2019年の訪日外国人は過去最多の3,188万人!激減した訪日韓国人・新型コロナの影響は?

公開日:2020年04月03日

現在、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、インバウンド業界は大きな打撃を受けています。新型コロナウイルスの流行は経済に大きなダメージを与えたばかりでなく、リモートワークの普及など、働き方や社会通念のあり方にまで大きな変容をもたらした出来事だといえます。

「プレコロナ」ともいうべき2019年のインバウンド業界は、一体どのような軌跡を辿ったのでしょうか。改めて振り返りたいと思います。

2019年の訪日外国人は、過去最多となる3,188万人を記録しました。2019年には韓国で反日感情が高まり、訪日韓国人こそ大幅に減少したものの、ラグビーワールドカップ2019が日本で開催されたことやインバウンド受け入れ体制の整備が進んだこともあり、日本は過去最多となる訪日外国人数の獲得に成功しました。

今回は、日本政府観光局(JNTO)による統計資料を基に、3,188万人を超える外国人観光客が日本を訪れた理由と、2019年のインバウンド市場に起きた変化をまとめます。

訪日外客数は過去最多3,188万2,100人

日本政府観光局(JNTO)によると、2019年において日本を訪れた外国人観光客は、合計3,188万2,100人となりました。前年(2018年)の3,119万1,856人と比べて約2.2%増加しており、外国人観光客の訪問数は過去最多となりました。

2019年の上半期の訪日外客数では、ベトナム人が前年と比べて約30.3%増加、ロシア人が前年同期と比べて約20.4%増加するなどの追い風が吹きましたが、下半期の8月頃になると韓国人が日韓関係の悪化に伴い大きく減少したため、インバウンド市場全体にも影響が見られました。

訪日外国人の国籍別に訪問者数を見てみると、韓国を除いた19か国で過去最多の訪問者数を記録しています。中でも訪日中国人は959万4,300人と前年と比べて約14.5%増加しており、一つの国からの訪日外客数では初めて900万人を突破しました。

一方で、韓国人は558万4,600人と、前年の753万8,952人と比べ約25.9%減少しており、日韓関係の悪化が大きな波紋を呼んだ1年となったことが分かります。

次は、東南アジア市場と欧米豪市場などそれぞれの市場における2019年の主な動きを紹介します。

東南アジア市場

2019年の東南アジア市場は、航空路線の新規就航や増便が追い風となり、後半になるにつれて成長してゆきました。

東南アジアの中でも訪日フィリピン人は前年と比べて年間約21.7%増加した61万3,100人、訪日ベトナム人は前年と比べて年間約27.3%増加した49万5,100人となり、東南アジア市場全体も前年と比べて年間2割の増加率を示しました。

欧米豪市場

欧米豪市場からの訪日外国人は、ラグビーワールドカップ2019の開催をきっかけに大幅に増加しました。

中でもラグビーワールドカップ2019に3チームが参加したイギリスからの観光客は、9月と10月に前年と比べて約80%も増加しており、年間でも約27.0%増加し42万4,200人となりました。

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日韓関係の悪化が影響した韓国市場

2019年の訪日外国人市場全体としては過去最多となったものの、前述した通り日韓関係の悪化が足かせとなり訪日韓国人の減少を招きました。

ボイコットジャパンと呼ばれる韓国で広がった一連の反日運動により、2019年8月には訪日韓国人が前年と比べて約48.0%も減少する「コリアショック」が発生しました。また、訪日韓国人が減少したことを受け、イースター航空、エアソウル、エアプサン、ティーウェイ航空、大韓航空などが相次いで日韓間の航空路線を運休したり減便するなどの措置を執ったため、更なる訪日韓国人の減少を招きました。

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消費額も過去最高

ここまで、2019年の訪日外国人外客数を国籍別の人数をもとに振り返りました。次に、訪日外国人の消費額から2019年のインバウンドの消費動向を分析します。

7年連続過去最高となった消費額

2019年の訪日外国人旅行消費総額は前年と比べて約6.5%増加した4兆8,135億円となり、過去最高額を記録しました。

また、訪日外国人の国籍別に消費金額を見てみると、最も消費金額が多かったのは訪日中国人でした。訪日中国人が2019年に消費した総額は1兆7,704億円となり、全体の約36.8%を占めました。更に、中国、韓国、台湾、香港、アメリカの消費総額を合わせると全体の71.1%を占めるため、日本のインバウンド業界はこれら5か国に大きく依存していることも分かります。

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1人当たりの旅行支出も増加

訪日外国人の1人当たり旅行支出は前年と比べて約3.5%増加した15万8,531円となりました。

訪日外国人の1人当たり平均消費額を費目別に見てみると、買い物が最多の約34.7%、次いで宿泊費約29.4%飲食費約21.9%と続いています。これらの並び順に大きな変化は見られませんでした。

欧米豪、東南アジア市場の一人当たり消費金額が増加傾向

2019年は訪日外国人の人数こそ増加したものの、消費金額が増加した国は8か国となりました。

中でもフランスは前年と比べて約10.1%増加した平均23万7,420円、イギリスは前年と比べて約9.3%増加した平均24万1,264円、タイが前年と比べて約5.2%増加した13万1,457円など、比較的高い増加率を見せています。また、香港、シンガポール、ドイツ、オーストラリアもそれぞれ消費金額が増加しています。

一方、中国、韓国、台湾など、旅行者数の多い国からの消費額は軒並み減少傾向となりました。

2019年インバウンドニュース

最後に、2019年のインバウンド業界に影響を及ぼした主なニュースをおさらいします。2019年にはラグビーワールドカップ2019が開催され、訪日外国人数の増加に貢献したものの、中国で電子商務法が施行されソーシャルバイヤーに規制がかかりました。また、出国税の徴収が始まり、今後政府がインバウンド政策を実施する際の財源として活用される予定です。

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2019年9月より2か月に渡り日本で初となる「ラグビーW杯」が開催されました。日本チームの歴史的勝利とベスト8進出といった興奮から、ラグビーの認知度がまたたく間に上がり、多くの人にラグビーワールドカップ(W杯、RWC)の存在を強く印象付ける機会となったようです。そんな中、ラグビー客と地元住民との間でのトラブルや、ラグビー観戦のため訪れた訪日客が犯罪に巻き込まれるといった事態が多発しました。今回は国際舞台の裏側で起きていたトラブルについてご紹介します。目次W杯の観戦客が来店、飲食代93万円を...

出国税の徴収がスタート

2019年1月7日より、日本を出国する全ての旅行者から1人当たり1,000円の出国税が徴収されることとなりました。

政府は出国税の目的を「観光先進国実現に向けた観光基盤の拡充・強化を図るための恒久的な財源確保」のためとしており、今後の政府によるインバウンド政策には出国税の財源が活かされる予定です。

出国税は航空券や乗船券の費用に含まれているため、これらの支払いをする際に自動的に出国税も支払うこととなります。

日本人も外国人も一律1000円 いよいよ1/7から始まった「出国税」

目次出国税、1/7からスタートそもそも出国税とは?出国税開始の経緯出国税はインバウンドにどのような影響がある?徴収したお金は観光整備に活用される方針まとめ:インバウンドの課題解決に拍車かかるか?出国税、1/7からスタート日本を出国する際に一人当たり1000円を課す「出国税」の徴収が7日に始まりました。恒久的に徴収する国税では1992年の地価税以来、27年ぶりの登場になります。出国税を通じて見込まれる税収はおよそ500億円と見られ、政府は増加した税収分について、訪日外国人を増加させる施策のた...

電子商務法施行で爆買いにストップ

2019年1月1日より、中国政府は中国国内において「電子商務法」を施行しました。

電子商務法は電子商取引を営む者に登録や納税の義務を課すもので、それまでインターネット上で自由に活動していたソーシャルバイヤーを規制する法律としての見方も可能です。

電子商務法に違反した場合は最大約3,400万円の罰金が科される規定となっており、2015年頃から広まっていた爆買いに歯止めがかかる形となりました。

最大3400万円の罰金 中国「ソーシャルバイヤー」規制で『爆買い』さらに沈静化へ?/2019年1月施行の「電子商務法」とは

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2020年、インバウンド業界は苦境の年に

日本政府は今年、訪日外国人数4,000万人達成を目指すと宣言しましたが、2月頃から新型コロナウイルスの感染が世界中に広がったことで、目標達成への道は険しくなっています。

現在、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために多くの国が海外への渡航を制限しており、インバウンド業界にとってはかつてない苦境に立たされているといえます。

今年に予定されていた東京オリンピックも来年夏に延期が決定し、オリンピックによって大きな「特需」を見込んでいた業界も、その「特需」が来年まで持ち越しとなってしまいました。

2020年のインバウンド市場は、訪日外国人の増減が全く予想できない事態となっています。まずは、全世界が協力して新型コロナウイルスの感染拡大を食い止め、観光産業の立て直しを図ることが第一の目標といえるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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