も少なく採用が難しいので、企業の採用状況や就労環境によって、採用基準を見直すことも大切です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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