2020年の東京オリンピックより、「スケートボード」が新種目として加えられました。日本ではまだまだ認知度の低い競技でもあり、その魅力や楽しみ方がいまいち分からないという人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、そんなスケートボードのルール、競技方法、観戦についてなど、オリンピックをより楽しむための基本情報をご紹介します。
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スケートボードの歴史と競技ルール
スケートボードというと、なんとなく若者が趣味で集まって遊んでいるイメージを持っている方も多いかもしれません。この項目では、オリンピックの公式種目になるほどまでにスポーツとしての地位を獲得してきた「スケートボード」の歴史と、その競技方法についてご紹介します。
スケートボードの歴史
スケートボードの発祥起源については定かではありませんが、1940年代頃にアメリカのカリフォルニアで初めてスケートボードに近いものが作られたと言われています。
その後、1950年代になると、カリフォルニアのサーファーたちの間で流行し、板にローラーというシンプルな作りから、傾斜や構造などが改善されました。
1960年代になると、カリフォルニアではすでにスケートボードをめぐる競技大会が開催されていました。当時は曲芸的な要素が強く、アイススケートのようにくるくる回転したり、逆立ちしたりして競技が進められました。
その後、1970年代に入ると、サーフィンのスタイルでコンクリートを滑るというスタイルが確立され、水を抜いたプールのような場所での滑走が行われ、現在の形式に近づきました。
1980年代になると、特に若者を中心に、音楽と「スケートボード」というカルチャーの融合が人気を博し、一つのファッションのスタイルとして確立されるようになります。
その後、スケートボード自体の性能、機能性の追求などが行われ、現在のように一つのスポーツとしての地位を獲得しました。
スケートボードの競技ルール
オリンピックで行われるスケートボードの競技は「ストリート」と「パーク」の二つに分かれます。
「ストリート」とは、コース上に設置されているセクション(障害物)を利用しながら技を披露する競技です。このセクションとは、一般的に道端で見かけるようなものが使用されており、階段や手すりを滑走するスケートボードを見たことがある人も多いでしょう。
これらの障害物に上る際に、手を使用せずにスケートボードと身体を一緒に浮かせることを「オーリー」といい、そこから展開される技を「トリック」と呼びます。トリックの難易度や高さ、スピード、オリジナリティ、完成度、そして全体の流れを基準に、審査員がそれぞれに演技に点数をつけ、順位が決まります。
一方「パーク」では、選手たちは複雑な窪地状のコースを滑走することになります。平面コースが基本となる「ストリート」とは異なり、急な斜面を急降下した勢いを利用して高く空中に飛び出すのがパーク競技の見どころになっています。
自分が回転したり、デッキを手でつかんだり、それぞれ自由に技を決定することができ、その技の独創性や難易度を競います。
東京オリンピック新種目に5競技が追加に
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オリンピック スケートボードの開催場所や、注目選手、強豪国の紹介
スケートボードは比較的新しい競技なので、10代後半の選手が「ベテラン」と言われることもあります。
この項目では、そんなスケートボードの開催日程、注目選手、強豪国などについてご紹介していきます。
※開催場所は、東京オリンピック・パラリンピック延期決定前の情報です。
オリンピック スケートボードの開催場所は?
オリンピックでのスケートボードの開催会場は、「有明アーバンスポーツパーク」です。
有明テニスの森の近くに設立されるされる仮設施設であり、この場所は、選手村からも近いウォーターフロントエリアの有明北地区にあたります。
スケートボードの他には、自転車競技のBMXレーシング、BMXフリースタイルなどの「アーバンスポーツ」を中心に開催会場として使用される予定です。
アーバンスポーツとは、若者に人気の「都市型スポーツ」を指し、自転車競技やスケートボード、スポーツクライミングなどもこのアーバンスポーツにあたります。
スケートボードが開催されるこの有明アーバンスポーツパークの収容人数は7,000人となっています。
有明アーバンスポーツパークの周辺施設や会場へのアクセスは?
続いて、会場へのアクセスについてです。 有明アーバンスポーツパークへは、東京臨海高速鉄道りんかい線「国際展示場駅」下車徒歩8分、東京臨海新交通臨海線ゆりかもめ「有明テニスの森駅」下車徒歩1分となっています。
また、有明アーバンスポーツはもともと都心に近い位置にある会場なので、オリンピック開催時には周辺のホテルは混雑する可能性もあります。オリンピック目的での人の移動や外国人観光客の増加も考慮すると、早めに周辺の宿を確保しておくのが良いでしょう。
注目選手や強豪国は?
スケートボードの世界ランキングは、2019年1月1日から2020年5月31日までの大会の成績で決まり、世界ランキング上位20人が2020東京オリンピックの出場権を獲得します。
ただし、同地域からは最大3人までしか出場できません。スケートボード発祥の地であるアメリカは、男女ともに世界ランキング上位を占めていますが、それでも3人ずつしか東京大会には参加できないため枠争いの激しさが予想されます。
日本人選手の中で、日本ローラースポーツ連盟が日本代表候補として注目しているのは、以下の選手たちです。
男子
・瀬尻 稜(せじり りょう)
・堀米 雄斗(ほりごめ ゆうと)
・池田 大亮(いけだ だいすけ)
・池 慧野巨(いけ けやき)
・平野 歩夢(ひらの あゆむ)
女子
・中村 貴咲(なかむら きさ)
・西村 碧莉(にしむら あおり)
・西村 詞音(にしむら ことね)
平野歩夢選手はソチオリンピックのスノーボード銀メダリストでありながら、東京オリンピックでのスケートボードでの大会出場を狙っていることを明らかにしました。西村碧莉選手と西村詞音選手は姉妹スケーターとして注目されています。
アメリカ以外の国ではスペイン、フランス、ドイツ、スウェーデン、チェコなどのヨーロッパ諸国、さらに、ブラジル、オーストラリアなどが勢いをつけていますが、年齢層が若い競技であることから、誰が大会に出場することになるか、予想がつきにくいのも特徴です。
スケートボード観戦を最大限に楽しむには
ここまでスケートボードの概要や歴史についてご紹介してきました。では、スケートボード観戦を楽しむためには、どのような点に注目すればいいのでしょうか。
スケートボード観戦の魅力とは?
スケートボードが今回の東京大会から取り入れられたことの一つの狙いに「若年層の取り込み」が挙げられます。このため、スケートボードでは、オリンピック独特の緊迫感よりも、BGMや開放的なムードを重視した構成を重視しています。
また、コースの走行方法や技の順番などはすべて自由であるため、それぞれの選手の独自性にも注目が集まります。
トリックの難易度や完成度、オリジナリティ、スピードに加えて、全体の流れやダイナミックさ、安定感、浮遊感など、採点は様々な基準において行われるため、観戦している観客もどんな技が繰り出されるのかワクワクしながら競技を見ることができます。
スケートボードを楽しむ秘訣とは?
このように、スケートボードは若者の自由な文化をもとに生まれた競技です。そのため、競技ルールやこのスタイルにおいても、自由度やカジュアルさが重視されており、ショーを見るような気持ちで観戦できるのが魅力の一つです。
競技としての基本的なルールを事前に理解しておくことで、その魅力をより一層深く体感できます。
観戦の際には、「オリンピックだから」といって緊張せず、音楽にのりながらパフォーマンスを楽しみ、周囲の雰囲気と一体となることでより楽しめるでしょう。
オリンピックでスケートボード観戦を楽しもう
スケートボードは今回の東京オリンピックから競技に追加されます。その競技の特徴は、自由度が高いこと、ダイナミックな演技を体験できることなどです。
さらには、若者文化として発展してきたという経緯からもスポーツとしての側面と、ファッショナブルな側面を同時に楽しむことができるのも、魅力の一つです。
BGMに合わせて演技をする様子は、他のオリンピック種目にはない、革新的な面白さを見る人に与えてくれることでしょう。
そのほか、オリンピック開催時には有明アーバンスポーツパークの周辺の宿泊施設は混雑する可能性があります。オリンピック目的での人の移動や外国人観光客の増加も考慮すると、早めに周辺の宿を確保しておくのが良いでしょう。
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